山水図鍔 正阿弥一光
山水図鍔 正阿弥一光
一光は会津正阿弥派の名工。古風な山水風景図を下地としながらも、繊細な描法と、鉄地の質感を生かした描写で、独特の空気感を生み出している。夕暮れ時であろう、雁はねぐらを目指して舞い降りるところ、「帰雁」である。地鉄の処理や構成、山並みの高彫、近景の描写など金家を手本にしていることは間違いない。金家の偽物が頗る多いことは良く知られている。あの世界観をだれもが再現してみたいと考えるだろう。遠く存在したであろう禅の公案を知らなくても、風景そのものの再現を考える。風景が元来の意味を超えて独り歩きしてゆくのは、御家画家の狩野家においても同様だ。
山水図鍔 正阿弥一光
一光は会津正阿弥派の名工。古風な山水風景図を下地としながらも、繊細な描法と、鉄地の質感を生かした描写で、独特の空気感を生み出している。夕暮れ時であろう、雁はねぐらを目指して舞い降りるところ、「帰雁」である。地鉄の処理や構成、山並みの高彫、近景の描写など金家を手本にしていることは間違いない。金家の偽物が頗る多いことは良く知られている。あの世界観をだれもが再現してみたいと考えるだろう。遠く存在したであろう禅の公案を知らなくても、風景そのものの再現を考える。風景が元来の意味を超えて独り歩きしてゆくのは、御家画家の狩野家においても同様だ。