レンタル店で借りて観た映画『ブラック校則』の感想です。
さえない青春を過ごしていた創楽(佐藤勝利さん)と親友中弥(高橋海人さん)が生まれ持った美しい栗毛の希央(モトーラ世理奈さん)のために理不尽なブラック校則に立ち向かって行く姿がとても熱かった青春映画でした。彼らが通う高校では、黒髪でないといけない校則や校内にいる間は担任の先生が携帯を預かるなどの校則がありました。生まれ持った栗毛を黒に染めるように強要されていた希央はその校則に反発して、不登校気味になり、出席日数も足らなくなってきて、退学寸前の窮地に陥りそうになっていました。そんな彼女を窮地に追い込んでしまっていた校則に納得が行かなかった創楽は、仲間の生徒たちに協力してもらいながら希央を救うべく奮闘しながらずっと溜めてきた思いをぶちまけて行くシーンなど圧倒されたシーンがたくさんありました。普通の高校生活を送っていた創楽が理不尽だとずっと思ってきた校則は自分だけの小さな力だけでは変えて欲しいと訴えるのは無理と思っていたけれど、勇気を振り絞って、自分ができることを探しながら奮闘していく力強さがとてもまぶしかったです。この映画の中で、創楽以外にも献身的に協力を惜しまなかった中弥、ラッパーで話すのが不得意な達磨が得意のラッパーで訴えるように語り掛けたり、生徒会長は得意の走りで一役買ったり、ちょっと弱気な担任の先生が強気で攻めまくってくる生徒指導の教師に反抗したり、薬師丸ひろ子さんが演じておられた学校内を清掃しながら要所要所で高校生たちを温かく見守られていたりと主人公を取り巻くいろいろな人々もそれぞれにインパクトがある人物として描かれていたのも印象に残りました。校則が厳しい高校でその規則を受け入れながら過ごしていた高校生たちの姿は、理不尽と思っていても大きな声で主張するのが難しい組織や社会の一面を描いていたようにも思いました。どうしようもないような納得できない理不尽のバリアから逃れてフリーダムの境地に向かうため、高校生たちが魅せた一歩を踏み出す勇気と智恵に現代社会を生き抜くためのヒントが詰まっていたような見ごたえがあったいい映画でした。