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JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 9

2018-01-25 | JFK暗殺事件について

 この連載は往年の映画「JFK」に触発されて始めたものであった。しばらく中断していたので仕切り直したい。
 (なお、これらは個人的な単なる趣味の記事であり、別に紹介しているサングラハ教育・心理研究所のプログラムとは何ら関係がないので、念のため)

 トランプ大統領による事件に関する国家機密情報の公開容認が注目されるなか、この映画が語っている陰謀説が再び注目されているといってよい。ぜひ多くの人に見てもらいたい映画である。しかし、この映画の功績にもかかわらず、主流の論調はいまだにオズワルド単独犯行説である。

 要するに、暗殺がオズワルドという奇妙な男の単独犯行だったなら陰謀説のすべてがデタラメだということになり、逆にそうでなければ公式説が捏造されたものであることが確定し、陰謀(その内容がいかなるものであれ)の存在が裏付けられることになる。世紀の大事件について、わずかこの一点で構図が白か黒か180度変わってしまうという、ミステリー好きにとってまことに興味のつきない、いまだ未解決の稀有のケースと言える。

 この事件の真相解明は、映画が試みたように果てしなく広がる陰謀の構図に取り組むより前に、単独犯行説という一点に集中することが重要なのだと思われる。そこで、いわば「趣味の謎解き」というレベルでこれまで書いてきた。

 映画「JFK」では、オズワルド単独犯行説は虚偽であったとして、推測される狙撃の様子を再現していた。それは、3チームに分かれた実行部隊が軍隊式にリムジン上の大統領を目標に交差狙撃を遂行したとするもので、オズワルドは銃に触れることすらなく、単に囮として教科書倉庫ビルに配置されていただけであったことを描いたものであった。

 映画のこの狙撃の描き方は、のちに述べるようにこの記事での推測とは若干異なるが、しかし単独犯行を否定する点では説得力あるものであった。
 しかし「JFK」では、全体としてはむしろ政府・軍上層部の保守派の陰謀のもとでCIAが暗殺計画を遂行したとする陰謀の全体像を描くことに力点が置かれていて、狙撃自体についてはわずかに背景的に描かれているに過ぎない。その点でかなり不充分の観がある。



*「JFK」の一つのハイライトであったギャリソン検事と諜報関係の軍高官「X」(実在の人物がモデルとされる)との会話シーン。ギャリソンが追ってきた陰謀の全容が「X」からはじめて語られ、その陰謀の有無を巡って終盤の裁判が戦われる。

 そこで、ここではこの肝心の狙撃に関して、一般に詳しくは知られていない事件の調査報告「ウォーレン委員会報告書」に見られるいわば公式説がどのようなもので、それがいかにあからさまに怪しいものであるかについて、基本を押さえる意味でいったん見てておきたい。

 繰り返すが、かくもあからさまなウソが、半世紀以上の年月を経てもなお真実として世界にまかり通っているのは驚くべきことで、この事件はいかにメディアを通じた世論操作がなされるか、それがどれほど長く影響力を持つかを非常によく示す典型例であると思われる。メディアというのは何と信用しがたいものなのだろう。
 そして昨今の報道を見てわかるとおり、それは現在進行形の事態である。

 映画に描かれているとおり、この事件の公式見解とはオズワルドという一人の男が放ったわずか3発の銃弾が暗殺のすべてであったとするもので、これを核心として「孤独な共産主義の一匹狼」の単独犯行説というストーリーのすべてが構成されている。

 では、実際にそうしたことがありえたのだろうか。改めて、確認できる基本的事実のみで述べていきたい。

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