○「音」や銃声は、すべてリムジンの「右」方向で起こった。
陳述のなかで、夫人は銃撃について「右側から」と述べているが、これは三つの銃声(ないし「音」)の全てについて証言である。この「発砲音は右側から」という証言は、先に見た夫・コナリー知事の証言と一致しており、さらに先のザプルーダー映像からも裏付けられる。
しかし、公式説によるなら、三発はすべてオズワルトのいた「真後ろから」でなければならない . . . 本文を読む
(承前)
(夫人の陳述)…三度めに聞こえた銃声は、使用済みの猟銃の弾が上から降りかかるように感じました。脳の組織や体の破片といったものが、車中に、私たち二人にも降りかかっていることは、もちろん私にもわかりました。
The third shot that I heard I felt, it felt like spent buckshot falling all over us, and . . . 本文を読む
それでは、知事の隣に座っていた夫人のネリー・コナリーの証言はどうか。
一般にこの事件をめぐる言説において、公式説を疑う立場からもその重要性はほとんど見逃されているが、実際のところ彼女こそ、大統領と知事の二人の被弾をともに見届けた、唯一の人物である。
しかもその位置たるや、被弾した二人に対して至近距離、目の前数十センチである。
*パレードでのリムジン車上。前席向かって右側の女性がネリー・ . . . 本文を読む
さて戻ると、例えばこのジョンソンの公式証言のみならず非公式の陳述においてすら、証言の証拠能力は限定的であることが理解できる。人間の記憶自体がかなり曖昧なものである上、政治的陰謀によるこうした事件では、それはなおさらである。
だからこそ、事実を端的に写し取った視覚的証拠としての写真・映像等の記録が重要である。それこそ捏造・変造でもされない限りは。ザプルーダー・フィルムに関する変造疑惑を後程取り . . . 本文を読む
これらのことを踏まえると、「就任と同時に暗殺の陰謀を知った」というジョンソンのインタビューでの言葉は、さらに重大な意味を持つことになる。それは、「大きな隠謀の一環として自分が大統領に就任することを知っていた」という、彼の置かれた状況を踏まえた言葉だったことになるからである。
すなわち、機上での就任宣誓の際どころか、暗殺のまさにその瞬間に、ということはそれ以前から、彼は自分が陰謀によって昇格す . . . 本文を読む
二つ目は、ジョンソンが消極的にせよ犯行時点で共犯関係にあったこと、すなわち従犯の可能性である。
ふたたび、彼のインタビュー記事に注目したい。
彼は「就任と同時に、暗殺に関する陰謀の存在に気づいた」という趣旨のことを語っている。(Johnson said that when he had taken office he found that "we had been operating a . . . 本文を読む
この事件を巡る言説では不思議なことにこれまで指摘されてきた形跡がないが、この写真でのジョンソンの挙動が「銃撃と認識しての危険回避反応」であることは明白である。画像奥を振り返っている複数の人物を含め、同じ写真の他の誰一人としてそんな反応は示しておらず、ただ彼だけが危険を察知している。この状況はきわめて不審である。
※画像再掲 夫人の向かって左側に座るジョンソンが状態をかがめている。
とこ . . . 本文を読む
このように、後方からの発砲に射撃位置の隠蔽処理が行われていたとすれば、これまで見てきたアルトジェンズの写真における奇妙な状況も、無理なく説明がつく。
前に紹介したレーンの著作におけるF・プラウティの序文には、銃撃の瞬間を語ったジョンソンの言葉が、次のように記されている。
暗殺が起きたダラスでのパレードでは、ジョンソン自身、ケネディからわずか三台後方の車に乗っていた。彼は弾丸が頭上をかすめ . . . 本文を読む
さて、これまでの推理が正しいとしてみよう。その場合、任務の重大性からしておそらく最高の射手が選抜され、しかも相当有利な条件下での射撃として計画されたにもかかわらず、3発にわたり頭部をミスしているこの命中精度の低さは、一体どのように理解すればよいのか。
これもまた、限定的威力の実包の使用により弾道特性が低下したとすれば、理にかなった説明が可能となる。弾速が低くなれば、それだけ直進性は下がり、弾 . . . 本文を読む
仮にライフルであれば、多少の習熟だけで、スコープなしであっても100メートル程度は必中の距離であるという。移動目標とはいえ、現場は後方からターゲットが短時間だが見た目上固定される区間、まして銃弾のドロップを気にする必要のない撃ち下ろしであり、ターゲットまで約5~60メートルという距離は、狙撃としては容易な条件のはずである。
にもかかわらず、第一の狙撃位置からの発砲と推定される3発の銃弾は、い . . . 本文を読む
ところで、いわゆる「銃声」である発射ガス音を抑えたとしても、音速の二倍超に達するライフル弾の発する衝撃波(ソニックブーム)は相当なものになると推測される。
だとすれば、この写真のように隣り合った人物の一方がされを聴いて他方が認識しないという状況が実際に起こりうるか、疑問が生じる。
それに対して、この事件では複数地点(最低4ヶ所、詳細は後述)に配置された狙撃手のうち、1ないし2箇所が使用する . . . 本文を読む
もうひとつ、そして何より、大統領ジョンソンがあえて偽証をせざるを得なかった理由は、自身が体験したとおりに事実を証言した場合、オズワルドの単独犯行を否定することになってしまうからだったと考えられる。
政府の公式見解は、初期段階ですでに単独犯行とする方向が決定されていたらしい。大統領就任直後の彼は、政府の公式見解に沿う形で偽証せざるを得なかったのである。
これはただの憶測ではなく、前掲のアルト . . . 本文を読む
このことはジョンソンの公式証言の欺瞞性、さらには彼とウォーレン委員会との一種の「共犯」関係を考える上で、非常に重要である。
強調のため公式のジョンソンの証言の要点を挙げてみたい。
①副大統領車が教科書倉庫ビル前を通過した時点で、周囲を驚かせるような大きい発砲音が鳴り響いた。
②危機を察知した前席のシークレットサービスが振り返り、肩を打つか押すかして後席の副大統領の上体を下げさせた。
③彼は同 . . . 本文を読む
加えて重要なのは、ジョンソンのインタビューでの「告白」に、彼自身の銃撃現場での体験が関わっていると考えられることである。
これは単なる憶測ではない。
射撃の瞬間、オズワルドが銃を構えたとされる窓の下に位置していたのが、他ならぬジョンソン副大統領の乗る車だった。その状況を写し取ったのがアルトジェンズの写真である。再三となるが、写真を確認したい。
※アルトジェンズの写真 大統領のリムジンか . . . 本文を読む
「ケネディ暗殺はCIAを主体とする陰謀だった」とのジョンソンの生前の推測は、あまり知られていないが、実は後年の民事裁判で真実性が裏付けている。それは長年この事件を追った弁護士マーク・レーンの弁護活動によるものである。
詳しくは、この陰謀の核心部分を裁判の過程で白日のもとに曝し、勝訴を勝ち取ったレーンの記録、『Plausible Denial』(邦題『大がかりな嘘』、不適切な邦題である)をぜひ参 . . . 本文を読む