帰雁図小柄 後藤廉乗
帰雁図小柄 後藤廉乗
後藤宗家十代廉乗の自身作。江戸時代中期の後藤家は、古作に倣った伝統的作風の他、このような新趣の作品も製作している。赤銅魚子地に高彫色絵という技法は踏襲しているが、図柄構成刃後藤家にはないもの。魚子地を背景にふうっと浮かび上がるような山並みが美しく、後藤らしさと、新たな世界観の創出という大きな問題を、どちらも失うことなく表出している。後藤家というと龍や獅子のように伝統的図柄を尊重する数奇者が多いのだが、伝統と創造の狭間で作者が苦しみぬいて生み出したであろう、新趣の作品にも目を向けてほしい。□
帰雁図小柄 後藤廉乗
後藤宗家十代廉乗の自身作。江戸時代中期の後藤家は、古作に倣った伝統的作風の他、このような新趣の作品も製作している。赤銅魚子地に高彫色絵という技法は踏襲しているが、図柄構成刃後藤家にはないもの。魚子地を背景にふうっと浮かび上がるような山並みが美しく、後藤らしさと、新たな世界観の創出という大きな問題を、どちらも失うことなく表出している。後藤家というと龍や獅子のように伝統的図柄を尊重する数奇者が多いのだが、伝統と創造の狭間で作者が苦しみぬいて生み出したであろう、新趣の作品にも目を向けてほしい。□