猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

国民文化祭参加 山椒太夫 新発田・村上公演終了

2019年11月18日 19時36分36秒 | 公演記録
後半の山場、二日連続公演でした。同じ場所ならむしろ連続公演はいいのですが、場所が違うと、舞台の組み立てばらしが続くので重労働です。ところで、新発田公演の会場「きやり館」は、元々料亭だった建物ですが、昔からの置屋さんが並ぶような所ですから、なにか別な住人がいらしゃるようで、開幕直前に幕が落ちる、開演中に電気のコードがたれる。最後に持仏のお地蔵さんが、舞台下に転がり落ちる等々、さんざんに悪戯をされました。翌日、村上公演は使い慣れた教育情報センターホールでしたが、前日のことがありましたから、念入りにお祓いをして臨みました。おかげさまで、今回の山椒太夫公演の中でも最高の舞台になったようです。さて、あと残すところは1回。最終回は再び柏崎のドナルドキーンセンターに帰ります。11月30日をお楽しみに。

新発田市きやり館  撮影:藤田雅善

国民文化祭参加公演 山椒太夫 佐渡公演

2019年11月04日 20時31分30秒 | 公演記録
猿八座の山椒太夫は、「山本角太夫本」を使っています。説経山椒太夫では、安寿は山椒太夫館で責め殺されてしまうのが普通の筋ですが、この本だけが、安寿を佐渡まで運びます。安寿は佐渡島でようやく母親に出会います。しかし、いったい誰がこんな話にしたのでしょうか、盲目になった実の母親に叩き殺されてしまうのです。

佐渡島が舞台となる「鳥追いの段」・・・めくらの杖は咎ならじ・・・

その安寿の墓と言われている安寿塚が、島内の畑野と外海府の鹿ノ浦にあります。しかし、鹿ノ浦の社は元々十二所権現であったという記録があるので、修験者がいなくなってから、この浄瑠璃にもとづいて神様が書き換えられたようです。

さて、安寿が亡くなってから、出世した厨子王が、国司として佐渡島へとやってきます。そこで持仏の地蔵菩薩が、奇跡を起こして母の目を開かせます。さすがは佐渡です。その瞬間に大きな拍手が巻き起こりますした。最新の演出では、地蔵菩薩を逆さまにかざす、「逆さ地蔵」という祈祷を行います。写真ではよく見えませんが・・・これにも、みなさん気づかれていたようでした。


さて、残り3公演です。
11月16日(土)新発田市地域交流センター
11月17日(日)村上市情報交流センター
最終回11月30日(土)は再び柏崎市、ドナルドキーンセンターでお待ちしております。