茸透かし図鍔 古刀匠
茸透かし図鍔 古刀匠
陰透の歴史は、甲冑師や刀匠と分類される鉄地板鍔に施された、腕抜緒の小穴に始まるようだ。家紋図の作品でも紹介したように、簡潔な、家紋のような小さな透を設け、ここに手に下刀を打ち合いなどの衝撃で落とさないように紐を通して手首に巻き着けていたのが始まり。大きく地透にした鍔も同様の目的があってのもの。この鍔では簡潔な意匠で茸を二つ透かしている。文様と言って良いだろうか、あまりにも簡素であるが、味わいは格別。陰影美の基礎であり、純化された意匠の一つ。ところが、それが故に問題がある。茸透かしとは言うも、茸のように見えるというだけで、はたして茸であるのか不明。昔はくくり猿と呼ばれていた。お守りや呪術的な意味合いのある人形の一つだが、それもどうだろう。
茸透かし図鍔 古刀匠
陰透の歴史は、甲冑師や刀匠と分類される鉄地板鍔に施された、腕抜緒の小穴に始まるようだ。家紋図の作品でも紹介したように、簡潔な、家紋のような小さな透を設け、ここに手に下刀を打ち合いなどの衝撃で落とさないように紐を通して手首に巻き着けていたのが始まり。大きく地透にした鍔も同様の目的があってのもの。この鍔では簡潔な意匠で茸を二つ透かしている。文様と言って良いだろうか、あまりにも簡素であるが、味わいは格別。陰影美の基礎であり、純化された意匠の一つ。ところが、それが故に問題がある。茸透かしとは言うも、茸のように見えるというだけで、はたして茸であるのか不明。昔はくくり猿と呼ばれていた。お守りや呪術的な意味合いのある人形の一つだが、それもどうだろう。