鷺図縁頭 岩本昆寛 Konkan Fuchikashira 2019-08-06 | 鍔の歴史 鷺図縁頭 岩本昆寛 鷺図縁頭 岩本昆寛 江戸時代後期になると、意匠も随分と変化する。大きく広げた翼。そのやや後ろから捉えた場面で、とても彫口が明瞭で細やか。躍動感に満ち満ちている。茂みの中の鷺もまた動きが細やかに表されている。
鷺図鐔 後藤清明 Kiyoaki Tsuba 2019-08-06 | 鍔の歴史 鷺図鐔 後藤清明 鷺図鐔 後藤清明 奈良派の名工政随の同図を手本に独創を加味した作。舟などに鷺を添えて描くことが多く、この場合、舟旅の安全を願って「一路平安」と呼びならわしている。鷺に路の文字が含まれていることからのもので、日本語による遊びごころが何て美しいのだろうと改めて感じてしまう。表裏に日月を描き分けており、日の暮れる頃に上る月を意味していると同時に、旅の上での月日の流れをも意味している。ここにも静けさに包まれた時空間が漂っている。
柳に鷺図鐔 幸次 Yukitsugu Tsuba 2019-08-05 | 鍔の歴史 柳に鷺図鐔 幸次 柳に鷺図鐔 幸次 鷺に柳のとり合わせは素敵だ。時代の上がる目貫にもあった。先の小柄のように葉がなくても柳に風情がある。この鐔では岩上に佇んでいるだけ。それだけで絵になる。
柳に鷺図小柄 後藤廉乗 Renjo Kozuka 2019-08-03 | 鍔の歴史 柳に鷺図小柄 後藤廉乗 柳に鷺図小柄 後藤廉乗 後藤宗家十代廉乗の作であることを、同十六代光晃が極めた小柄。冬の景色で、雪が降り積もった柳が背景。ひと群れに寄り合っていること、ちょっと身をかがめている鷺がいるところなど季節感を演出しているのであろう。素敵な図柄となっている。
鷺図鐔 甚吾 Jingo Tsuba 2019-08-01 | 鍔の歴史 鷺図鐔 甚吾 鷺図鐔 甚吾 肥後金工志水甚吾の独特の意匠構成からなる鷺。甚吾は、猛禽や鶏など鳥類を題に鉄地真鍮象嵌を巧みに施した、大胆な作品を遺している。銀ではなくて真鍮。意匠も奇抜だ。肥後金工は、細川三斎の意向で茶の美観を大切に意匠したようだが、これをみると、かなり独創に進んでいるように思う。ここが魅力なのだろう、面白い。甚吾は代を重ねているが、いずれも優れている。