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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

人はただの風変わりなサルである(比較行動学)

2020年03月05日 | 放送大学

 放送大学の「比較行動学」を修了しました。
表題は主任講師で京都大学教授の藤田和生先生のお言葉です。

 比較行動学とは簡単に言ってしまえば 様々な動物の行動、認知等を観察し人とはいかなる存在であるかを探究する学問であるといえましょう。

 この学問分野では 近年飛躍的に進展した比較認知学という学問分野の成果を活用して 我々人類が従来確信していた「ヒト至上主義」に警鐘を鳴らします。

 すなわち「日常的に道具を作り使うのはヒトだけだ」「文化を持つのはヒトだけだ」「言葉を話すのはヒトだけだ」などの信念は、研究が進むにつれていずれも事実でないことが 明らかにされていったのです。

 チンパンジーを始めとするさまざまな動物にも、少なくとも原初的な形ではこれらの能力が備わっていることが明らかにされてきたのです。いまや、最後の砦と目される、意識や内省なども、動物にその萌芽がみられることがわかってきました。

 「人とチンパンジーの遺伝子レベルでの生物学的距離は、チンパンジーとゴリラのそれより近い。この地球上の生物は、それぞれが進化した結果として適応的であり、単純に異なる存在であり、生物学的に優劣はない」というのが先生の結論です。

 「人類みな兄弟」を更に進めた「生物はみな平等」という究極のダイバーシティ(多様化)肯定思想と言えるでしょう。

 この結論もなかなにエキサイティングですが、私がこの科目で最初に衝撃を受けたのは、ニワトリや金魚などの魚類やカメなどの爬虫類が人類よりも
はるかに豊かな色の知覚能力を持っていることが実証されたということです。



 

 

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問題とは現状と目標のギャップである 「問題解決の進め方」

2019年09月01日 | 放送大学

 顧問先社員教育に備え、放送大学の「問題解決の進め方」(主任講師;芝山盛生、
遠山紘司 先生)テキストを読み返しました。(写真は遠山先生)

 表題は「第1章問題とは何か」で述べられています。

 本科目では、問題とは何かを考え、問題の発見、解決の手順、解決に必要な
情報をどのように収集・整理し分析するのが、解決に必要な考え方とは何か
など一連の過程を通して解決策を見いだしていく科学的技法の習得をねらいと
している。(まえがきより)


 かなり実務的な内容で、大学の授業科目であることに驚きましたが 欧米では
このような科目が当たり前に設けられていて人気も高いそうです。

 教科書のみの購入も可能ですので 興味をお持ちの方に章建てをご紹介しましょう・
1 問題とは何か
2 問題を見つける
3 目標を設定する
4 解決への手順を決める
5 解決への姿勢
6 情報を収集し整理する
7 グラフを活用する
8 数値情報を扱う
9 図解化してみる
10分析的に考える
11発想を広げる
12コミュニケーションの取り方
13個人と組織での進め方
14解決策を実行する
15評価する

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知識は社会や仲間のなかにある(太田信夫)

2018年04月06日 | 放送大学

表題は放送大学の「教育心理学概論」(主任講師 学習院大学大学院教授 太田信夫
先生)からの引用です。

この講義で印象に残ったものは

・向社会的(援助、分配、救済等の思いやりのある)行動を育てるしつけ
 ①愛情の除去タイプ:子どもが不適切な行動をした際には、無視したり
  愛情を与えたりするのを控え、不安をあたえるしつけ。
 ②力によるしつけ:子どもの考えや行動を力づくで抑えようとする。とき
  に、体罰や怒鳴りつけるなどの方法をとり、子どもの恐怖心、怒りを
  あおることによるしつけ。
 ③説明によるしつけ:子どもの行動がなぜ不適切かを説明し、他者に
  どのような影響を及ぼすのかを教えていくしつけ。

  ①と②は、即自的効果はあるが①は親の愛情ほしさに、②は親が怖いから
 従うということになり、長い目で子どもの内面に思いやりや道徳性を芽生え
 させることができない。

  ③のように、子どもが理解できるように説明していくしつけは何度も繰り
 返さなければならないが、縦断的研究では、もっとも道徳性を成熟させる
 という結果がみられている。

・自己効力感とは「自分にはある行動をうまくやり遂げることができる」と
 いう自信のようなものである。これを味あわせるには、小分割された目標を
 クリアしていくうちに、自然と大目標に到達できるような計画を作成する
 ことが有効である。

・記憶方略
 ①符号化 
  語呂合わせ等
 ②イメージ化 
  新しい知識と意味の豊富な画像(イメージ)をペアにして記憶する
 ③言語的援助 イメージ化できない抽象的理論的知識には因果関係などの
  言語的情報とともに記憶する
 ④分散効果
  連続して反復するより時間間隔を空けて反復する方が効果的である
 ⑤処理水準効果 
  設問を想定しながら教科書を読む等
 ⑥生成効果
  与えられた情報よりも、学習者自身が生成した情報のほうが記憶されやすい

・文科省の平成10年度の調査では、自然体験や生活体験が豊富な子どもほど
 道徳心や正義感が強いことが示されている。

・状況的学習論
 学習とは、1人で行うのではなく、社会やコミュニティやクラスに参加し、
 そきでのやりとりを通じてなされるものだという立場をとる。
 

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アイデンティティ<:自我同一性>の原点(E・エリクソン)

2018年01月12日 | 放送大学

 エリック・エリクソン(ミルトン・エリクソンとは別人)の発達理論は、心理学に関心を持つ方ならどこかで接していると思います。私が興味を深めたのは、この理論の優秀性もさることながらこの偉大な心理学者の生い立ちに謎が多く、またそのキャリアが極めて異例であったということからです。

 エリクソンは生涯の大半をアメリカ合衆国で過ごしていますが、出生はドイツのフランクフルトで両親はデンマーク人であったということです。彼の実父が誰であるかは、母親が遂に明かさなかったので不明ですが、母親の再婚相手はユダヤ人の小児科医で、エリクソンもユダヤ系の名前を名乗らなければならなかったのです。そこで当時のドイツで高まってきた反ユダヤ主義の影響で学友たちから仲間はずれにされ、かつユダヤ社会からはユダヤの血統を全く持たず顔立ちも北欧風なために「異教徒」として排除されました。

 この経験が、後に彼が「アイデンティティ(自我同一性)」という概念を生み出すきっかけの一つになったと言われています。青年期になり、彼は養父のユダヤ姓(ホンブリガー)を捨ててエリクソンを名乗るようになりますが、このエリクソンという名前の由来もはっきりしていません。
 
 高校卒業後、エリクソンは画家を志してヨーロッパ中を放浪し、様々な職業を遍歴し、
25歳のとき、ウイーンでアメリカン・スクールの図画の教師の職につきました。ここでのある出会いが、彼の人生を大きく変えていくことになります。アメリカン・スクールの校長をしていたピーター・ブロス(後に渡米し、青年期を専門とする精神分析家となる)の勧めで近所にあったウイーン精神分析研究所に通うことになりました。ここでアンナ・フロイト等から、児童精神分析家、精神科医としての訓練を受け、遂に資格も取得するに至ったのです。

 ドイツにナチス政権が誕生して、ユダヤ系の人々の苦難がいよいよ本格的になろうとするころ、エリクソンは、招かれて渡米し(31歳)そのまま定住して、後にはアメリカの市民権も取得しています。ここからが凄いところで・・・・、渡米の翌年に彼はハーバード大学の教授に就任しています。高卒の学歴で、小学校の図画教師であった彼が世界的名門大学のしかも医学部から教授として迎え入れられたのですから、かなり異例のことだと思います。以後、エリクソンはカリフォルニア大学、スタンフォード大学、イエール大学、MITなど各地のいずれも名門大学を渡り歩き、最後はスタートに戻って、ハーバード大学人間科学研究所で教授生活を終えています。


 彼の著作「幼児期と社会」より

 ・・・そして、実に、人間の生存という社会的ジャングルの中では、自我同一性の観念が無ければ、人は生きているという実感は得られない。同一性を剥奪されると、人は殺人さえ犯すことがあるのである。

           出 所:放送大学教材「教育と心理の巨人たち」

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重要なキーワードは『孤立』である<自殺とその予防>

2017年08月11日 | 放送大学

  重たいテーマではありますが 考えさせられる点が多かったので 放送大学の「今日のメンタルヘルス」

(主任講師:石丸昌彦教授)の 「最終章(第15章)自殺とその予防」から印象的なものを引用します。

 

*自殺を理解する重要なキーワードは「孤立」である。

 

*自殺というと、一般には自由意志に基づいて選択された死であるという考え方が

  強いが、実際には、さまざまな問題を抱えた末の「強制された死」である。

 

*自殺はたったひとつの原因だけで説明できるほど単純な現象ではない。ストレス、

  精神疾患、衝動性のコントロールの障害、身近な人の死、問題解決の幅が狭い

  といった性格傾向などが、複雑に絡み合って、自殺を引き起こす下地がしばしば

  長年かかって出来上がっている。

 

*自殺の危険の高い人は「しんでしまいたい、今すぐに楽になりたい」という気持ちと

  「助けてほしい。生きていたい」という気持ちの間を、最後まで激しく揺れ動いている。

  そして次に挙げるような共通の心理が認められる。

  ①極度の孤立感・絶望感

  ②無価値観

  ③強度の怒り

  ④窮状が永遠に続くという確信

  ⑤心理的視野狭窄

  ⑥諦め

  ⑦全能の幻想

    (自殺は自分が今できる唯一の残された行為だと思い込む)

 

*自殺の危険の高い人への対応

(1)TALKの原則

   (カナダで自殺予防活動を実施しているグループがまとめたもの)

  ・Tell:相手のことを心配しているとはっきりと言葉に出して伝える。

  ・Ask:自殺の危険を感じているならば、その点について質問する。

    真剣に対応するのであれば、自殺を話題にしても危険ではない。

    むしろそれは自殺予防の第一歩になる。

  ・Listen:傾聴である。励まそう、助言しよう、叱ろうなどと考えたりする

    かもしれない。しかし、まずしなければならないのは徹底的に聴き役

    に徹することである。

  ・Keep safe:危険だと思ったら、その人をひとりにしてはならない。安全を

    確保したうえで、周りの人々からの協力も得て、必要な対処をする。はっ

    霧と自殺を口にしたり、自分の体を傷つけたりする行為に及んだ人につ

    いては、確実に精神科受診につなげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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人は認知的倹約家である(森 津太子)

2017年07月07日 | 放送大学

 放送大学の講座「現代社会心理学特論」(主任講師 森 津太子 洵教授)から
興味を持った事項のほんの一部ですがご紹介します。

・「温かい」「冷たい」のように、他の特性の意味まで規定してしまう特性を
 「対人認知の中心特性」という

・最初のほうで提示された情報は、全体的な印象の方向づけをする役割を持ち
 その後に提示される情報の意味合いを変えてしまう。これを「初頭効果」という
 一方でまれに最後に提示された情報が全体印象に大きな印象を与える場合もあり
 これを「新近効果」と呼ぶ。

・人は認知の節約家であり、日常生活では社会的推論の簡易方略である「ヒュー
 リスティック」を多用する

・ある事象の原因を考える際、状況要因(外的要因)よりも行為者の内的属性
 (内的要因)を重視しすぎるきらいがある。 これを人間がおかしがちな
  本質的で普遍的な誤りであるという意味で「基本的な帰属の誤り」と呼ぶ

・「自分は、外界の事物を客観的事実そのままに見ており、自分の態度、考え、
 好み などは、手に入る情報や証拠を、冷静で歪みなしに理解した結果だ」
 あるいは「自分と同じ情報に接した上で、筋道を立てて熟慮し、隔たりなく
 吟味できれば、他者も自分と同じ反応、行動、意見に至るはずだ」という
 素朴な信念を「ナイーブ・リアリズム」と呼ぶ

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人生について、社会について、また自然について、その根本的な意味を問う「哲学への誘い」

2016年02月25日 | 放送大学

  表題は放送大学の「哲学への誘い」(東京大学佐藤康邦名誉教授)のまえがきから引用しました。

私は放送大学の「心理と教育コース」をメインにその周辺も含めて学んでいますが、基本的なカリキュラムは

あるものの、実際の科目選択は全く自由なのが放送大学の魅力です。そして最低前期・後期各1科目、計

年間2科目を登録すれば、1年を通じて放送大学生として全てのサービスを活用できるのがもうひとつの

魅力です。高校時代の友人の年賀状に「哲学を学び直してみようと思います」とあり、これに凄くそそられました。

ということで哲学入門編としてのこの科目を選択してみました。この科目は単位取得を目指しておりませんので

授業料は払わず、印刷教材を購入し、過去の講義をPCにダウンロードして受講しました。

 

 章立ては

第Ⅰ部 古代ギリシアの知恵

 1.ヘロドトスの「ヒストリア」

 2.トウキュディデスとペレポネソス戦争(上)

 3.トウキュディデスとペレポネソス戦争(下)

 4.ギリシア悲劇

 5.恋愛小説としてのプラトン

第Ⅱ部近代国家の現実と哲学

 6.ヘーゲル「法の哲学」の位置と抽象法

 7.道徳と家族

 8.市民社会

 9.国家

 10.日本の近代国家

第Ⅲ部文芸と哲学

 11.ドストエフスキーの文学と哲学

 12.日本近代文学と哲学

  13.絵画と哲学(1)様式の基礎

 14.絵画と哲学(2)遠近法の諸問題①

 15.絵画と哲学(3)遠近法の諸問題②

 

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人間をより望ましい方向へ導くもの: 教育

2016年02月12日 | 放送大学

表題は放送大学の「教育学入門」のまえがきから引用しました。

写真は編者の1人で放送大学准教授の岡崎友典先生です。(もう1人は客員教授の永井聖二先生です)

 

まえがきの書き出しをもう少し引用します。

「教育は人間の成長・発達が当該社会の多様な領域、とくに社会構造と文化に規定されつつも、人間を

より望ましい方向へ導くものである。教育学はこのような教育現象を学問的に探究し、理論・体系化した

ものであるが、個人的・生物学的な人間の発達の側面に重点をおくか、それとも社会の構造・文化への

同化を重視するかによって多様な教育理論が展開されてきた。・・・」

 

章立ては

1.教育を科学するー教育とは何かー

2.教育にとって家族の果たす役割

3.教育環境としての地域社会

4.近代社会の成立と学校

5.教育制度の展開とゆらぎ

6.学校の組織と文化

7.教育内容と教育方法

8.生徒指導と道徳教育

9.転換期における教育

10.子供の育ちと生成としての教育

11.教育の構造と機能

12.教育の文化的基礎

13.教育学の系譜(1)-社会現象としての教育ー

14.教育学の系譜(2)-現代教育学の流れー

15.学習社会の成立と生涯学習

 

最後にワンポイントをあげておきます。

*教育の3つの側面

  ①哲学的側面

  ②心理学的側面

  ③社会的側面

 

 

 

 

 

 

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早寝早起き朝ごはん「睡眠と健康」

2015年10月30日 | 放送大学

 放送大学の「睡眠と健康」(編著者:滋賀医科大学特任教授宮崎総一郎先生他)を修了しました。

 この講座を履修しようと思い立ったのは 経営コンサルタントの立場から業績改善には従業員の

良好な睡眠の確保が不可欠であるということを実感していたからです。

 

 印象に残ったのは睡眠障害あるいは睡眠不足により社会的な大事故が

多数発生しているということです。特に1986年に生じたスペースシャトル

「チャレンジャー号」の爆発事故にNASA発射管制官の睡眠不足による

判断力の低下が関与していたという事実です。これ以外にも、スマイリー島

やチェルノブイリの原発事故、巨大タンカー「エクソン・バンデーズ号」の

座礁による原油流出事故などが睡眠障害に関係していると指摘されて

います。

 

 そして最近では不眠症あるいは睡眠不足と生活習慣病との密接な関連が

注目されています。

 

 ここで厚生労働省が2014年に出した「健康づくりのための睡眠指針2014」を紹介します。 

 1.良い睡眠で、からだもこころも健康に

 2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを

 3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります

 4.睡眠による休養は、こころの健康に重要です

 5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を

 6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です

 7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ

 8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を

 9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠

10.眠くなってから寝床に入り、起きる時間は遅らせない

11.いつもと違う睡眠には、要注意

12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を

 

 表題ですが、2006年に「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が設立されました。

その目的は、子供の望ましい基本的生活習慣を育成し、生活リズムを向上させ、

読書や外遊び・スポーツなど、さまざまな活動に生き生きと取り組んでもらうと

ともに、地域全体で家庭の教育力を支える社会的機運の醸成を図るために

「早寝早起き朝ごはん」運動を推進することです。

 

 

 

 

 

 

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