芦雁図鐔 安親
芦雁図鐔 安親
安親は奈良派の名工。先の無銘奈良極めの鐔から、さらに主要場面を切り出したような、頗る簡潔な景色としている。写真でいうなら、無駄をすべて取り去り、主題のみに視点を置いた構成。落ちるように舞い降りる雁の姿がいい。宗継の襖絵と比較して眺めてもいいだろう。安親は、この画題の背景に何らかの意味を感じ取っていたのではなかろうか。即ち頗る禅的な香りを感じるのである。それはまた、裏の簡潔な描写になる竹の片切彫にも表れている。芦雁はよく見かける図柄ながら、他の金工にはない何かを感じさせる、第一級の資料的作品である。金家の紹介で説明したように、この図には何らかの古くからのメッセージがあり、安親がそれを感じ取り、応じて製作したものではないだろうか。
芦雁図鐔 安親
安親は奈良派の名工。先の無銘奈良極めの鐔から、さらに主要場面を切り出したような、頗る簡潔な景色としている。写真でいうなら、無駄をすべて取り去り、主題のみに視点を置いた構成。落ちるように舞い降りる雁の姿がいい。宗継の襖絵と比較して眺めてもいいだろう。安親は、この画題の背景に何らかの意味を感じ取っていたのではなかろうか。即ち頗る禅的な香りを感じるのである。それはまた、裏の簡潔な描写になる竹の片切彫にも表れている。芦雁はよく見かける図柄ながら、他の金工にはない何かを感じさせる、第一級の資料的作品である。金家の紹介で説明したように、この図には何らかの古くからのメッセージがあり、安親がそれを感じ取り、応じて製作したものではないだろうか。