巣父図小柄 後藤光勝


巣父図小柄 後藤光勝
後藤光勝は八郎兵衛家の三代目。快乗同人。江戸前期の享保十八年に没している。古代中国の伝説の隠者許由は、自らに皇帝位が譲られるということを耳にした。隠者である自らがそのような権力に関りたくもないどころか、その話を聞いたことも汚らわしいと、自らの耳を洗い清めた。その様子を見ていた巣父も、許由が耳を洗った水を我が牛に飲ませるのは汚らわしいとして、水飲み場から引き返したという。武士はこうあらねばならないという潔癖さを示す伝説である。画題の選択は、まさに後藤の伝統。古典に学んだ図柄である。


巣父図小柄 後藤光勝
後藤光勝は八郎兵衛家の三代目。快乗同人。江戸前期の享保十八年に没している。古代中国の伝説の隠者許由は、自らに皇帝位が譲られるということを耳にした。隠者である自らがそのような権力に関りたくもないどころか、その話を聞いたことも汚らわしいと、自らの耳を洗い清めた。その様子を見ていた巣父も、許由が耳を洗った水を我が牛に飲ませるのは汚らわしいとして、水飲み場から引き返したという。武士はこうあらねばならないという潔癖さを示す伝説である。画題の選択は、まさに後藤の伝統。古典に学んだ図柄である。