貴志祐介著『雀蜂』
2013年10月25日に発刊された文庫書き下ろし小説。ジャンルはノンストップ・サバイバルホラーとのこと。
あらすじ
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!(Amazon当該商品ページより引用)
感想
普通に面白かったです。
読者に”こうだと”思わせておいたことがラストに”実はこうだった”と、どんでん返しするという展開をみせる、まるで『世にも奇妙な物語』とか藤子・F・不二雄先生のSF(少し不思議)短編集のような趣の物語でした。
この手の作品は一度目に作者にまんまと騙されて、二度目以降はどう騙されたのか振り返るのが楽しいと思いますが、本作もそんな小説です。
もちろん物語そのものが面白いからなんですが、非常に読みやすい文章なので超遅読のワタクシがラストまでイッキに読んでしまいました。それに豪雪で孤立した山奥の山荘という限定的なシチュエーションも頭の中で映像化しやすいのもよかったです。
それにしてもラストのどんでん返しは思いもよらなかったですね。ある意味”雀蜂より怖い”展開がラストに待っていて軽く唖然としてしまいました。
ただ少し残念なことはホラー要素が薄かったことです。
主人公の敵は初めから”雀蜂”とわかっていますからね。自然の驚異といえる雀蜂が怖いのは理解できるんですが、現実に人間に駆除される存在でもある割と身近な昆虫ですからね。貴志さんの他の作品の敵キャラよりは”不気味さ”が感じられなかったですね。
ワタクシはホラー小説として読み始めただけに少しがっかりしました・・・。
作風はホラーを標榜しているワリにコミカルなんですよ。様々な方法で雀蜂と対峙する主人公が緊急時とは裏腹に心の中では意外にまぬけなことを考えているという部分にクスっとしてしまいました。こういうところも他の作品のテイストと違った魅力があったように思います。
ページ数もたいしたことないので、数時間の暇を持て余してしまう、例えば新幹線での移動中なんかにはもってこいの小説ですね。これどうなって終わるの?感をラストまで感じて気持ちよく騙されてほしい作品ですね。
話は脱線しますが、 藤子・F・不二雄先生の短編集はオススメです。ラストにどんでん返しのある物語、後味の悪い物語、はたまた感動を誘う物語と様々な短編漫画を描いてくれています。『雀蜂』のような話が好きな方にはこちらもオススメですよ。
と、今回はここまで。次回乞うご期待!
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『十三番目の人格 ISOLA』を読んだ~狂気がもの足りないかも?~
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あらすじ
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!(Amazon当該商品ページより引用)
感想
普通に面白かったです。
読者に”こうだと”思わせておいたことがラストに”実はこうだった”と、どんでん返しするという展開をみせる、まるで『世にも奇妙な物語』とか藤子・F・不二雄先生のSF(少し不思議)短編集のような趣の物語でした。
この手の作品は一度目に作者にまんまと騙されて、二度目以降はどう騙されたのか振り返るのが楽しいと思いますが、本作もそんな小説です。
もちろん物語そのものが面白いからなんですが、非常に読みやすい文章なので超遅読のワタクシがラストまでイッキに読んでしまいました。それに豪雪で孤立した山奥の山荘という限定的なシチュエーションも頭の中で映像化しやすいのもよかったです。
それにしてもラストのどんでん返しは思いもよらなかったですね。ある意味”雀蜂より怖い”展開がラストに待っていて軽く唖然としてしまいました。
ただ少し残念なことはホラー要素が薄かったことです。
主人公の敵は初めから”雀蜂”とわかっていますからね。自然の驚異といえる雀蜂が怖いのは理解できるんですが、現実に人間に駆除される存在でもある割と身近な昆虫ですからね。貴志さんの他の作品の敵キャラよりは”不気味さ”が感じられなかったですね。
ワタクシはホラー小説として読み始めただけに少しがっかりしました・・・。
雀蜂 (角川ホラー文庫) | |
貴志 祐介 | |
角川書店 |
作風はホラーを標榜しているワリにコミカルなんですよ。様々な方法で雀蜂と対峙する主人公が緊急時とは裏腹に心の中では意外にまぬけなことを考えているという部分にクスっとしてしまいました。こういうところも他の作品のテイストと違った魅力があったように思います。
ページ数もたいしたことないので、数時間の暇を持て余してしまう、例えば新幹線での移動中なんかにはもってこいの小説ですね。これどうなって終わるの?感をラストまで感じて気持ちよく騙されてほしい作品ですね。
ミノタウロスの皿: 藤子・F・不二雄[異色短編集] 1 (1) (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉) | |
藤子・F・不二雄 | |
小学館 |
話は脱線しますが、 藤子・F・不二雄先生の短編集はオススメです。ラストにどんでん返しのある物語、後味の悪い物語、はたまた感動を誘う物語と様々な短編漫画を描いてくれています。『雀蜂』のような話が好きな方にはこちらもオススメですよ。
と、今回はここまで。次回乞うご期待!
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