1970年代以降、カトレアに次いで、シンビジュウムなどの洋ラン類が切り
花・鉢物の高級品として贈り物に使われ始めた時代があった。その後追うよう
に、ちょうどバブル景気の頃、会社などで高価な業務用贈答品として爆発的に社
会に流通したのが、このお洒落な化粧鉢入りの胡蝶蘭である。
その頃、わたしは40歳前後、このハート(心臓)形の可憐な白とピンクの花び
らをいつも身近に置き、一体、何を考えていたのだろう。
今では、胡蝶蘭も栽培技術と生産体制も確立されて、安価に花屋さんの店先で入
手できるようになり私たちの日常生活に溶けこんでいる。
胡蝶蘭を詠む、
・春の夜の微かに忍ぶれ胡蝶蘭
・春の闇 ひそかに添いし香を聞く