うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

フェイジョアの哀しみ

2007年11月16日 07時32分58秒 | オリーブ・フェイジョア栽培日記
今はわが家ではフェイジョアが熟すときだ、実は地面に自然落下する。それからすると、成熟時期は、木枯らし一号はまだだが気候も小春日和の今頃なのだろう。
 やっと、甘百目(柿の木)の採実も昨日終わったばかりだ。今年は不作の年で林檎のような実が20個ぐらいか。例年のように食べつくすのに難儀しなくてすむ。落ち葉の掃除がてら、ふと、木を見上げると雀ではなく小柄なメジロが懸命についばんでいるので、あわてて残りの4個をもいで、木守(きもり)の2個を昔からのならわしどおりに残した。

 フェイジョアは今年も相変わらず一本の木に80個ぐらいみのる。これは毎年、収穫量は落ち着いている。珍果として、わたしはPRと食べてもらう人を探すために仕事先に配る。(わたしは食べるよりも鮮やかでチャーミングな白と赤の花びらが良いと思っている) 味は淡白でパイナップルと洋梨を混ぜたような味だ。同じ熱帯、亜熱帯性のあのマンゴーやドリアン、ライチの濃厚な味とは違う。本場のニュージーランドでは盛んに市場に出回り、消費されているらしい。日本では、新宿高野でも銀座千疋屋でも扱っていないだろうなあ(?)。

 なにもランドスケープと大きく構えなくても、フェイジョアは樹形はあばれるがガーデンデザインに一本取り入れたい植物だ。でも、花を楽しむには問題はないが、食べるにはほかの果樹と同様の傾向があり異品種と組み合わせる必要がある。受粉し結実させるのが難しい。これはオリーブもそうである。だから、ホームセンター、園芸店や通販ウェブサイトの苗木購入にも注意が必要かと思う。もし栽培上の疑問があったら、コメントをください。わたしの失敗した経験の上にたってアドバイスをします。
 この果実は生食だが、洋菓子やフルーツポンチ、サラダに最適かもしれない。じつは白い花弁も食べられるが、これが砂糖菓子のようで甘くておいしい。腕に自信のある方は料理方法を研究すればおもしろいでしょう。今の時点では商用目的には至っておりませんが、ご入用の方はお分けしますのでわたし宛に連絡をください。
 
 フェイジョアも、かつてキウィフルーツが世間に広く出回ったようになればいいのだが、今は超マイナーな果物です。常緑樹で濃緑の葉と同じみどり色の果実で目立たない。モンスーン気候、四季のある日本の植物群のなかでは、当然異色ではあるが、地味ではなくそこそこの存在感はある。
 妙なたとえだが、フェイジョアという果実に対しわたしは梶井基次郎のあの佳品、小説『檸檬』のような哀しみの印象を持っている。伊豆山中の宿で、結局、レモンと対峙しながら、早死にすることになる著者の若年の詩的な孤独感を感じるのだ。
 的確に表現しなくともいいのだが、うーん、うまく言えない。
         
        
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェイジョアの挿し木

2007年07月18日 06時32分32秒 | オリーブ・フェイジョア栽培日記
わたしは朝が早い。起きて階下に階段を下りると、うす暗い玄関の靴箱の上で百合の花が活けてある。豪華絢爛と形容してもいいほど、その存在が騒がしい。
 プーンと例の強烈な香りだ。花びらが2つと7つついた二本がギヤマンの瓶にさしてある。6枚の花弁、真紅の色の中に百合独特の黒いブロッチがちりばめられたもの、これは鹿の子百合のハイブリット種だ。
 祝宴の席、お祝いにピッタリの花だ。庭には色々な百合がある。オランダからの土産品の黄花は移植時に枯れた。今年はついに鉄砲百合も消滅、鬼百合も数が少ない、カサブランカはまだまだこれからだ。
 わたしにとって本当は、あの気難しい山百合が好きなのだけれども。
 この百合は丈夫な百合で、わが家の庭では毎年この時期に開花する。花は、家内もわたしも派手すぎて特に好きというわけではない。しかし、うっとうしいこの季節、普段の生活の中で、この彩りと刺激はメリハリをつけている。

 梅雨明け前にしようと、“海の日”の休日、午後4時から7時まで庭弄りをする。
 まず、ぎぼうしの株分け2種3鉢、購入株の鉢上げ4種をおこなう。なんとなく気ぜわしいこのごろ、今年こそはとの思いでフェイジョアの挿し木をする。事前に資料にあたり準備してきた。まず、門のそばの高さ2.5m幅1.5mのフェイジョアの木のそばに脚立を据え、慎重に15cmから30cmの挿し穂を採りすぐに水桶に突っ込む。31本しかとれない。
 30cm四角のトロ箱のベッド(挿し床)に、穴を開け発泡スチロール片を敷き赤土をいれたら、その上に鹿沼土を重ねて敷きならす。そこでいったん十分に灌水をする。 次に地べたに腰をおろし、挿し穂を調整していく。下葉を取り長さをそろえる。ここでは切り口が肝心。また吸水させて、1時間。ルチエース(オーキシン・発根促進剤)の粉末に切り口をつけて、ベッドに隙間なく確実に挿し込んでゆく。深さは用土の中に2/3ほどである。狭いスペースで全て完了。最後に寒冷沙替わりの不織布でトロ箱ごと包み込む。密閉挿しの要領だ。
 順調にいけば9月には発根するはずだ。今まで何気なく成功してきたのだけれど失敗もしてきた。いずれも、その理由も原因も分からずにいた。
 咲けば、フェイジョアは、あの白く砂糖菓子のようでしかも赤い口唇を持った熱帯性の蠱惑的な花だ。今後、この続報をアップしていくつもり。ご期待のほどを。
     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こちらも・・・

blogram投票ボタン