1934年にソ連の無名の農学者のルイセンコが「獲得形質は遺伝する」を発表した時には、これぞマルクス資本論ヘーゲル弁証法の遺伝学で実証、20世紀の自然科学の画期ともてはやされた。「冬小麦」を寒冷処置すれば「春小麦」になり、獲得形質(春小麦化した)が遺伝的に継承されるので、種籾は春小麦に変性したと彼は実例をあげた。
スターリンがこの説を取り上げた。この時期のソ連は弾圧・粛正があらゆる分野をむしばんでいた。と言うことはルイセンコが党お気に入りの「金科玉条」なんで「そんな馬鹿な」「遺伝学の概念を踏み外す」などと漏らしたら、その晩にも秘密警察にしょっ引かれラーゲリ行き。本人は春小麦パンすら喰えず餓死するし、一族離散の憂き目にあうからソ連の科学者全員が「ルイセンコが正しい」と大合唱した。
なんちゃって学説なのだが、ソ連・スターリンがもてはやした理由は3ある、
1 共産ドグマの強化。
当時の遺伝学はメンデル法則が主流で、優性劣性に分けて機械的に遺伝が発現する。いわば凍り付いた遺伝世界を解明した。しかしこの定型遺伝は弁証法を基盤とする共産ドグマにはあわない。そこで遺伝の基部に外的刺激をあたえれば新種を発生する。これぞまさに弁証法、その時すでに破綻していた集団農業、計画経済は正当だと理論化できる。
2 インチキでもごり押し。
無理を通せば、ブルジョワ的反論が噴出し反革命士をあぶり出せる。反対は反人民だとラーゲリに押し込める。反対すれば誰でもラーゲリ行きになるぞとの不安が人民を覆う。これがスターリン流強権統治。
毛沢東も同じ詐欺手段を何度も取った、文革前に百花斉放で言論をゆるめ(1966年)ホウシン一派などを反右派闘争でイブリ出し、三角帽子かぶせて(=文化大革命)「自己批判」の罠に落としたから、共産主義特有の姑息なやり方とも言える。
3 冬小麦の生産性(これは今は人口に膾炙されてないが一番のキモ)
春小麦(寒冷地に適化、ソ連で多く栽培されていた)に比べ冬小麦(こちらが日本なんかで普通の小麦)のほうが収穫が30%ほど多い。へたれの春小麦をルイセンコ式に(別名があってミチューリン主義農法)カツ入れして冬小麦化すれば収穫が30%増える。「全部をルイセンコ小麦にしてしまえ」とスターリンがコルホーズソホーズに命令した。
日本やアメリカなら自営農が一夏やって「収穫上がらない、ルイセンコ駄目じゃん」で忘れられる。ソ連はその明快さは攻撃される。「ルイセンコ小麦の収穫が悪いのは反国家サボタージュのせいだ。文句たれる農民どもをラーゲリに押し込めろ」で実際にそうなった。ソ連で百姓やるのは命がけなんで、ラーゲリに行ったら餓死、行けない農民は大不作になってこっちに残っても餓死(ウクライナ飢餓=1930年代、1000万人?=要検証=の死)
ルイセンコ説は今では「似非科学」として否定されている。しかし「獲得形質は遺伝する」を政策根本としている「とんでも国家」が今でもワタシとキミの近くにある。
中国、北朝鮮、韓国である。
中国では富農、反革命などを黒五類として、就学就職の機会を差別している。革命真っ盛りでは問答無用で撲殺、焼き殺しされてもいる(ブラックスワン、石平氏著作など)。富農本人だけではなく、郎党子孫も殲滅されたり、殺されずレッテル張られ差別され、乞食で飢えるのは運が良い。
中共および人民は、親(祖先)の獲得形質(富農、反革命)が子供にも遺伝すると信じているのだ.
投稿子は大躍進(1958-61)文革(1966-77)時代の記録を読んでいるので、21世紀の中国にこの差別があるかは知らないが、対局にある「紅五類」(黒と反対で厚遇される、太子党など)は健在。社会、政治で引き立てられ高官に就任する。幹部になって人民を搾取し甘い汁を吸うには「生まれる狭間に(高官を)親を選ばなければ一生うだつ上がらない」の閉塞空間が固まってしまった。重慶事件(英国人毒殺)の薄煕来(重慶市長、中共要人)は薄一波(元国務院副総理)の息子がその例。
要するに悪い(良い)獲得形質は遺伝するとのルイセンコ流の誤信である。
北朝鮮では出身成分(金日成への忠誠度で51階層に分類しているらしい)が人格のすべてなので、成分が悪ければ一生下働き。あの北朝鮮で下働きは堪えるらしい。
この成分は獲得因子にすぎないが、親から子に果ては末代まで、キム王朝が続く限り遺伝する。中国では親を選べ、北朝鮮では祖先まで選べ!が生まれる際のテクニックだ。でも怖いねこの妄信は。
上記共産二カ国はルイセンコ農法を移入し、その失敗で飢饉蔓延、餓死者の山を築い手しまった(大躍進、主体農法)のだが、農業で成果あげられなくてもその学説の「獲得形質が遺伝する」には金もマオも魅了されたから、黒五とか成分とかの非科学的人権差別をいまでも真面目に(狂ったかに)制度化している。
第3番目は韓国、この共和国では「親日の祖先を持つ者」の「魔女狩り的」社会弾圧を続けるのだが、その起因は共産2カ国との共通、儒教しがらみのお馬鹿拘泥と見るべきだ。前置きが長かったがこれからが本文、
上記東アジア特定三カ国で(似非学問の)ルイセンコ説がもてはやされるのは、人民思考の底部に、儒教世界観が残るからと見ている。
儒教は個人の研鑽努力を認めない、五常(仁、義、礼、智、信)が個人を遙か越える所にある。ある個人が優に秀でれば、彼には「仁、徳…」を備えていたからと考える。「親から受け継いだ=仁=のおかげで試験で一番」こう考える。
五常は努力して修得するのではなく、遺伝なので生まれつき備わる(備わらない場合もある)。悪の形質も親から遺伝相伝する。儒教の封建的しがらみかから抜け出ていない。
これがルイセンコと結びついてかの国、かの地域を猖獗風靡する「親が悪けりゃ子も悪い」「親が良いから子は安泰」となった。
全く持って過去なごりの骨董品の劣性儒教遺伝。これら3カ国で自由と民主求める人外多として、彼が非人道、非民主を嘆いたとしても、彼には「あきらめてくれ」としか励ませない。では部族民渡来部が主張するイモリノーベル賞は、
こちらは部族信仰だからルイセンコ+儒教なんかとは異なる。あっちはすべてインチキだが、こちらはほぼ(大体、あるいは大まかにだが)正しい(と思ってる)。「獲得形質は己の形成細胞に積極的に影響する」ので遺伝するとかは別だ。
ルイセンコ説と若干だが似ているのは「似非科学」の印象を与えるのだが、これは反省している。そう疑う御仁に「うさんくさくない」と証明しなければならない。
そこで友人のタケイ氏の栄光と悲惨の実例を出すのだ。
次の投稿でタケイのあのおぞましい獲得形質を話してやろう。(続く)
PS:小さい友も続きがあるから、ウオッチを継続してください。
スターリンがこの説を取り上げた。この時期のソ連は弾圧・粛正があらゆる分野をむしばんでいた。と言うことはルイセンコが党お気に入りの「金科玉条」なんで「そんな馬鹿な」「遺伝学の概念を踏み外す」などと漏らしたら、その晩にも秘密警察にしょっ引かれラーゲリ行き。本人は春小麦パンすら喰えず餓死するし、一族離散の憂き目にあうからソ連の科学者全員が「ルイセンコが正しい」と大合唱した。
なんちゃって学説なのだが、ソ連・スターリンがもてはやした理由は3ある、
1 共産ドグマの強化。
当時の遺伝学はメンデル法則が主流で、優性劣性に分けて機械的に遺伝が発現する。いわば凍り付いた遺伝世界を解明した。しかしこの定型遺伝は弁証法を基盤とする共産ドグマにはあわない。そこで遺伝の基部に外的刺激をあたえれば新種を発生する。これぞまさに弁証法、その時すでに破綻していた集団農業、計画経済は正当だと理論化できる。
2 インチキでもごり押し。
無理を通せば、ブルジョワ的反論が噴出し反革命士をあぶり出せる。反対は反人民だとラーゲリに押し込める。反対すれば誰でもラーゲリ行きになるぞとの不安が人民を覆う。これがスターリン流強権統治。
毛沢東も同じ詐欺手段を何度も取った、文革前に百花斉放で言論をゆるめ(1966年)ホウシン一派などを反右派闘争でイブリ出し、三角帽子かぶせて(=文化大革命)「自己批判」の罠に落としたから、共産主義特有の姑息なやり方とも言える。
3 冬小麦の生産性(これは今は人口に膾炙されてないが一番のキモ)
春小麦(寒冷地に適化、ソ連で多く栽培されていた)に比べ冬小麦(こちらが日本なんかで普通の小麦)のほうが収穫が30%ほど多い。へたれの春小麦をルイセンコ式に(別名があってミチューリン主義農法)カツ入れして冬小麦化すれば収穫が30%増える。「全部をルイセンコ小麦にしてしまえ」とスターリンがコルホーズソホーズに命令した。
日本やアメリカなら自営農が一夏やって「収穫上がらない、ルイセンコ駄目じゃん」で忘れられる。ソ連はその明快さは攻撃される。「ルイセンコ小麦の収穫が悪いのは反国家サボタージュのせいだ。文句たれる農民どもをラーゲリに押し込めろ」で実際にそうなった。ソ連で百姓やるのは命がけなんで、ラーゲリに行ったら餓死、行けない農民は大不作になってこっちに残っても餓死(ウクライナ飢餓=1930年代、1000万人?=要検証=の死)
ルイセンコ説は今では「似非科学」として否定されている。しかし「獲得形質は遺伝する」を政策根本としている「とんでも国家」が今でもワタシとキミの近くにある。
中国、北朝鮮、韓国である。
中国では富農、反革命などを黒五類として、就学就職の機会を差別している。革命真っ盛りでは問答無用で撲殺、焼き殺しされてもいる(ブラックスワン、石平氏著作など)。富農本人だけではなく、郎党子孫も殲滅されたり、殺されずレッテル張られ差別され、乞食で飢えるのは運が良い。
中共および人民は、親(祖先)の獲得形質(富農、反革命)が子供にも遺伝すると信じているのだ.
投稿子は大躍進(1958-61)文革(1966-77)時代の記録を読んでいるので、21世紀の中国にこの差別があるかは知らないが、対局にある「紅五類」(黒と反対で厚遇される、太子党など)は健在。社会、政治で引き立てられ高官に就任する。幹部になって人民を搾取し甘い汁を吸うには「生まれる狭間に(高官を)親を選ばなければ一生うだつ上がらない」の閉塞空間が固まってしまった。重慶事件(英国人毒殺)の薄煕来(重慶市長、中共要人)は薄一波(元国務院副総理)の息子がその例。
要するに悪い(良い)獲得形質は遺伝するとのルイセンコ流の誤信である。
北朝鮮では出身成分(金日成への忠誠度で51階層に分類しているらしい)が人格のすべてなので、成分が悪ければ一生下働き。あの北朝鮮で下働きは堪えるらしい。
この成分は獲得因子にすぎないが、親から子に果ては末代まで、キム王朝が続く限り遺伝する。中国では親を選べ、北朝鮮では祖先まで選べ!が生まれる際のテクニックだ。でも怖いねこの妄信は。
上記共産二カ国はルイセンコ農法を移入し、その失敗で飢饉蔓延、餓死者の山を築い手しまった(大躍進、主体農法)のだが、農業で成果あげられなくてもその学説の「獲得形質が遺伝する」には金もマオも魅了されたから、黒五とか成分とかの非科学的人権差別をいまでも真面目に(狂ったかに)制度化している。
第3番目は韓国、この共和国では「親日の祖先を持つ者」の「魔女狩り的」社会弾圧を続けるのだが、その起因は共産2カ国との共通、儒教しがらみのお馬鹿拘泥と見るべきだ。前置きが長かったがこれからが本文、
上記東アジア特定三カ国で(似非学問の)ルイセンコ説がもてはやされるのは、人民思考の底部に、儒教世界観が残るからと見ている。
儒教は個人の研鑽努力を認めない、五常(仁、義、礼、智、信)が個人を遙か越える所にある。ある個人が優に秀でれば、彼には「仁、徳…」を備えていたからと考える。「親から受け継いだ=仁=のおかげで試験で一番」こう考える。
五常は努力して修得するのではなく、遺伝なので生まれつき備わる(備わらない場合もある)。悪の形質も親から遺伝相伝する。儒教の封建的しがらみかから抜け出ていない。
これがルイセンコと結びついてかの国、かの地域を猖獗風靡する「親が悪けりゃ子も悪い」「親が良いから子は安泰」となった。
全く持って過去なごりの骨董品の劣性儒教遺伝。これら3カ国で自由と民主求める人外多として、彼が非人道、非民主を嘆いたとしても、彼には「あきらめてくれ」としか励ませない。では部族民渡来部が主張するイモリノーベル賞は、
こちらは部族信仰だからルイセンコ+儒教なんかとは異なる。あっちはすべてインチキだが、こちらはほぼ(大体、あるいは大まかにだが)正しい(と思ってる)。「獲得形質は己の形成細胞に積極的に影響する」ので遺伝するとかは別だ。
ルイセンコ説と若干だが似ているのは「似非科学」の印象を与えるのだが、これは反省している。そう疑う御仁に「うさんくさくない」と証明しなければならない。
そこで友人のタケイ氏の栄光と悲惨の実例を出すのだ。
次の投稿でタケイのあのおぞましい獲得形質を話してやろう。(続く)
PS:小さい友も続きがあるから、ウオッチを継続してください。