うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

緑肥作物だそうですが・・・・・

2010年05月08日 06時51分11秒 | ランドスケープデザイン

 わたしは、いつも、煙草が切れると、歩いて近所のコンビニに買いに行く。その途中の畑にねぎ、人参とかトウモロコシなどを輪作しているところがあり、そこでは全面をおおうように、ここ数年来、秋から春まで不思議な植物を生やしている。あまり見かけない外来種の植物だ。ここの地域は農作地帯であり農閑期の畑に作物がなくむきだしの裸地だと、場所柄、春先に砂塵が舞うので悪評判である。そこで、裏作ではなしに草の種を蒔いているようなのだ。
 時には、大量にあるからいいだろうなどと、わたしは勝手に、その花を手で折り自宅の花瓶に活けたりしていた。一輪挿しだ。

 たとえば、下の写真、この植物は今頃は濃い赤い穂状の花をつけているので結構目立つ。わたしはこれに ストロベリーキャンドルなどと勝手に名前をつけていた。しかし、正解は クリムソンクローバーである。
     

 この間、わたしは、はたっと気付いたのだ。これはそういう機能のほかに別の側面がある。ある日、農家の人がトラクターで有機性のチッソ分を土壌に鋤き込んでいるのを見た。つまり、野菜栽培の地拵えのためのものだったのだ。その効果は畑の化成肥料の減量化、耕作土壌からの排水汚染防止、という目的のために緑肥として植えているのだ。いわゆる緑肥作物ということになる。
 農業関係の資料を調べると、古くは蓮華草、現代で代表的なものはマメ科のオーストラリア原産の ヘアリーベッチ、 イネ科の ソルゴーがあるそうだ。それに クロタリアはマメ科特有に花の形がピーナッツに類似した黄色の花をびっしりつける。
 しかし、分からないものもある。なんだか、 セスバニアに似たキク科とおもわれる、人参の葉っぱぽい草姿、淡い紫色の細かい花びらが集まって天辺につけている(複総状花序)植物だ。この名前は農業関係者のかたに、ぜひとも、お教えを乞いたいものだ。

 また、土壌のセンチュウ防止用に園芸好きの一部では知られているが アフリカンマリーゴールドを間植するコンパニオンプランツのような植え付けもある。
 ほかにもコスモスや ひまわり など、 シャーレーポピー などは遊休地に播種される。また、異なった草花種子をブレンドしたミックスも多いのだが、これは景観形成作物と言われるらしい。わたしの世代では、かつて15年前に造園業界で流行った ‘ワイルドフラワー’なるものである。
 しかし、わたしとしてはそれよりもこの植物たちのエスケープ(逸出)を気にするのだが。つまり、生態系を脅かす栽培植物の野生化の問題である。

 ご意見や感想は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのホームページから入りお問い合わせくださいませ、ませ。
        
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今朝のギボウシ

2010年05月07日 06時14分43秒 | ぎぼうし栽培日記
撮影: 5月 7日午前 6時

今朝のギボウシ。寒河江に早々とつぼみがついている。ギボウシは、このところの高温続きでぐんぐん伸びている。
 今が常緑樹の落葉時期、新葉と入れ替わるように フェイジョア、クロガネモチ、ホルトノキや キンモクセイの古い葉がさみだれのように落ちる。わたしは毎度、朝起きると、家の前の落ち葉掃除だ。この落ち葉を堆肥製造用に取っておく。秋よりも、わたしにはこの時期の落ち葉が肥料分がよく含まれているようにおもう。
 それから乾燥気味の鉢にジョウロで個別に水を注いでいく。ギボウシは今が伸び盛り、鉢内の草取りとともにこの時期に散水を怠るとのちの生長がおもわしくない。

 今までのギボウシの育成や栽培については、このサイト左側の、 カテゴリー [ギボウシ栽培日記] などをクリックするとご覧になれます。
 なお、注文を受けてあつらえたのちに、ギボウシ出荷時の際はこのブログ上でご注文品を画像でアップし、実物を確認していただきます。

●ギボウシの販売は当ブログのみでおこなっております。価格面や数量については、お問い合わせするか、カテゴリー [草花ナーセリーWeb直販コーナー] をクリックし日々の書込み履歴をご確認願います。必ず、最新の情報をお確かめください。

 また、販売の受付けやコメント、お問い合わせに際して、連絡方法は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォーム、メール等でお願いいたします。
      
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サンダークラウドプラム って、どういう樹木

2010年05月06日 06時54分45秒 | 個人の庭・エクステリア

 今やっている、植栽プランの中でどうしてもわからない樹木があり、少々困っている。
 これは急な話、恥を承知ですが、この植物の情報を持っている方、どなたか教えてください。
 その名前は、サンダークラウドプラム というものです。
 なんとなく、食用可能でクラブアップルなどのように北アメリカで栽培してしているふうに感じますがどうでしょうか。どんな特徴を持っているのか。

 教えていただける方は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのホームページから入りご連絡くださいませ、ませ。
        
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菩提樹の歌詞

2010年05月01日 05時33分57秒 | 俳句・短歌、またはエッセイ

先日、テレビのNHK・BS第二放送で映画 ‘菩提樹’(原題 Die Trapp-Familie)をやっていた。この歌曲名に惹かれて見たのだが、その背景について、やっと得心がいった。そうか、第二次世界大戦中のオーストリアの貴族、トラップ家族の実話に基づいたのか。ナチスの迫害によりアメリカに移住する物語。そして、ミュージカル ‘サウンドオブミュージック’の元になった映画。
 わたしにとって、そこで歌われているシューベルトの菩提樹の歌詞の意味が以前から少し謎であった。ここではWEB上で渉猟し検索したものを挙げてみる。はなはだ勝手なことをして、ここまで資料をまとめられた関係者の皆様方、ごめんなさい、そして大変ありがとう。
 わたしの仕事に引きつけて言うならば、菩提樹は日本の中部地方や東北・北海道ほかの山野にあるシナノキの仲間、インドのお釈迦さまの説話に出てくる菩提樹と科が別物である。
 これは都市のオープンスペースや都市近郊ではあまり見かけない樹木である。樹形は円錐形から広卵形で自然に整形を保つ、落葉高木。大径木になる高木性で、ケヤキやサクラと同じく庭木としてはふさわしくない。この樹木は、都内文京区小石川の東大植物園に植樹した樹林がある。

 原語はドイツ語であるが、上段は直訳で詩の文であり、下は日本語訳でよく見聞きする歌詞であるが、近藤朔風さんの名訳とされているもの、その曰くも転載する。
 
Winterreise D 911
Liederzyklus nach Gedichten von Wilhelm Müller
--冬の旅-- ヴィルヘルム・ミュラーの詩による連作歌曲集
5. Der Lindenbaum 菩提樹

Am Brunnen vor dem Tore, 市門の前の 泉の側、
Da steht ein Lindenbaum, そこに一本の菩提樹が立っている。
Ich träumt' in seinem Schatten 僕はその木陰で見たものだった、
So manchen süßen Traum. とてもたくさんの甘い夢を。

Ich schnitt in seine Rinde 僕はその皮に刻み込んだ、
So manches liebe Wort; とてもたくさんの愛の言葉を。
Es zog in Freud' und Leide 嬉しい時も悲しい時も
Zu ihm mich immer fort. 僕はいつもその樹に惹かれていった。

Ich mußt' auch heute wandern 僕は今日も木の側を通って
Vorbei in tiefer Nacht, 真夜中に旅立たなければならなかった。
Da hab' ich noch im Dunkeln その時、僕は真っ暗闇にもかかわらず
Die Augen zugemacht. 目を閉じてみた。

Und seine Zweige rauschten, するとその枝たちがざわめいた、
Als riefen sie mir zu: まるで僕に呼びかけるように。
Komm her zu mir, Geselle, 「こっちへ来なさい、友よ、
Hier findst du deine Ruh'. ここにあなたの安らぎがあります」

Die kalten Winde bliesen 冷たい風が僕の顔に向かって
Mir grad' ins Angesicht, 正面から吹いてきた。
Der Hut flog mir vom Kopfe, 帽子が僕の頭から飛んでいっても、
Ich wendete mich nicht. 僕は振り返りはしなかった。

Nun bin ich manche Stunde いま 僕は何時間も
Entfernt von jenem Ort, あの場所から離れたはず。
Und immer hör' ich's rauschen: けれど僕にはずっとざわめきが聞こえたままだ
Du fändest Ruhe dort! 「あなたはここで安らぎを得られたのに!」

1.
泉にそひて、繁る菩提樹、慕ひ往きては、
美(うま)し夢みつ、幹には彫(ゑ)りぬ、ゆかし言葉、
嬉悲(うれしかなし)に、訪(と)ひしそのかげ。

2.
今日も過ぎりぬ、暗き小夜なか、眞闇に立ちて、
眼(まなこ)とづれば、枝は戦(そよ)ぎて、語るごとし、
来(こ)よいとし侶(とも)、こゝに幸あり。

3.
面をかすめて、吹く風寒く、笠は飛べども、
棄てゝ急ぎぬ、遙(はるか)離(さか)りて、佇まへば、
なほも聴こゆる、こゝに幸あり。


泉に添いて 茂る菩提樹
したいゆきては うまし夢見つ
みきには彫(え)りぬ ゆかし言葉
うれし悲しに といしそのかげ

今日もよぎりぬ 暗きさよなか
まやみに立ちて まなこ閉ずれば
枝はそよぎて 語るごとし
来よいとし友 此処に幸(さち)あり

おもをかすめて 吹く風寒く
笠は飛べども 捨てて急ぎぬ
はるかさかりて たたずまえば
なおもきこゆる 此処に幸あり
此処に幸あり

 詞は明治時代の訳詞家近藤朔風(さくふう:1880-1915)の手になる。「菩提樹」「ローレライ」「野薔薇」などの訳詞はあまりにも有名ですが、35歳余りで早世したこともあり、その業績も上記の数曲を除き遠い過去のものになってしまっているようです。『雀の子』のように、クラシック歌曲の日本語化は原詩と関係ない替え歌であった時代に、原詩に沿った訳詞を試み、その後100年も歌い継がれている名訳を残した朔風の偉大さは忘れられてはならないでしょう。
 楽譜により歌詞や漢字と仮名の使い分けなど異同がかなりあります。そこで今回、国会図書館で生前の出版譜(明治43年『女聲唱歌』)を参照して来ました。朔風自身が眼を通した一次資料としてまずは決定的と言って良いのではと思います。

 楽譜の方は原曲そのものではなく、ジルヒャーの編曲かそれを元にしたものと思われ、短調に転調しない民謡風有節歌曲の形の女声二部合唱です。著作権は消滅している。
 歌うための訳詞という制約もあり、原詩の語を少なからず省略してはいますが、日本の風景に置き換えられながらも、人の心の中にある「原風景」として見事に機能している素晴らしい訳だと思います。
 なお、朔風は訳詞のための号であるようで、表紙には編者として本名の近藤逸五郎(いつごろう)が記され、本文中の訳詞者名は朔風と表記されていました。

 わたしには一般的にリリカル、センチメンタルという印象。明治という時代背景の中、日本ではまだ未熟な人心を巧みに自然の中に歌い込んだなという感じ。旋律とともに歌詞も、もちろん、美しい。
     
コメント (5)
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