帰雁苫舟図鐔 安親
帰雁苫舟図鐔 安親
安親は、また、禅とは全く無関係な、このような頗る絵画調の帰雁図鐔をも遺している。洒落た構成であり、雁の描写に簡略化された古典の要素はあるものの、芦の繁る水辺に舫った小舟があり、川の流れも琳派のそれとは異なる風情がある。雨が降り出したところであろうか、茣蓙のようなものが被せられた舟もこの空間を演出する要素となっている。軽みのある簡素な彫口ながら描かれている内容は濃密である。安親の名作の一つに数えられよう。
帰雁苫舟図鐔 安親
安親は、また、禅とは全く無関係な、このような頗る絵画調の帰雁図鐔をも遺している。洒落た構成であり、雁の描写に簡略化された古典の要素はあるものの、芦の繁る水辺に舫った小舟があり、川の流れも琳派のそれとは異なる風情がある。雨が降り出したところであろうか、茣蓙のようなものが被せられた舟もこの空間を演出する要素となっている。軽みのある簡素な彫口ながら描かれている内容は濃密である。安親の名作の一つに数えられよう。