酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

Butch and Sundance

2012-09-04 09:26:19 | さぁ楽しい「音・画」の時間だ!
映画を他人とみた記憶。
あまりございません。例えば、夏休みの初日、小学校の友人達と「東宝ゴジラ」を観たとか、子供たちをつれて「ドラえもん」を観たとか、そうした類ではありません。
家内とは一度、「ダイハード」を観ただけです。
数える程しかありません。

映画館でのデートは、酔漢の感覚では「あり得ない」ロケーションだったのです。が、一度だけ、本気になってガールフレンドとみた映画がありました。
酔漢も恋をしたわけです。
僕の映画のうんちくに辟易せずその話しを真剣になって聞いてくれました。
「酔漢君の一押しを一緒に見たい」とのリクエストに応えるはめになりまして。
「ビスコンティの『山猫』とベルイマンの『秋のソナタ』が二本立てであるよね」と誘ってくるわけでした。
「おい、二本観るのに一体何時間かかると思ってんのよ!おれ、あの二本を完全に消化するなんて一日では無理!」
「ふーーん」と彼女。
「あのねぇ、そんなにつまらなそうな顔をしてもだ。俺は付き合わないゾ」
「じゃぁ。いいもん一人で見てくる」
今にして思えば、「なんて女心の解らない奴なんだ!」と、自分で自分を怒鳴りつけたいような心境にもなるのですが。
「ビスコンティとベルイマンの二本立てを作った興行会社を恨むしかねぇか・・・・」
その数日後、彼女から分厚い封筒が届きまして。
表題が「ベルイマンとビスコンティを観た感想!」
(彼女、映画は、5年ぶりとか言っておりまして・・・・)
便箋びっしりとその感想を認めておりました。
「まったく、この男は・・・モウ!」です。(自分で思っております)
さて、一緒に映画を観ようという約束はそれから数か月してから。
自分では過去に8回程(程ではなくて8回も。なのかもしれませんが・・)見ていたもの。
「明日に向かって撃て!」
この映画。やはり酔漢の大好きな作品。
西部劇の手法でありながら、しっかりとした社会映画。
皆様ご存知かとも思いますが、実際にあった事件を基にしております。
好きなシーンは結構散りばめられておりまして。
「おい川に飛び込むぞ!」
「どうしてなんだ?じょうだんじゃない!俺は泳げないんだぁぁ!」
サンダスの叫びは、本当に笑えます。
「暴力教室」のポール・ニューマンよりか洗練されて大人の魅力たっぷりなのもいいです。
「あこがれたなぁ」
ローバト・レッドフォードもなんだか強そうで、そうでなくて。
キャサリン・ロスとの掛け合いは絶妙でした。

映画が終了して、いつもの「カフェ・ソコ」。
「どうだった?」
「この前は頭が哲学しなくっちゃ。みたいな映画だったけど、今回のは楽しめたなぁ」と彼女の感想。
ジョージ・ロイ・ヒル監督の真骨頂。
また見たい。こうした映画です。




映画を観た事もない人もこの曲だけは有名です。
バート・バカラックの曲。ハル・デビッドの詩。
そして、有名な自転車のシーン。

一昨日、この曲の作詞。そのハルデビッド氏がお亡くなりになられました。
素晴らしい詩をありがとう。
ここに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

帰り、バス停までの道。青葉通り。
「キャサリンはいいなぁ。私も自転車に乗っけてもらいたいなぁぁ」と酔漢の顔を覗き込む彼女。(ものをねだるときの何時もの顔でして・・)
「何言ってるんだ。俺のは、れっきとしたランドナーだ。君を乗せるだけの場所がない」

おい!おい!
「お前なぁぁぁぁl」と今の酔漢。
こいつの頭に拳固デス。

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2 コメント

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ピンカートン探偵社 (ある友人)
2012-09-05 18:59:08
この映画で印象に残っているひとつは、主人公たちを追跡していたのがピンカートン探偵社だという事。あのシャーロック・ホームズの「恐怖の谷」にも出てきますね。当時のアメリカでは司法省の下請けとしてピンカートン探偵社が活動していたわけで、今は戦争請負会社さえある世の中ですが、実のところ発想はおよそ百年前とあまり変わっていないのだなと感じます。
映画自体はいわゆるワイルドバンチたちの古い時代から、近代という新たな価値観に変わりつつあるアメリカをノスタルジックに描いているのだけど、監督のジョージ・ロイ・ヒルはそういう哀愁を描くのがうまいとされていますね。しかしカート・ヴォネガットの問題作「スローターハウス5」や、ジョン・アーヴィングの「ガープの世界」を映画化しているんだから、どこかにシニカルな諧謔の精神を持っていたのだろうという気がします。そう考えると監督はブッチとサンダンスを、「スローターハウス5」のビリーや「ガープの世界」のガープとも重ねているのかも知れません。
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ある友人君へ (酔漢です)
2012-09-07 18:04:09
別な視点で考えておりました。
特に、カーブの世界は、ジョイヒル監督の別次元の世界という意識があって、「明日に向かって撃て」とは別の見方をしておりました。
ピンカートンは「恐怖の谷」で知りました。
これは有名な解釈ですが、当時の影響力が解りますよね。貴殿のコメントは実は「目からうろこ」の酔漢でした。
作品は読んでいるし、映画も見ているのにね。
掘り下げが足りません・・・・(汗)・・。
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