おかしな「天然水」のTVコマーシャルが放映中だ。スポンサーはサントリーだそうだが、シーンは谷川岳のような渓谷で、持参したミネラルウォーターを飲み終えたら潰して持ち帰ることが出来る、かさばらず便利だとのことだ。
でも、これって、話が妙だ。そういう場所に行くのなら現地の渓流の水を飲むことにした方がいいのではないか。人里離れた源流には山からの伏流水、湧水や岩清水が集まっているので清浄な水のはずである。売らんかなという企業の姿勢と、消費者にとって商品で売っているものなら安全だと言うことらしい。よっぽど、こういう場所では現地で調達して手で掬って飲むべきとわたしは思う。
リサイクルも必要だが、これでは資源の無駄づかいだ。商品主義、消費型資本主義社会でもここまで来ると、なんだか滑稽である。
世の中全体が、あらかじめ画像で、数値で表現されていた方が正しくて、どうも頭脳と耳目の情報が一番確からしい。しかし、こんなことをやっていたら、ことの本質を見失う。誤った衛生観念や安全神話につながる話だ。じつは、山の渓流の水はおいしい。人間本来の属性であるプリミティブな五感の判断はどこへいったのか。
先の大震災でもそうだが、安易にテレビやパソコンのデジタル情報を第一に考えていると、何かあった場合、困惑する事態になる。
おじさんの繰り言だが、そう思う。