○コナリー夫人が大統領の被弾を見たその直後「第二の銃声(shot)」があり、知事はこの銃弾によって負傷した
最初の「音」がミスしたはずの「オズワルトの初弾」だったとすれば、その時点ですでに大統領が被弾していたという前述の証言とともに、最も重要かつ決定的なのが、「その後で時間を置いてから知事が銃撃を受けた」というこの証言である。
この聴聞会の時点ですでにオズワルド単独犯行説を既定路線としていたウォーレン委員会側にとって、証言中何より最も不都合だったのが、夫人のこの陳述だったことは疑い無い。
これは「後方からの一発の銃弾が大統領と知事の二人を貫通した」というシングルブレットセオリー(一発説)を完全否定する証言だからである。
この夫人の言葉について、聴聞の末尾においてウォーレン委員長がわざわざ指名する形で委員アレン・ダレスが質問していることに、委員会側の困惑が現れている。
*ウォーレン委員会招集に関する『ニューヨーク・タイムズ』の記事。
ダレスは「あなたの証言を明確にしたい」とおためごかしを語っているが、もちろん意図はそこではない。彼の意図があからさまに「二発目と三発目に比べれば、問題の一発目と二発目の間隔は短かった」と夫人に再度語らせることにあったことは言うまでもない。「この世慣れぬご夫人は、困ったことに『大統領と知事の被弾にはギャップがあった』などと語っているが、委員会の科学的調査が明らかにしたところからすれば、それは単なる誤認にすぎない。現に彼女自身が『その間隔は非常に短かった』と言っているではないか」と。
つまり「そんな時間差など、実は存在しなかった」というわけだ。
しかし、これは稚拙な論点のすり替えである。「非常に短い時間差だった」ことは認めつつ、夫人の時間差の存在そのものに関する証言自体は揺るぎない。そしてここでは、どれほど短かろうと時間差の存在そのものが決定的なのである。
それが僅かでも存在したのなら、大統領と知事は別の銃弾で負傷したことが確定し、ひいてはオズワルト単独犯行説は破綻してしまうからだ。
この「短い被弾の時間差」の存在に関する夫人の証言は、ザプルーダー・フィルムをから見てとれる、大統領の最初の被弾(上背部)と、知事の被弾の瞬間(ジャケットのめくれ上がり)との時間差(前回記事参照)と、正確に一致している。
つまり、ここでも夫人は、事件の瞬間をその経験のとおり正しく証言していたことが理解できよう。
さらにネリー夫人が、ジャクリーン夫人の暗殺の瞬間の発言を次のように証言しているのも、この射撃間隔の記憶が確かなものだったことをうかがわせる。
この「the first shot」の後、「and then there was the second shot」の間のジャクリーン夫人の発言は、彼女が最初の「音」の時点で、コナリー知事と同じく早くも暗殺の危機を感知していたことを物語っている。
そしてここでも、大統領に命中したfirst shotと知事に命中したsecond shotとの間に、はっきりとした射撃間隔があったことが語られている。
後で見ていくように、この点に関するジャクリーン夫人自身の証言は混乱を来している。というよりも、おそらくは自己保身から、真実を語ってはいない。対してこのネリー夫人の証言には一貫性があり、信頼性が高いと評価できる。
繰り返すが、ほとんど知られていない夫人のこの射撃間隔に関する最重要証言は、映像と照らし合わせることで、公式説=一発説を根底から突き崩し、事件の真相解明の鍵となるものである。
最初の「音」がミスしたはずの「オズワルトの初弾」だったとすれば、その時点ですでに大統領が被弾していたという前述の証言とともに、最も重要かつ決定的なのが、「その後で時間を置いてから知事が銃撃を受けた」というこの証言である。
この聴聞会の時点ですでにオズワルド単独犯行説を既定路線としていたウォーレン委員会側にとって、証言中何より最も不都合だったのが、夫人のこの陳述だったことは疑い無い。
これは「後方からの一発の銃弾が大統領と知事の二人を貫通した」というシングルブレットセオリー(一発説)を完全否定する証言だからである。
この夫人の言葉について、聴聞の末尾においてウォーレン委員長がわざわざ指名する形で委員アレン・ダレスが質問していることに、委員会側の困惑が現れている。
*ウォーレン委員会招集に関する『ニューヨーク・タイムズ』の記事。
ダレスは「あなたの証言を明確にしたい」とおためごかしを語っているが、もちろん意図はそこではない。彼の意図があからさまに「二発目と三発目に比べれば、問題の一発目と二発目の間隔は短かった」と夫人に再度語らせることにあったことは言うまでもない。「この世慣れぬご夫人は、困ったことに『大統領と知事の被弾にはギャップがあった』などと語っているが、委員会の科学的調査が明らかにしたところからすれば、それは単なる誤認にすぎない。現に彼女自身が『その間隔は非常に短かった』と言っているではないか」と。
つまり「そんな時間差など、実は存在しなかった」というわけだ。
しかし、これは稚拙な論点のすり替えである。「非常に短い時間差だった」ことは認めつつ、夫人の時間差の存在そのものに関する証言自体は揺るぎない。そしてここでは、どれほど短かろうと時間差の存在そのものが決定的なのである。
それが僅かでも存在したのなら、大統領と知事は別の銃弾で負傷したことが確定し、ひいてはオズワルト単独犯行説は破綻してしまうからだ。
この「短い被弾の時間差」の存在に関する夫人の証言は、ザプルーダー・フィルムをから見てとれる、大統領の最初の被弾(上背部)と、知事の被弾の瞬間(ジャケットのめくれ上がり)との時間差(前回記事参照)と、正確に一致している。
つまり、ここでも夫人は、事件の瞬間をその経験のとおり正しく証言していたことが理解できよう。
さらにネリー夫人が、ジャクリーン夫人の暗殺の瞬間の発言を次のように証言しているのも、この射撃間隔の記憶が確かなものだったことをうかがわせる。
…まず思い出せるのは、ケネディ夫人が、最初の銃声のあとで「ジャック! 彼らが夫を殺した!」と言うのを聞いたことです。そして二度めの銃声が起こって、三度めの銃声のあとで彼女は「彼らは夫を殺した。彼の脳が私の手に…」と言い、それを何度も繰り返しました。
…Mrs. Kennedy said, the first thing I recall her saying was, after the first shot, and I heard her say, "Jack, they have killed my husband," and then there was the second shot, and then after the third shot she said, "They have killed my husband. I have his brains in my hand," and she repeated that several times, and that was all the conversation.
…Mrs. Kennedy said, the first thing I recall her saying was, after the first shot, and I heard her say, "Jack, they have killed my husband," and then there was the second shot, and then after the third shot she said, "They have killed my husband. I have his brains in my hand," and she repeated that several times, and that was all the conversation.
この「the first shot」の後、「and then there was the second shot」の間のジャクリーン夫人の発言は、彼女が最初の「音」の時点で、コナリー知事と同じく早くも暗殺の危機を感知していたことを物語っている。
そしてここでも、大統領に命中したfirst shotと知事に命中したsecond shotとの間に、はっきりとした射撃間隔があったことが語られている。
後で見ていくように、この点に関するジャクリーン夫人自身の証言は混乱を来している。というよりも、おそらくは自己保身から、真実を語ってはいない。対してこのネリー夫人の証言には一貫性があり、信頼性が高いと評価できる。
繰り返すが、ほとんど知られていない夫人のこの射撃間隔に関する最重要証言は、映像と照らし合わせることで、公式説=一発説を根底から突き崩し、事件の真相解明の鍵となるものである。
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