僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

絶滅したマンモスは復活するのか?

2019-03-13 19:44:32 | 生き物
近畿大学の研究チームがシベリアの永久凍土から見つけたマンモスYukaの化石を通して画期的な研究を成し遂げた。



細胞核には生命の設計図「DNA」が含まれているが、化石から得られた細胞核が生物学的に機能するのかはわかっていなかった。

シベリアで発見されたマンモスの体から骨髄と筋肉組織を採取し、さまざまな生物情報の解読、および細胞核の機能の復元に挑んだ。


まず、遺伝情報についてアフリカゾウと比較し、マンモスがもつ特徴的なDNAやタンパク質の配列を確認した。

次に、タンパク質の保存状態について解析したところ、Yukaの筋肉組織は比較的良好な状態で、細胞核の成分が存在していることが示された。

そこで、筋肉組織から回収したマンモスの細胞核を、マウス卵子に注入し、マウス卵子を生かしたまま細胞核の動きを観察した。


その結果、マンモス細胞核が新たにマウス由来の細胞核タンパク質を取り込みはじめ、なかには細胞分裂をする直前の形になるものも存在した。

さらに、マンモス細胞核の一部が最終的にマウス卵子の細胞核の中に取り込まれる現象まで確認できた。



 だが、細胞分裂には至らず、マンモスの細胞核はまもなく死滅した。

長期間にわたってシベリアの過酷な環境にさらされ、遺伝子が損傷していたことが原因とみられる。
 ただ、遺伝子損傷がマウスの卵子によって修復された可能性も示された。

損傷が軽度で保存状態が良好な細胞核が得られれば、細胞分裂して個体に育つ受精卵の作製につながる可能性もあるらしい。

本研究は、生物学的活性を保持している細胞核がマンモス化石中に存在することを世界で初めて実証した先駆的な成果である。

絶滅動物における生命現象の細胞レベルでの再現など、今後の古生物学と進化生物学における新たな発見が期待されている。

ハーバード大学の研究チームも、マンモスとアジアゾウのゲノムを接合する計画だ。

実現までにはまだ多くの年月がかかると見られるが、成功すれば、マンモスの形質を備えたゾウが誕生することになる。
特徴は、寒さに適応した血液や長い体毛、分厚い脂肪層などが挙げられる。





どちらにしても純粋なマンモスを作り出すのは難しく
イノシシとブタの合の子がイノブタと呼ばれるように
マンモスの遺伝子を受けついだゾウが遅かれ早かれ
誕生するのは間違いないだろう。



雀子

2019-02-06 23:30:43 | 生き物
雀子

雀子が入口の硝子戸をコツコツと叩く

餌をくれと催促するのだ


一羽の雀子に餌をやると

電線留まった十数羽の雀子も

一斉に降りてきて

頷くように米を啄む

何度も何度も米を啄む

その可愛らしい雀子よ 僕に幸福をくれるのか

もうこれ以上の宝物は要らないのだから

毎日その愛らしいしぐさを 僕にくれ

僕に生きている姿を 見せつけてくれ

ハムシの進化?

2018-11-29 23:36:17 | 生き物
高橋一生主演の「僕らは奇跡でできている」の7話で
大学講師の相河一樹が「ハムシ」の授業を行っていた。


動物界、節足動物門、昆虫綱、コウチュウ目、カブトムシ亜目、ハムシ上科、ハムシ科の生物で
葉や茎、根等を食い尽くす害虫になっている。

ハムシ


ルリハムシ


敵から身を守るため背面に棘状突起をたくさんまとった
ハムシが見つかった。

トゲハムシ(トゲトゲ)という名前で、正式名称「フタイロトゲハムシ」である。

その棘の先が丸まっているやつが現れた。
棘のないトゲハムシなのでトゲナシトゲハムシという。
別名、「フタイロホソヒラタハムシ」である。


また、タイでおしりに棘のある「トゲナシトゲハムシ」が見っかった。
これがトゲアリトゲナシトゲハムシになる。
正式名称は、「ベニモンベニホソヒラタハムシ」という。

ハムシ→トゲハムシ→トゲナシトゲハムシ→トゲアリトゲナシトゲハムシ

もう棘があるのかないのかわからなくなる。

今夜の客はカマキリ

2018-09-15 00:05:36 | 生き物
カマキリとは、鎌を持ったキリギリスという説がある。

だが、鎌を切るように向かってくるから
カマキリなのではないのかなと思う。

カマキリのオスは、交尾のあとメスに食べられるイメージが強いが、実際は最大で28%ぐらいらしい。

そして仮に食べられてしまえば
自分の子孫を通常の(食べられない場合の)
2倍誕生させるということだ。

蟷螂(トウロウ)の斧と言えば、自分の微弱な力量を省みず無謀に相手に向かっていく喩えだが、この生物は
自分の前足で昆虫などを捕らえ、人間さえも鎌を振り上げ威嚇し、決して怯まない。また、形勢が悪くなれば
翅で飛翔して逃げることもできる。

ある意味無敵だよなー
それに中国の元々の故事では、勇敢な喩えとして
登場するはずだし。

そんなカマキリくんに敬意を抱きつつ
撮影させていただいたからね🎵


蛸は地球外知的生物?

2018-06-13 18:57:07 | 生き物
みなさんはタコは好物かな?
それとも悪魔みたいで嫌いかな。

私はタコ飯は大好きで、特にタコの吸盤の食感が好き。

タウリンが豊富なので、疲れなどにも効果があるよね。


ところで、昔、H・G・ウェルズの「宇宙戦争」にはタコのような火星人が登場したのは印象深い。


宇宙人といえばタコというのが人々に認知されたよね。

ところが最近の科学雑誌「ネイチャー」にとんでもない論文が掲載されたんだ。

なんとタコは地球外生命体の可能性があるということだ。

氷の隕石の中に閉じ込められていたタコの卵が海に落ち、海水に溶け出したあと
既に生息していた生物の体に何らかの形で入り込むことで遺伝子に影響を与えたのだそうだ。

俄には信じがたいが、シカゴ大学のクリフトン・ラグステール博士がタコのゲノムを解析したら
他には存在しない遺伝子コードが発見されたという。

そしてタコは並外れて能力が高い。

ビンに閉じ込められても蓋をはずして逃げることができる。
三つの心臓を持ち、足を切られてもまた再生する。
地形に合わせて体型を変える。その色や形を2年間記憶できる。
ココナッツの殻を合わせ、敵からの防御に使う。
黒い墨を吐き、敵の目をくらます。
保護色でカモフラージュする。

など枚挙に暇がない。ドイツのパウル君もW杯南アフリカ大会で8試合すべての試合の勝敗を的中させたんだよね。


それに対して、ミトコンドリアを有している限り、地球外生命体ではないという科学者も多い。

また、オーストリアのドロミテ山から、一億2800万年前のイカ・タコ共通の祖先の化石が発見された。



私は、オウムガイ、アンモナイト、べレムナイトなどが先祖だと思っていたので少し意外だ。


海には海底火山付近に住む新種のエビがおり、熱水が噴出していて硫化水素を栄養源とするバクテリアを餌にしている。


またクマムシという緩歩動物は、水がなくカラカラになると、乾眠という仮死状態になり、再び水をかけると生き返るという特徴を持っている。
ネムリユスリカという昆虫も同様で、水がなくなると仮死状態になる。

このように世の中には不思議な生物が多く生息するのは事実なので
宇宙から現在の生物の根源が飛来してきたとしても不思議ではない・・・ように思う。

ホトトギス

2018-05-29 19:07:36 | 生き物
万葉集の中に、鳥のホトトギスを詠んだ歌が153首もある。

漢字で不如帰(ホトトギス)と書けば、その字の由来は、中国の杜宇が失官し、復職を願ったが受け入れられず失意のうちに死んでいった故事にある。
読みは、「帰るにしかず」で、意味は帰ることができない、になる。

徳冨蘆花の小説に「不如帰」があるが、主人公の浪子が肺結核に倒れ、その喀血する様子をホトトギスになぞらえたのであろう。

ホトトギスの漢字は他にもたくさんある。

血を吐くまで鳴き続けるホトトギスに自分を掛け合わせ、俳号を「子規」にした正岡子規、その子規も
ホトトギスと読む。

他に、「時鳥」、「杜鵑」、「沓手鳥」、「郭公」、「霍公鳥」、「蜀魂」、「杜宇」があり、
意味合いから、「妹背鳥」、「偶鳥(たまさかどり)」、「死出田長(しでのたおさ)」、「時津鳥」などもホトトギスのこと。

ホトトギスは、ミソサザイやウグイスの巣に自分の卵を産み落とす、托卵もする。
自分の悲しい運命にあらがうように、今日も一羽、彷徨うのであった。

コウガイビル

2017-08-22 16:52:24 | 生き物
今日はちょっと不気味な生物のお話。

大学に通っているAさんが、駐車場を歩いていると、何かを靴で跳ね上げて
足首にピシャリと黄色いものがくっついた。

彼女は「焼きそばかな?」とその黄色い物体を払い落としたら

なんと・・・それは・・・紐状で20㎝以上ある気持ち悪い生物コウガイビルだったのだ。


普段湿った土の中や石の下に生息しているので、雨が降った後など平地に正体を現すのである。

私もよく見かけることがあったが、プラナリアの類かと思っていた。


けれど、コウガイビルは扁形動物門、ウズムシ目、コウガイビル亜目だが、
プラナリアは扁形動物門、ウズムシ目、ウズムシ亜目とちょっとだけ違う。

まして人間の血を吸う「ヒル」は、環形動物門、ヒル綱なので、コウガイビルとは分類上全く違う生物になる。

見た目は異様で不気味な感じだが、人間にとって害はなく、いたって安全な生物なのだ。

また、コウガイビルもプラナリアもちょん切ってもまた再生する。
特にプラナリアは、4分割したとしても、その切れた物体から頭としっぽが再生され
4つの個体が誕生するというすごい能力を持っている。

2013年、プラナリア」の再生の仕組みを、京都大大学院理学研究科の阿形(あがた)清和教授(発生生物学)らのグループが解明した。
体内にある2種類のタンパク質の濃度により、形成される器官や組織が決まることを突き止めたとしている。

このプラナリアの再生能力は、IPS細胞の応用にも役に立っているのだと思う。

因みに、大学生Aさんは、コウガイビルは苦手だが、プラナリアはとっても可愛いと言い切っている。

ネムリユスリカ

2017-04-11 18:25:29 | 生き物
アフリカのナイジェリアにネムリユスリカという蚊の仲間がいる。


その幼虫が乾燥すると100度近い高温でも、マイナス270度の超低温でも耐えられるのだそうだ。

このユスリカの第一人者黄川田 隆洋氏によると、
完全に干からびて死なない状態に変化することを、アンヒドロビオシスというらしい。



宇宙船の外に乾燥したネムリユスリカを二年半さらしても、お湯をかけたら生き返ったそうだ。

摩訶不思議な生物だが、記録では、最長で17年保存した状態から蘇生しているということだ。

ネムリユスリカの乾燥した体の中にトレハロースという糖分がたまっていて、細胞の中がキャンディのようになる。
そして物質を安定させガラスのように固まり、ひしゃげるのを防ぐそうだ。

もう一つ、LEAタンパク質という特殊なたんぱく質が細胞内のたんぱく質同士でくっついて
固まるのを防いでいるのだそうだ。

ただこのネムリユスリカは土の中のバクテリアから遺伝子が入って行って、乾燥耐性を促すことが出来た
事がわかっている。
だから、現地の土を採取し調べれば、この虫と同じようなシステムを持った生物も発見できるかもしれない。
けれど、土は持ち帰れないので、現地調査が必要なのだということだ。

このネムリユスリカの遺伝子の大半がまだ解明できていないらしい。

今後解明が進めば、治療薬やips細胞の保存などで威力を発揮できる日がやがて訪れるに違いない。