山本晴美 ここで愛ましょう

歌語りシンガソングライター 山本晴美のブログ

記憶

2010-01-10 21:22:00 | ここで愛ましょう

迎春花、黄梅はとてもよい香り。
道路脇の細い木がいくつか花をつけていたので、確か畑のどこかにもあるはずと、じじいに話しかけたら、母が突然「キゥイの木の横、山側の」ときっぱり。

お正月過ぎから、孫へのお年玉を渡したにもかかわらず、ほぼ毎日心配で聞いてくる程、昨日の事を忘れる。
何かにこだわると気になるらしく何度も繰り返し尋ねる。
足腰は悪くも、日常はマイペースで生活出来るけれど、認知の症状は進んでいる。
にもかかわらず、もう何年も入っていない山の花や木の場所は覚えているのだ。

自然と人との共存や恩恵の記憶は、人間のメカニズム的な記憶の場所とはちがう気がする。
年は重ねても、季節がくると芽吹く植物のことや、その存在は記憶に詳しい。

     

昔の歌や子どもの頃に出会った歌などは記憶の奥深いところにインプットされる。
音楽が人に底知れぬちからを与えるように、自然も五感を通して人にさまざまな影響をもたらす。
そこから解かれてゆく記憶。
もっと毎日が自然と共にあるように、自然と近くなろう。


     

今週末、精神科の閉鎖病棟で音楽レクレーションをやる。
こぶしの花の写真を連れていこうとおもう。
こぶしの花に出会った経験がない方でも大丈夫、自然をうたや音とともに楽しんでこようと思う。
病棟に少し早い春と季節の香りを届けたい。

コメント (2)
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