TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

こども本の森中之島

2020年05月11日 | ひとりごと

5月4日にNHKで放送されていた番組「インタビューいまから安藤忠雄」を見ました。建築家安藤忠雄さんが大阪市内にある中之島にこどもたちのために完成させた「こども本の森中之島」が取り上げられていました。安藤忠雄さんがなぜ中之島にこの図書館を建てられたのかという原点やこの図書館の利用を通してこどもたちに掛ける思いが紹介されていました。子どもたちに本をたくさん読んで一生懸命生きたというプロセスや子どもたちが誇りをもって生きて行くことが大事であると語られていました。中之島には中之島図書館や中央公会堂などの大阪の先人たちの寄付で作られた建物が建ち並んでいます。安藤さんが子どものころ、中之島にある中央公会堂付近に来られて写生をされ、美しい中央公会堂に感銘を受けられたのは私財を売って建てられた創始者岩本栄之助氏の志が籠っているから美しいという大阪に住んでいた先人たちの公共心の素晴らしさや、御堂筋を整備するときの話をされていました。御堂筋界隈には昔はたくさんの民家があったそうで、道路として整備するために、立ち退きを求められた人々が未来の大阪のためにと同意して捧げて来られたその心意気や大阪市に掛かる多くの橋など、それらが市民の力で作られたことに感銘を受けたご経験を熱く語られていました。この中之島で感銘を受けられたご経験が、この地に図書館を建てようとされた理由のひとつでもあって、建築家としての原点でもあったのではないのだろうかとこの番組を見ていると伝わってきました。中之島付近の歴史や経緯も知ることができました。建築家としての集大成でもあるような「こども本の森中之島」の図書館は、中央の吹き抜けが広い階段になっていたり、コンクリートの筒状の建物の壁に映写して物語を映し出したりという様々な工夫が凝らされている構造になっているのも紹介されていました。3月に開館する予定でしたが、コロナ感染予防のために、開館が今もずっと延期されています。このように、大阪に住む方々が商売だけのことを考えるだけでなく、大阪のためにと捧げてこられたその公共心が大阪の誇りでもあり、大阪の街を作ってきた先人たちの思いが伝わる中之島の地で、子どもたちに1冊でいいから生涯の友となるような本と出会って欲しいという願いが多くの子どもたちに伝るといいなあと思いました。

 

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