【笑売漫歩】安いだけじゃ？納得して買う時代

世の中は好景気に転じたとあおるメディアですが庶民の暮らしは一向に良くならず食品スーパーの現場を覗けば格安・割安・激安・捨て値・超目玉など派手な広告が飛び交い乱売合戦が繰り広げられています。しかし予定したように飛びついてくれない主婦を見て、どうしたものか？と頭を抱える店長やチーフ達でした。

それはそうでしょう？これだけ店も乱立、商品も氾濫しておまけに価格競争ときたら主婦自身も見極める目が養われて当然です。店側の手抜きや間違いなど見抜くのはお得意で厳しい商品管理などが必要なようですね。最近は安かろう悪かろうの商品なんてないはずですが実は生鮮食品には要注意なんですよ？外見だけは見えない中身の痛みがそれで、野菜や果物、それに塩干魚などは当たり外れが未だにあるようです。もちろん店出しする前にしっかりとチェックすれば済むことですが、それ以外にも発注量と売れ数のアンバランスで在庫量が嵩むなど捨てる訳にもいかず安く捌かすということもあったりしてね。これが本日のお買い得インプロとなるケースも多々あるのです。とは言えどんなに安くても鮮度劣化はダメな訳で、信用２回無くして客２度と来ずとなりかねないのです。
その点、都内や関東一円に展開するオーケーストアの「オネストカード(正直カード)」は正しく客の立場に立って商品の良し悪しを教えてくれます。客のメリットだけを表示するスーパーがほとんどの中、「只今販売しておりますグレープフルーツは南アフリカ産で酸味が強い品種です。フロリダ産の美味しいグレープフルーツは12月に入荷予定です。」「長雨の影響でレタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。」「○月○日から発泡酒が値下げになります。お急ぎでなければ○月○日までお待ちください。」「本日販売しております西瓜は日照不足のため糖度が不足しています。（糖度約10度）お差し支え無ければ他の商品のご利用をお薦めします。」「相場が高騰しておりまして次回の買付分から値上げしなければならなくなりました。値上げ前にお求めください。」出来るだけ正確に客のデメリットを公然と伝えているのです。

どうでしょう、単に安い価格を打ち出すだけでなく「大量買い付け」や「現金買い付け」、「競合対抗品」、「相場の暴落」、「Ｂ級商品」、「旬を過ぎている」、「食べ頃ではない」など安いという理由をＰＯＰ等で正直に伝えたら売れるのではないでしょうか。納得消費と言われるように、今の客はただ安いだけでなくあらゆることに対して納得しなければ買わないのです。それにしても４月の消費税増税前の駆け込み需要でスーパーはどこも熾烈な売込み合戦が始まり、冷蔵庫に入り切れないと主婦の嘆き声が聞こえてくるようです。