『キングコング対ゴジラ(1962)』
1962年8月11日に公開された日本映画でゴジラシリーズの第3作。アメリカRKO社とのライセンス提携作品で製作、配給は東宝。監督の本多猪四郎、特技監督の円谷英二という名コンビによる東宝創立30周年記念作品でゴジラシリーズ初のカラー作品。アメリカの巨大怪獣「キングコング」をゲストに”怪獣同士の対決”という日本の怪獣映画の流れを決定付けた作品であり、封切興行時の観客動員数は1120万人を記録、ゴジラシリーズ中では歴代最高の記録とのことです。上映時間は97分。登場怪獣はキングコング、ゴジラ、大ダコ。
あらすじ
日本のテレビ局が高視聴率獲得のため南海の孤島ファロから連れてきたキングコング。そして、北極の氷が解けて蘇ったゴジラ。やがて両者は日本で衝突し激しい闘いがくり広げられる。果たして勝つのはキングコングか?ゴジラか?
感想
日米の人気怪獣の対決ものという”お祭り感”満載の楽しい映画でした。
高島、藤木、有島のトリオのコントのようなやりとりで笑わせてくれ、キングコングの可愛らしさに萌えて、凶暴なゴジラに震撼しつつ、怪獣対決では手に汗握るという全然退屈させてくれなかったです。
本作はコメディ要素が強く、鑑賞中に少し戸惑ったんですが、映画が終わる頃には気にならなくなりました。
そうそう特に笑ったのが「起爆装置」のシーンですね。
船で日本にキングコングを輸送する洋上でキングコングが暴れだしたため、爆殺用の火薬を起爆させようとする主人公の高島さんとそれを止めに入る宣伝部長の有島さんが揉みあいになり、誤って有島さんが起爆装置を押しちゃって・・・・というシーンなんです。
古典的なコントですが、意外にツボにはまりました。案外、こういう笑いって普遍的なのかも?
コメディ要素が強い理由としてはせっかくの日米怪獣対決の”お祭り感”が損なわれないようにしたかったんだと思います。
現実でも高視聴率獲得のため手段を選ばない行動をしてトラブルになりますよね。あまりに真正面にこのことを描いてしまうと物語があまりに生臭くなってしまいますからね。
おかげで本作は”お祭り感”を失うことなく幕を閉じます。真剣に考えるとモヤモヤするラストも”お祭り感”の余韻でほとんど感じることはありませんでした。
まぁそれでも人間の欲深さとかテレビの視聴率至上主義への辛辣な皮肉も含んでいて、意外に深い作品でもあると思います。でもそんなこと考えなくても老若男女だれでも楽しめるのが本作の優秀さを示していると思います。さすがゴジラシリーズ歴代最高の観客動員数を誇る作品ですね。
それからギャグシーンばかりではなく、真面目なシーンもちゃんとあります。特にゴジラに関わるシーンはシリアスで緊迫感の伴うものが多かったですね。
ゴジラから避難するシーン、ゴジラが列車を襲うシーン、防衛隊による攻撃のシーン等々はなかなか緊迫感がありました。田崎潤さん演じる防衛隊の司令官も渋いんですよ~。
【公式】「キングコング対ゴジラ」予告 アメリカの人気怪獣キングコングを相手に迎えたゴジラシリーズの第3作目。
円谷英二さんが特技監督だけあって特撮部分にも見どころ満載。ラストバトルで壊される熱海城の精密なミニチュアや実物のタコを使ったファロ島の大ダコのシーンなどなど枚挙にいとまがありません。
それから最大の見どころはもちろんキングコングとゴジラとのバトル。非常にダイナミックな格闘シーンが多くて楽しい。
特にワタクシは富士山での戦いがお気に入りです。
富士山を登るゴジラにヘリで運ばれてきたキングコングが山の斜面を滑り台のように滑ってゴジラに激突!というシーンは激しいんですが、なんだかコミカルで笑ってしまいました。こんなカンジで対決シーンは終始、緊張感とコミカルさが同居した独特の対決に仕上がっています。
キャストでは特に高島忠夫さん、藤木悠さん、有島一郎さんの演技が素晴らしい。正直、怪獣いなくてもこの3人だけで1本映画ができそうなんだよなぁ~。
それはさておき、この映画って鑑賞するまでは全然期待してなかったんですが、予想外に面白かったですね。本作の成功で日本の怪獣映画が”怪獣同士の対決”路線に走った理由がわかりました。一度は観てほしい怪獣映画ですね。
愛嬌あるたたずまいのキングコング。動くともっと愛嬌があってかわいいヤツなんですよ。だから劇中ではついついキングコングの方を応援しちゃうんだよなぁ~。
ちなみに本作ではヒロイン(後年ボンドガールを務めた浜美枝さん!)をつかんで国会議事堂に登るというシーンがありますが、これはもちろん、あの有名なエンパイア・ステート・ビルによじ登ったシーンのオマージュです。
今回もさすがの怪獣王、貫録が十分なんですが、コミカルなキングコングに引きずられ、本作のバトル中はゴジラもコミカルでした。だが、それがいい。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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1962年8月11日に公開された日本映画でゴジラシリーズの第3作。アメリカRKO社とのライセンス提携作品で製作、配給は東宝。監督の本多猪四郎、特技監督の円谷英二という名コンビによる東宝創立30周年記念作品でゴジラシリーズ初のカラー作品。アメリカの巨大怪獣「キングコング」をゲストに”怪獣同士の対決”という日本の怪獣映画の流れを決定付けた作品であり、封切興行時の観客動員数は1120万人を記録、ゴジラシリーズ中では歴代最高の記録とのことです。上映時間は97分。登場怪獣はキングコング、ゴジラ、大ダコ。
あらすじ
日本のテレビ局が高視聴率獲得のため南海の孤島ファロから連れてきたキングコング。そして、北極の氷が解けて蘇ったゴジラ。やがて両者は日本で衝突し激しい闘いがくり広げられる。果たして勝つのはキングコングか?ゴジラか?
感想
日米の人気怪獣の対決ものという”お祭り感”満載の楽しい映画でした。
高島、藤木、有島のトリオのコントのようなやりとりで笑わせてくれ、キングコングの可愛らしさに萌えて、凶暴なゴジラに震撼しつつ、怪獣対決では手に汗握るという全然退屈させてくれなかったです。
本作はコメディ要素が強く、鑑賞中に少し戸惑ったんですが、映画が終わる頃には気にならなくなりました。
そうそう特に笑ったのが「起爆装置」のシーンですね。
船で日本にキングコングを輸送する洋上でキングコングが暴れだしたため、爆殺用の火薬を起爆させようとする主人公の高島さんとそれを止めに入る宣伝部長の有島さんが揉みあいになり、誤って有島さんが起爆装置を押しちゃって・・・・というシーンなんです。
古典的なコントですが、意外にツボにはまりました。案外、こういう笑いって普遍的なのかも?
コメディ要素が強い理由としてはせっかくの日米怪獣対決の”お祭り感”が損なわれないようにしたかったんだと思います。
現実でも高視聴率獲得のため手段を選ばない行動をしてトラブルになりますよね。あまりに真正面にこのことを描いてしまうと物語があまりに生臭くなってしまいますからね。
おかげで本作は”お祭り感”を失うことなく幕を閉じます。真剣に考えるとモヤモヤするラストも”お祭り感”の余韻でほとんど感じることはありませんでした。
まぁそれでも人間の欲深さとかテレビの視聴率至上主義への辛辣な皮肉も含んでいて、意外に深い作品でもあると思います。でもそんなこと考えなくても老若男女だれでも楽しめるのが本作の優秀さを示していると思います。さすがゴジラシリーズ歴代最高の観客動員数を誇る作品ですね。
それからギャグシーンばかりではなく、真面目なシーンもちゃんとあります。特にゴジラに関わるシーンはシリアスで緊迫感の伴うものが多かったですね。
ゴジラから避難するシーン、ゴジラが列車を襲うシーン、防衛隊による攻撃のシーン等々はなかなか緊迫感がありました。田崎潤さん演じる防衛隊の司令官も渋いんですよ~。
【公式】「キングコング対ゴジラ」予告 アメリカの人気怪獣キングコングを相手に迎えたゴジラシリーズの第3作目。
円谷英二さんが特技監督だけあって特撮部分にも見どころ満載。ラストバトルで壊される熱海城の精密なミニチュアや実物のタコを使ったファロ島の大ダコのシーンなどなど枚挙にいとまがありません。
それから最大の見どころはもちろんキングコングとゴジラとのバトル。非常にダイナミックな格闘シーンが多くて楽しい。
特にワタクシは富士山での戦いがお気に入りです。
富士山を登るゴジラにヘリで運ばれてきたキングコングが山の斜面を滑り台のように滑ってゴジラに激突!というシーンは激しいんですが、なんだかコミカルで笑ってしまいました。こんなカンジで対決シーンは終始、緊張感とコミカルさが同居した独特の対決に仕上がっています。
キングコング対ゴジラ 東宝DVD名作セレクション | |
関沢新一 | |
東宝 |
キャストでは特に高島忠夫さん、藤木悠さん、有島一郎さんの演技が素晴らしい。正直、怪獣いなくてもこの3人だけで1本映画ができそうなんだよなぁ~。
それはさておき、この映画って鑑賞するまでは全然期待してなかったんですが、予想外に面白かったですね。本作の成功で日本の怪獣映画が”怪獣同士の対決”路線に走った理由がわかりました。一度は観てほしい怪獣映画ですね。
バンダイ 東宝怪獣 キングコング 硬質ソフビ | |
バンダイ | |
バンダイ |
愛嬌あるたたずまいのキングコング。動くともっと愛嬌があってかわいいヤツなんですよ。だから劇中ではついついキングコングの方を応援しちゃうんだよなぁ~。
ちなみに本作ではヒロイン(後年ボンドガールを務めた浜美枝さん!)をつかんで国会議事堂に登るというシーンがありますが、これはもちろん、あの有名なエンパイア・ステート・ビルによじ登ったシーンのオマージュです。
FAVORITE SCULPTORS LINE 東宝30cmシリーズ ゴジラ 1962 全高約280mm PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア 一部組み立て式 | |
エクスプラス | |
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今回もさすがの怪獣王、貫録が十分なんですが、コミカルなキングコングに引きずられ、本作のバトル中はゴジラもコミカルでした。だが、それがいい。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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「キングコング対ゴジラ」はゴジラシリーズ初のカラーで、モノクロの前作2本とは打って変わっての陽気な作風になりましたね。冬眠から覚めてマッチョになったゴジラ。日本猿をそのままデカくしたようなキングコング。自衛隊の策略で風船猿と化したコングの能天気な飛行に、ゴジラの「対メガロ」とはまた違った不自然な笑えるドロップキック。そして殆ど漫画の登場人物達の演技・・・・・・(爆笑)。
能天気に物語は展開しますが、思えばこの映画は登場人物の殆どが気の毒な体験をしますよね。番組の視聴率稼ぎの為に危険なファロ島へ送られた弥次喜多コンビ。ゴジラ&コング両方に襲われるヒロイン・ふみ子さん。コングに恋人を奪われる藤田さん。視聴率稼ぎに連れてきたコングには逃げられ、その後は多大な責任を負わされると思われる宣伝部長。毎度の事ながら怪獣に振り回される自衛隊と一般市民(今回は島民も)。
それでも私が一番可哀そうだったのは、ファロ島に生息するトカゲちゃん。何をしたという訳でも無いのに、たまたま尻尾を握ってしまった弥次喜多の一人にブンブン回された挙句に崖下へ捨てられ、もう一人にライフルの追い撃ち・・・・・・(汗)。
全身画像を見ましたが、可愛い♪可愛い♪♪こんな可愛いトカゲちゃんを酷い目に遭わせるなんて、私にはとてもできません。何て事するんだ!!弥次喜多コンビ!!
可愛いトカゲちゃん、どうか弾が外れて生きている事を祈りたいです。
つい取り乱しましたが(苦笑)、「キンゴジ」は観客動員数がダントツ1位の1255万人で未だに記録が破られていないのですよね。日米怪獣対決の傑作、これからも不朽の名作であり続けるでしょうね。
いつもコメントいただいてありがとうございます。
A-chanさんにご指摘いただくまで登場人物のほとんどが気の毒になるってこと気づいてなかったですね・・・。本作の能天気なノリにばっかり気にしておりました。
それからファロ島に生息するトカゲに着目される着眼点に脱帽です。
これからもいろいろ教えてくださいね。