武陵の漁夫が道に迷い、桃林の奥にある村里にたどり着きました。そこでは、秦の乱を避けた者たちの子孫が世間から離れて暮していました。
平和で裕福な毎日を送る仙境。
桃源郷の語源になった陶淵明の『桃花源記』に書かれている理想郷です。
このような平和で長閑で悩みのいらない国が理想ですよね。
まして昔、実家では桃を栽培していたのでわかるのですが、その花は所謂桃色で
美しく、とても芳(かぐわ)しい良い香りがします。
そして秋に熟すその実は、えも言われぬ高貴な味がします。
昔は、黄桃というと加工用だったのですが、最近は黄金桃や黄貴妃などの生食用黄桃が美味しいです!
話が逸れましたが、杏林大学医学部の古賀良彦教授らの研究によると、実際、桃の香りは心をリラックスさせ、集中力を高める働きを持つといいます。
桃の香りと同じ成分の液体を人工的に作り、この香りをかぎながら単純作業を行ないます。
蒸留水をかいだときと比較したら、想像力や注意力を担う前頭葉の血液量が増す一方、恐怖や怒りと関わりが深い扁桃核の血液量が減る傾向にあったそうです。
桃の香水やアロマキャンドルで桃の香りを部屋一杯に満たしていれば、心がくつろぎ、あたかも桃源郷に暮しているかのような気分に浸れることでしょう