「非戦の想像力」展2008
長坂町にある、おいでや ギャラリーにて41回目の「おばぁちゃんの手紙」を聴いていただきました。
お客さまのほとんどがアートな世界で活動する方々で、なんだかこわ~ぃと思っていたのですが・・・さらに東京からシンガーがぁぁぁ。
どうにもならん、最前列だし・・・腹が据わりました。
リハーサルでは、声がきまらず、ちょっぴり不安だったのですが、だんだん調子が出てきました。
自分でも初期の頃に比べてこの変わりように驚くのですが。
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サプライズシンガーはご家族でいらして下さいました。
そしてお嬢さんのSちゃんの音楽が大好きというライブの参加のしかたに、引っ張られるように安心してスタートしたのでした。
歌にあわせて表情や体で反応してくれる彼女にご両親の愛を見たあたしは、子育ての理想を感じ、安らかなあたたかい気持ちに包まれました。
今日こんな感想を持てるとは考えてもみなかった。
彼女のしあわせを分けてもらいながらライブはすすむのでした。
じっと目を見たまま聞いてくれる人、うなずきながら聞いてくれる人、表現の難しさを日頃から追求されていらっしゃる方々だから聴き方、聞き所は千差万別。
終わり、共感の声をいただいた時にはなんだか安堵の気持ち。
ひとつ来年のライブにつながりました。
なによりの共感です。
ヒロシマのある国に生まれた僕たちだから
「おばぁちゃんの手紙」
樹より
君へ
念ずれば花ひらく
今日も音響はROKUさん、映像はリンです。
お世話になりました。
ありがとうございました。
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少しずつ様子の紹介です。
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田中辰夫さんの作品です。
息子さんの裕さんも音楽で参加。
音はどの作品のじゃまもせず、空間を漂っていました。
空間と作品をつないでゆく不思議な心地があり、想像の場にちょうど良い「おといろ」でした。
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伊藤久士さんの作品です。
詩「幸せになりたい」
伊藤さんは83歳。
よく山日新聞に投稿記事が載られている方で、お話しがすきなおじいちゃん。
女性のような優しい繊細な書体は、選ばれた詩の内容とお人柄が見えるものだと感じました。
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上野 元起さんの作品です。
「ダイダクスの翼」
ご本人にはお会いできませんでしたが、鉄でつくられる円の中に片方だけの翼・・・。
想像は自由にひろがります。
他の方も順に紹介します。
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この企画プロデューサーと表現について話したことがとても興味深く、安心しました。
アーティストの限りない欲望について。
本をつくるにあたり、出来る出来ないは別としてその時点で理想の素材を選びました。
写真のセレクトの時、はじめは「写真展に出る可能性の少ないものでいいです」などと、自信のなさや贅沢な気がして、おとなしかったのですが・・・。
いつもは穏やかな写真家ですが一喝です、「そんなものをつくるつもりなのか?」
その時に決めました。
経験のあるなし関係なし、贅沢といわれようが、誰に遠慮することなく、理想どおりのものを創ろうと。
紙ものりも道具も今の形になるまでこだわりました。
これは決して欲ばりな事ではなくて表現したいと思ったら仕方のない事なのです。
もちろん、写真も最高の作品ばかりを使わせていただきました。
出来上がった作品からもそんな事情を察してくださったのか、プロデューサーは「そういうものなのだ、そのこだわりは大事で追求してゆくものなんだよ。大変だったでしょうが、妥協でうまれたものはそこまで、ギリギリまでこだわっていいんだよ」
経験など関係ないようです。
音楽もきっと同じはず。
ここに参加出来てよかった。