猿猴図鐔 金家
簡単に言うと、何も描かれていない部分があるのだが、そこに景色が感じられたらそれでいい。金家とはそのような作品である。
飛脚図鐔 金家
羅漢図鐔 金家
余白を巧みに表現した鐔工として第一に挙げられるのが金家。因みに、この金家も基本的に表裏異なる図柄を彫り描いている。飛脚図や猿猴図は山中に取材したものと捉えれば表裏連続しているが、羅漢図のような表に主題を描き、裏面を京都近辺に取材した山水図にした例が頗る多い。猿猴図も飛脚図も達磨図もみな同じ意識下にあると考えて良いだろう。
鐔より水墨画で視点となるのが余白。鐔においてその空間美を追求したのが金家とも言えようか。
さて、余白だが・・・まずはじっくりと鐔を鑑賞してほしい。
飛脚図鐔
羅漢図鐔