K君の実家が、いわき市の好間川の氾濫により、
水に浸かってしまった。
一階の部屋が彼の腰ぐらいまで水で溢れかえった。
K君の両親に絶望という二文字が脳裏を覆い尽くし
体が疲労感と虚無感で一杯になった。
彼は、日中、講師として高校で教鞭をとり
終業後真っ直ぐ実家へ向かい
家の汚れを拭き取ったり
後片付けに身を投じた。
それだけでなく 呆然とした両親を少しでも元気付けようと
彼らのそばにいて慰め励ました。
K君のお父さんの教え子の保護者たちが
懸命に家の片付けと廃棄物の処理に奔走した。
そんなみんなの力もあって
徐々に両親の不安が小さくなっていった。
光が差してきた。
K君に自信が戻り安堵の顔もあった。
10月29日、三度目の教員採用試験の合格発表があり、
K君は合格した❗