(2023年10月28日)9世紀にはアルザス地方に定住し、金融、貴族の家財管理などの職を得たユダヤ系移民、アシュケナージと後日命名されるが、イーディシュ語でその意味はジャーマニー。生息域を東部に広げた歴史の証明です。部族民(渡来部)はピアニスト・アシュケナージ(ユダヤ系ロシア国籍)やハンガリー出身者がノーベル賞受賞者を排出した事情から、「東方に居住していた」ユダヤ人と勘違いしていた。対する西方にセファラディ(スペインから移住)を置き、ヨーロッパを東西に棲み分けたと。これはあながち間違いではなかった。東方系もモンテーニュ、スピノザなど歴史に残る賢人を残す優秀な集団であった。
しかるに今の語法はモロッコ、チュニジアなどからイスラエルに移住してきた南方集団を指す。北方と南方との知能の差は愕然とするほど克明らしい(イスラエル歴代指導者の発言から)。
本書(1万年の進化爆発、コクランら著、日経BP刊)では「北方ユダヤ系」として紹介したが、この北方に若干の違和を覚えた。単に部族民の知識(西方対東方)が古すぎ、今は南北に分けていると知った。
歴史のアシュケナージに戻る。
農地を所有できず工芸からは締め出されていた集団、就業機会は金銭にまつわる職場のみ。個人能力としては計算に強いが求められ、職能に複式簿記、在庫評価、金利計算、船荷保険の料率の策定など。今の大企業のCFO Chief of Finance以上の能力が求められる。なぜなら保険料率策定は「アクチュアリー」として専門化している。
中世ユダヤ若者がそのような技能を会得できなかったら収入の路が閉ざされる。嫁を貰い子を設ける機会から締め出される。有能な若者のみが高収入を得て嫁をとり家族を養う。すると優秀な父親がより多く子を持ち、それら全員は優秀かと想像するが、遺伝の物事、そうは簡単に進まない。子の全てが親の資質を継ぐとは限らない。分子進化のガス拡散説(木村博士)が立ちはだかっているのだ。故に子の世代でも選り分けが働くし、優秀でない個体の淘汰が孫ひ孫…と続く。
シンガー(イーディッシュ語作家、1978年ノーベル文学賞)だったか、小品でギルトの主要港リューベックの書紀を採用するシーンを思い出す。ギルトを加護するザクセン公の執事ハインリッヒはチュートン騎士、その配下の財産監理官コーヘンはアシュケナージなのだが、下位職の港湾事務所監督者も同じくアシュケナージ、グーランが候補の若者を面接する。若者は己の出自をアーロン(モーゼの兄)から諳んじ、持ち込んで面接台に広げているパーチメント系図には目を落とさず、アーロン、ナダブ、タナエミ、サムエル、ザカリ…幾世代かを並べ、最後にダヴィッドの子ジョゼフの子のイズラエルと自らを紹介する。
これが序段、監督者の質問に応じ体得した学問とその師の名を述べる。神学聖書はアーヘンのシナゴグ、コーヘン師から、ギリシャ語ラテン語はリガコレギウムのゴルドバッハ師からなどを挙げる。最後に数式を挙げる。監督者は数式に関心を寄せ、専門的な質問を幾度も浴びせた(このシーンがシンガーだったかは確かではありません。マンにもありそうだ)。
ガス拡散が発生した、分子進化と同じじゃ(写真はフリーPic ネット)
3の真実がギルドの面接試験に隠されている。
1 ガス拡散の様態として理解される分子進化の中立。これは真実なので個人が才能を得る、あるいは阻害されるか、そのいずれは誰にも予測できない。イズラエルは中立進化で良い方向に転んだだけ。
2 体得した知識、能力は個人を裏切らない。拡散したガスから良い「タマ」分子進化を捕らえたこの個人、イズラエルは知能、技能で他者をおそらく凌ぐ。
3 社会は才能を選ぶ、これが文化淘汰。アシュケナージが置かれていた事情では社会が求める技能を取得しない限り、彼らは世代再生産がおぼつかない。
このふるい分け環境で数百年、千年が経過すると、文化淘汰の洗礼を受けた集団の能力向上は誠に捗々しく、平均知能指数112を獲得するに至った。
しかし ;
分子進化の中立にも、拡散ガスの目眩ましにも、文化淘汰をも裏切り続け、生き延びの集団が今もこの世に幅を利かす。ダーゥインに背き、木村資生の自然摂理など歯牙にもかけない不埒でアンチ姿勢を200万年も続ける結社集団、これを女と呼ぶ。
分子進化の中立が説くアシュケナージの試練、生き残りの女戦略 2 了
しかるに今の語法はモロッコ、チュニジアなどからイスラエルに移住してきた南方集団を指す。北方と南方との知能の差は愕然とするほど克明らしい(イスラエル歴代指導者の発言から)。
本書(1万年の進化爆発、コクランら著、日経BP刊)では「北方ユダヤ系」として紹介したが、この北方に若干の違和を覚えた。単に部族民の知識(西方対東方)が古すぎ、今は南北に分けていると知った。
歴史のアシュケナージに戻る。
農地を所有できず工芸からは締め出されていた集団、就業機会は金銭にまつわる職場のみ。個人能力としては計算に強いが求められ、職能に複式簿記、在庫評価、金利計算、船荷保険の料率の策定など。今の大企業のCFO Chief of Finance以上の能力が求められる。なぜなら保険料率策定は「アクチュアリー」として専門化している。
中世ユダヤ若者がそのような技能を会得できなかったら収入の路が閉ざされる。嫁を貰い子を設ける機会から締め出される。有能な若者のみが高収入を得て嫁をとり家族を養う。すると優秀な父親がより多く子を持ち、それら全員は優秀かと想像するが、遺伝の物事、そうは簡単に進まない。子の全てが親の資質を継ぐとは限らない。分子進化のガス拡散説(木村博士)が立ちはだかっているのだ。故に子の世代でも選り分けが働くし、優秀でない個体の淘汰が孫ひ孫…と続く。
シンガー(イーディッシュ語作家、1978年ノーベル文学賞)だったか、小品でギルトの主要港リューベックの書紀を採用するシーンを思い出す。ギルトを加護するザクセン公の執事ハインリッヒはチュートン騎士、その配下の財産監理官コーヘンはアシュケナージなのだが、下位職の港湾事務所監督者も同じくアシュケナージ、グーランが候補の若者を面接する。若者は己の出自をアーロン(モーゼの兄)から諳んじ、持ち込んで面接台に広げているパーチメント系図には目を落とさず、アーロン、ナダブ、タナエミ、サムエル、ザカリ…幾世代かを並べ、最後にダヴィッドの子ジョゼフの子のイズラエルと自らを紹介する。
これが序段、監督者の質問に応じ体得した学問とその師の名を述べる。神学聖書はアーヘンのシナゴグ、コーヘン師から、ギリシャ語ラテン語はリガコレギウムのゴルドバッハ師からなどを挙げる。最後に数式を挙げる。監督者は数式に関心を寄せ、専門的な質問を幾度も浴びせた(このシーンがシンガーだったかは確かではありません。マンにもありそうだ)。
ガス拡散が発生した、分子進化と同じじゃ(写真はフリーPic ネット)
3の真実がギルドの面接試験に隠されている。
1 ガス拡散の様態として理解される分子進化の中立。これは真実なので個人が才能を得る、あるいは阻害されるか、そのいずれは誰にも予測できない。イズラエルは中立進化で良い方向に転んだだけ。
2 体得した知識、能力は個人を裏切らない。拡散したガスから良い「タマ」分子進化を捕らえたこの個人、イズラエルは知能、技能で他者をおそらく凌ぐ。
3 社会は才能を選ぶ、これが文化淘汰。アシュケナージが置かれていた事情では社会が求める技能を取得しない限り、彼らは世代再生産がおぼつかない。
このふるい分け環境で数百年、千年が経過すると、文化淘汰の洗礼を受けた集団の能力向上は誠に捗々しく、平均知能指数112を獲得するに至った。
しかし ;
分子進化の中立にも、拡散ガスの目眩ましにも、文化淘汰をも裏切り続け、生き延びの集団が今もこの世に幅を利かす。ダーゥインに背き、木村資生の自然摂理など歯牙にもかけない不埒でアンチ姿勢を200万年も続ける結社集団、これを女と呼ぶ。
分子進化の中立が説くアシュケナージの試練、生き残りの女戦略 2 了