愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

明浜町の権現山(石鎚)

2005年08月20日 | 信仰・宗教
西予市宇和町・明浜町の境にある「山岳公園」近くにあった役行者像。「山岳公園」は、明浜町狩江の権現山の山頂に作られた展望公園。宇和海が一望できるので、これまでも附近を車で通る際に、何回か足を運んでいたが、「山岳」・「権現」のキーワードに心惹かれて、先日も、その周囲も散策してみた。公園脇には石鎚社が祀られており、手水鉢の銘には「弘化三年」とある。明浜の人に聞くと、山頂にある公園から下に50メートル程のところに鳥居もあるとのことで、探してみようと思い立ったわけだが、管理されていない雑木・雑草だらけなので、道がわからない。遭難してもいけないし、蛇も出そうで恐かった。結局、鳥居は確認できず、諦めて公園に戻ろうとしたところ、石仏を確認。それがこの役行者像。南予地方における石鎚社の勧請・建立は、石造物の銘から江戸末期が多いという印象だが、この権現山もその一例かもしれない。山岳公園の周囲には、他にも石鎚に関する石造物があるはず。秋から冬にかけて、雑草の生い茂っていない季節に、鳥居等を探しにいきたいものだが、一人でいくのはやめておこう。遭難だけはしたくない。

2005-08-20