蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

レヴィストロース神話学第6回 蜜から灰へ2 Youtube投稿案内

2023年11月26日 | 小説
(2023年11月26日)Mythlogique神話学第2巻「蜜から灰へDu Miel aux Cendres」11月15日投稿に続く第2回目です。神話は自然と文化の同盟を語ります。蜜の女王Mabaが蜜狩人に嫁ぎ、夫が主宰する儀礼に欠かさず蜜酒を給仕する。ある日、飲み尽くされて酩酊の夫が「次にはMabaはふんだんに」と口を滑らせた。実名を他者に漏らす禁忌破り。Mabaは蜂に戻って森に消えた。同じ筋立てで出会いと破局を奏でるさらに2曲の神話。つかの間の同盟と見捨てられた文化の悲惨が語られる。
動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。


動画のスクリーンショット

動画リンク
https://youtu.be/evFdyt8hzIs

以上はYoutubeでの案内。この動画では自然と文化の融和、同盟が語られるが、そのきっかけをレヴィストロースは「偶然」と語る。自然文化の男と女が偶然に出会って、文化側の偶然の失点では曲を迎える、との説明です。部族民は「偶然を装う自然側の仕掛け」で同盟が成立し、文化側の然るべき事情で破局したーと考えます。皆様にあっても判断があるかと思います。


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訴えかけだけは共有して(読み切り)

2023年11月16日 | 小説
本日11月16日、構造主義も文化三角形も出てきません。

紫波と書いてシワと読む。紫波は北に盛岡を仰ぎ南に花巻を控える山間の町です。部族民は日野市民なので、この町に縁もゆかりもないけれど、ひょっとしたきっかけで知ることになった。童謡「たき火」で知られる作詞家「巽聖歌」(没は1973年)、は紫波に生まれ晩年を日野市で過ごし、旭ヶ丘(当時は平山)の自宅で没した。
この縁を機に日野市と紫波町が交流を深め、ここ数年は紫波町の物産を日野市の特設イベントでブースを開いて販売していた。「していた」と過去形なのは、コロナ禍のアオリを受けて日野市はイベントを自粛していた。3年の休止を経て23年になってようやく解禁になり、日野産業祭りも開かれるまでに至った(11月11,12日)。
日野市のチラシで紫波町も出品すると知り、早速でかけた。狙いはワインです。
ワインは紫波町の特産品。日本では甲州盆地がワインの生産が活発。紫波は、甲府に比べると気候、風土でより冷涼。ワイン風格にもこれが影響する。初めて口に含んだときは「アルザス」に似ていると感じた。アルザスには対極にボルドーが控える。それと比べると風味、コクはより薄い。この薄さが軽い味わいを醸し出す。アルザスの郷土料理とされる「シュークルート」(塩漬け豚を酢漬けキャベツで煮込む)に合わせると、赤でも豚の味を殺さない(豚肉は普通、白ワインで食す)。
時は12日の午後3時、産業祭り紫波のブースで交わされた会話 ;
部族民「4年ぶりの来日野、ありがとう」
紫波ワイン生産者「ワイン、色々持ってきている」
「紫波ワインのファンです、飲み口がアルザスに非常に似て気に入っている」
「皆さんそう言います、ボルドーでは強すぎるという愛好家に評判が良い」
「ヌーボーありますか」(ヌーボーとは今年、早採り収穫したワイン)
「紫波でもヌーボー解禁は11月17日と決めているから、販売はできない。しかし今年は紫波ワインの当たり年、ヌーボーも最高品質となります」
ここに足を運んだのが紫波ヌーボー狙いだった、買えないうえに、今年の味は最上と教えられても落胆するしかない。帰ろうと足を回す間際に、
「去年のヌーボーならあります」
と出されたのが写真。家に戻って早速開ける試飲する。


失礼ですが飲みかけのボトルをアップロード

甘い。
甘いワインではソーテルヌ(ボルドー)が有名。部族民は遠い昔、ボルドーに商用で赴いた。季節は夏、戸外では40度にも近い盛夏。乾燥しているからの木陰に入れば汗も引っ込む。そんな戸外の青い木陰のレストランで軽くソシス・フリット(ソーセージと揚げじゃが)を、ギンギンに冷えたソーテルヌで、食べた。そのソーテルヌの甘さと香り、これが富貴の腐り匂いかと畏れ入った。目の前の紫波甘口にそのしつこさは欠ける。甘い軽さに風に晒された葡萄の風味がほんのり、乾いて乗る。推理を進めると「アルザス遅摘み」に比べられるかと思いつく。アルザスワイン華が « Vendange tardive » 。しかし部族民はアルザス遅摘を飲んだことなどありません。思いついただけ。了

追:最後まで読んでいただきありがとう。ワインが美味しとの訴えかけを共有できた事に感謝。実物のボトル「紫波遅摘」の残りを共有できないのが残念、一人で処分しちゃいます。


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レヴィストロース神話学第5回 蜜から灰へYoutube開始案内

2023年11月15日 | 小説
(2023年11月15日)神話学第2巻「蜜から灰へDu Miel aux Cendres」1回目です。本書の出版は1967年、446ページ、165の南米先住民の神話を収録している。蜜もタバコも摂食する物質である。しかしいずれも本来の意味での調理からは外れる。蜜はミツバチが食できるまでに加工する、人の手(火の利用)を介さず食できる。一方、タバコの消費は前もって火に掛け、煙を吸い込む、タバコ自体は灰に化ける。タバコはその成り立ちから反文化の様相を帯びる。蜜は財として用いる、あるいは消費する形態は文化の範疇であるが、反文化の心情、行動を人に促す。両者とも文化から派生するのだが反文化との抗争を経験する。火と水の進展を爛熟させる超文化の位置づけとなる。
動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。


動画のサムネイル

Youtube動画リンク
https://youtu.be/rdtwO5OMf_s
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分子進化の中立が説くアシュケナージの試練、生き残りの女戦略 3 (最終回)

2023年11月13日 | 小説
(2023年11月13日)分子進化の中立(木村資生)を理解できなかった部族民は本書(アダムの旅)で「博士はガス拡散の式を集団遺伝に応用した」(ウエルズ)の説明でようやく理解できた。個別の分子遺伝の変容が集団となると「ガス拡散」となって中立に向かうと。これがカヴァッリ・スフォルツアの民族の遺伝特性の研究を数理的に裏付ける理論となった。あらゆる遺伝特性は平準化する。例えば知能、全世界、多くの民族の平均知能指数は100を指す。これに劣る民族も報告されるがそれは「教育」「言語の特性」など文化側面で説明できる。
知能を前向き方向に邁進させた民族がアシュケナージ(北方ユダヤ人)である。平均はなんと112。ここには1000年に渡る社会淘汰の足跡が認められる(これまでの投稿、10月26,28日、要約)。
話を生き残り女戦略、日本に向ける。


レヴィストロース神話学「裸の男」では女は自己主張の強い、弱いの両性状が描写される。弱い母は後に英雄となるイシスを背負って火中に飛び込もうとする。(北米先住民は幼子をオンブする。写真は部族民がようやく見つけたKlamaths族のオンブ写真)

コロナ禍の前、2018年の大手新聞社の若者調査で配偶者に求める「資質は?」の問に、青年多くが「思いやり」と答えた。女子についても言葉は「頼もしさ」と替わるが、同じ資質と見てよい。さる社会学者は「日本人は争いを好まない、結婚相手にしとやかさを求めているのだろう」とのコメントを記憶にとどめた(この調査主体がY新聞であるが日付など、またコメント学識の素性はメモ紙がなくなったので今となっては分からない)。
聖徳太子は「和を持って尊しとする」と臣、平雑民らを諭した。この一言が日本人の心深くに残った。まさに1400年(太子没は622年)を超えて日本人は、相手に融和の性状を求めていたのだ。これを図式化すると、ある青年「例えばの話だけど、旦那さんと意見が違ったら、君、どうする」「絶対に私の意見を通すゎ~」と交際相手が断言したら、彼女は配偶者を選ぶ機会を狭めてしまう。これが70世代(1400年)継続すると、ゴリゴリと自我を通し、ズカズカと自説を曲げない女は居なくなってしまう。
前投稿した図を見てくれ。アシュケナージの知能指数分布曲線。知能遺伝子の分子変化はガス拡散に準じるが、社会淘汰で分布の山なりの平均ピークが112に向上している。日本女子の「しとやかさ」度数は分子中立のからくりを破って、ピークが150いや200に達しているはずだ。何しろ聖徳太子~1400年の社会淘汰~なんだから。


グラフは本書からデジカメ。下の分布図のようにしとやか女が増えるはずだった。
(図は一部加工、商業利用でないので著作権に抵触しないと判断した)

しかしこれは実体験の印象とは合致しない。相変わらず女はゴリゴリ煩く、ズカズカと他者意見をはねつける。社会淘汰を通過したガス拡散と分子遺伝の中立、理論とその実際との乖離の大きさに思わず頭を捻った。そして合点が行った。
アシュケナージを振り分けた知能と才能、これらは誤魔化しようが無い。前回でユダヤ人がギルド管財人の面接で自己のスキルを売り込んで、採用になった。実地でそのスキルを展開しないとクビになる。ゆえに才能にホラを吹いても無意味。
しかし女は、
娘時代には「しとやかさ」「優しさ」を振りまいて相手に自己の女正義を見せつける。そしてこの性状は偽装できる。のちには本来性状が頭をもたげゴリゴリ、ズカズカが発揮される。この事実では「しとやかさ」遺伝子に収斂する過程が打ち消される、ガス拡散するのみ。たとえ1400年が経過しようが、社会淘汰圧が強かろうと、女の戦略に敵う相手などいない。
ガス拡散法則が立派に生きているゴリゴリ女。分子進化の中立説が証明される事実には歴史偉人も著名遺伝学者も、あらゆる男が圧倒される。
分子進化の中立が説くアシュケナージの試練、生き残りの女戦略 了 (11月13日)
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レヴィストロース神話学第4回生と調理3 Youtube投稿案内

2023年11月07日 | 小説
(2023年11月7日)神話学第一巻「生と調理Le cru et le cuit」の3回目です。2回までで新大陸神話とは文化の創生を主題とし、生肉食いから焼肉食いに進化した時点で文化が始まるとした。火と狩りの道具をジャガーから盗み、狩る豚は「しきたりを守らない」愚か者を豚に変身させた。もともとは人間だったから、自然に気兼ねなく狩りたいだけ狩れる(野豚猟)の言い訳ができた。火を基軸にした文化の進展は「タバコ」の取得に進む。ここでも「文化に行き着くまでの呻吟が人の踏み出し行動(近親姦、しきたり破り、食物の独り占め)に謳い上げられている=前回」。夫を殺すジャガー妻は残忍と同時に「同盟」を否定する反文化です。
動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。

動画リンク
https://youtu.be/huvlhoMsnxA


投稿動画のスクリーンショット


今回、初めての試みとしてYoutube動画を全尺、ホームサイトにリンク貼りました。YoutubeはFHD、サイトの動画はピクセルを減らしています(725X515)。ショートムビ―(X Twitterで収録してくれる2分版)もリンクが貼ってあります。

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レヴィストロース神話学第3回生と調理2 Youtube投稿

2023年11月01日 | 小説
Mythlogiqueレヴィストロース神話学第3回生と調理2のYoutube案内です(2023年11月1日)

神話学全4巻は800余の新大陸神話を収録しているが、南米マトグロッソに居住するボロロ族の文化創成「火と水の創造」が全ての基準と位置する。文化に行き着くまでの呻吟が人の踏み出し行動(近親姦、しきたり破り、食物の独り占め)などに謳い上げられている。「生と調理」の「俗神が婿の役務を遂行しない族民を豚に変遷させる」16神話を紹介する。
カルサカイベの一声で男女ともに豚の鳴き声を交わしては、その場で交合する様は圧巻。

今回の目玉は : 本書巻頭のメロディー、シャブリエ作曲の「音楽に寄せる」をプラソン指揮、バーバラヘンドリクスのソプラノで5秒ほど紹介する(動画最後)。
動画に使用されるプレゼン資料(PDF)は部族民通信ホームサイト www.tribesman.net の神話学の頁に収録されている。


動画リンク
https://youtu.be/MYBbNSu6KR0
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