猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

観世流銕仙会能楽堂で他流試合稽古

2015年07月27日 11時14分14秒 | 猿八座
佐渡猿八での、「越敷神社共同舞台」がいよいよ来週に迫りました。仕掛け人である能楽師清水二氏の稽古場にお邪魔しました。銕仙会(てっせんかい)の能楽堂は、東京の青山にあります。後学の爲、渋谷駅から歩いてみました。宮益坂(みやますざか)を上るのは初めてです。成る程、渋谷は谷です。先日も豪雨があって渋谷駅が水浸しになったばかりです。さて、ここが、源氏烏帽子折に登場してくる「渋谷の金王丸」の生まれ故郷かと感心しながらも、猛暑に汗だくでした。

表参道の銕仙会能楽堂の外見


さて、今回の他流試合というのは、能の「隅田川」を清水氏が演ずるのに搦めて、音曲は坂野正崇氏がサックスで担当するのです。そこまでは、去年のパターンですが、今年は、狂女(母親)の台詞を、私に回していただいたのでした。それも先週の新発田での稽古で突然言われた事なので、ビックリ。私は、能に関しては何も知らないので、ビクビクです。浄瑠璃調のそのままで良いと言っていただきましたが、恐る恐る、稽古に行って参りました。

銕仙会4階稽古場
能楽師の声を間近に聴いたのは初めてです。底鳴りする素晴らしいお声なので、流石に気後れしましたが、負けじと、声を張り上げてきました。最近、猿八座の操りは、スピーディな所作が多いですが、能では、大分ゆっくりとやらないと、清水氏とのペースが合わない様です。坂野氏のサックスがなめる様に、ついてきます。

猿八座 暑中稽古 

2015年07月22日 09時53分25秒 | 猿八座
8月2日の佐渡猿八、越敷神社の公演が近付いてきました。新人の姜八景が、初めて人形に三味線を合わせました。衣装合わせもして、見た目は一人前です。三番叟の連れ弾きが初舞台になります。

9月12日てぃーだかんかん小劇場(豊田市)の演目、角田川と新作の耳無し芳一

角田川:梅若塚の大念仏の場面

耳無し芳一:安徳帝墓所で琵琶語りをする芳一

6月稽古 

2015年06月22日 21時35分39秒 | 猿八座
新潟県新発田市の稽古場での6月稽古に参加してきました。目下の取り組みは、「耳無芳一」です。まだ、絵としてはお見せする段階に至っていませんが、試行錯誤をしながら、場面の解釈が練り上げられてきました。一方、「角田川」も課題の外題で、間口の狭い会場で、どう見せるかに工夫を凝らしてします。

角田川:梅若塚の段
予告:来年の1月のことですが、東京は隅田川の辺で、この「角田川」を上演する機会に恵まれるかも・・・しれません。

新作 耳無芳一 稽古開始

2015年06月08日 11時35分43秒 | 猿八座
 新発田の稽古場に行って参りました。いよいよ小泉八雲原作の「耳無芳一」の稽古が始まりました。出入りや、位置の場当たりをしつつ、メリヤス部分の繋ぎ具合を計ったり、浄瑠璃の文言や曲を修正しながら、1日で、3回半語りました。初演の会場が狭いので、踊り方にも工夫が必要です。例により、まだ、道具や頭(かしら)も揃っていませんが、動きが付くと、浄瑠璃の不具合な所がよくわかります。

在る夜、芳一は、呼び出されて、壇ノ浦合戦の場面を語ります。芳一が抱えている物体は、これから「琵琶」になるであろう発泡スチロール。聴いて局が涙ぐんでいます。

実は、芳一は、平家武者の亡霊にたぶらかされ、安徳天皇の墓所に向かって、語っていたのでした。芳一を発見した寺男達が驚いています。八郎兵衛師匠が持っている棒には、そのうち人魂が付きます。
 さて、芳一の危難を救う為には、「芳一の全身に般若心経を書かなければならない。」と、阿弥陀寺の住職は言うのです。芳一の体に、勿論、裸に、般若心経を書く。どういう、演出になるのか、今後の展開にご期待下さい。
(写真の人形等は、まだ稽古用です。実際に使用するものとは異なりますので、ご承知置き下さい。)

山椒太夫仕込みの日々

2015年03月17日 17時28分32秒 | 猿八座



稽古場に泊まり込んで、道具作りの日々です。新発田は、先週の雪も融け、すっかり春めきました。お彼岸を間近にして、墓参りの皆さんが稽古場を覗いて行きます。写真は墓参の方用の看板を立てる八郎兵衛師匠。占いで使う小道具と、御前の御簾。まだまだ、作らねばならないものが沢山。稽古場は、工事現場になっています。

新潟日報 猿八座を特集

2015年03月10日 08時16分42秒 | 猿八座
3月1日に論説編集委員の森沢真理氏が、稽古場を取材されました。どのような記事になるかと楽しみにしておりました所、3月9日の新潟日報モア(電子版)オピニオン「探る」で、今回取り組んでいる「山椒太夫全段通し狂言」を特集していただきました。大紙面を、ありがとうございました。高田世界館での公演(4月18日・19日)をご期待下さい。
http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/aruku/20150309167712.html
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新しい研修生を迎えて

2015年02月14日 22時52分17秒 | 猿八座
猿八座は4月の高田公演「山椒太夫」に向けて、稽古を再開しました。当初、続山椒太夫ということで始めたのですが、上越教育大の川村教授と話し合った結果、これまでの前三段も一緒に上演して、通し狂言山椒太夫を上演することになりました。ご期待下さい。
 一方。座員が減ってしまい、手が足りない所でしたが、幸い新座員を迎えつつ、新しい場面の国分寺の段、本復の段、成敗の段の作成に掛かりました。写真は使い方を習う、新研修生の八輪さん。

猿八座 稽古はじめ 

2015年01月13日 19時46分03秒 | 猿八座
新潟大学主催の県民会館公演が近付いて来ました。源氏烏帽子折の「竹馬」「宗清館」は昨年9月の豊田公演でご覧いただきましたが、「卒塔婆引き」は、今回が初挑戦になります。源義朝の家来で、同級生の「比企藤九郎盛長(ひきのとうくろうもりなが)」と「渋谷金王丸(しぶやのこんのうまる)」は、主君義朝の墓参りに来て、卒塔婆を奪い合います。八寸角もある角卒塔婆を、ぼきりと捻折るという豪快さですから、相当に力が入ります。

押し込んで行く盛長。

捻折って、飛びしさる所。

まだ、空席がありますので、お早めに予約をお願いします。
公演紹介記事は以下のページです。
http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/e/28040b31af1724ee8b59d28557b6ad32

猿八座 終い稽古

2014年12月15日 19時50分55秒 | 猿八座
今年も猿八座に、多くの御声援をいただき、誠にありがとうございました。午年も残り僅かとなりましたが、雪の新潟で、終い稽古をしました。稽古場からの雪景色

大雪の為に来られない座員もいたので、まとまった稽古になりませんでしたが、新弟子が入りましたので、基本の所作を、みんなで稽古いたしました。

今年は、新作と次々と創作する年でしたが、来年はじっくりと熟成していきたいものです。今後とも、宜しくお願い致します。

残暑御見舞い申し上げます 猿八座暑中稽古

2014年08月20日 13時05分23秒 | 猿八座

ちょっと涼しい期間がありましたので、厳しい残暑でくらくらします。くれぐれも、熱中症にご注意下さい。八月末に、豊田市で予定されている「源氏烏帽子折」の「宗清館」の場は、雪の降り積もる冬の京都伏見が舞台です。灼熱の稽古場ですが、寒風が吹き荒れ、寒さに震える場面では、少しぞくぞくします。ご覧になる方も、少しは涼しくなるかもしれません。

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(寒さに気絶した常磐御前を介抱する子供達)

新発田の稽古場での公開稽古は9月15日を予定しております。

入場無料、飛び入り歓迎、飲食持ち込み大歓迎。

詳しくは座長西橋八郎兵衛まで(080-2012-9115)

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猿八座 新年稽古初め

2014年01月28日 10時40分14秒 | 猿八座

今年の新潟は、気温は低いですが、雪はそれほど多くありません。湯沢付近は、沢山積もって
いましたので、山雪の年のようです。

 さて、今年も稽古が始まりました。「山椒太夫」の稽古が中心ですが、照手車引きの
段を、能楽堂バージョンに変更する稽古も始まりました。
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能楽堂の橋掛かりを、花道として使い、餓鬼阿弥車を引き出します。言うのは簡単ですが、
人形で車を引く様に見せることは、なかなか難しいことです。試行錯誤が続きます。

ロシアからのお客様がいらしゃいました。

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モスクワ国立中央人形劇場付属人形劇博物館の学芸員のスヴェトラーナ・グヌチコヴァさんです。
新潟大学に招聘されて、来日されたそうで、猿八座の稽古を見学されました。