猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

信太妻 於 新潟市砂丘館

2015年10月28日 21時06分02秒 | 公演記録
関東地方で木枯らしが吹いた日、新潟市は晴れてはいましたが、冬の予感がしました。さて、何度目の「信太妻」だったのでしょうか。何度やっても、「信太妻」は泣けます。殊に古民家は、古浄瑠璃にぴったりの風情ですから、特にしっくりと来ます。四十名近い方々にお越し戴き、会場がいっぱいになりました。誠にありがとうございました。

信太の森に帰った狐は、待ち受ける狩人を、逆に罠に陥れて喜びます。

雨が降ってもあきらめません 菅生歌舞伎

2015年10月11日 18時23分46秒 | 菅生歌舞伎
 前夜からの雨。朝になっても音を立てて降っています。明日なら晴れそうだから、順延しないかなあと、布団をかぶっていましたが、無情なメールが配信されました。「小雨決行。」ああ、やれやれ、これは小雨かねえ。仕方無く駆け付けてみると、びしょ濡れの舞台を人海作戦で、修復中。やっと座って、おまじないに「晴れ太鼓」を叩いていたら、ほんとに日が射して来ました。10分遅れで開演できて、目出度し目出度し。

今年の下座チームは、3名でした。

笛:高崎・三味線:中田・鳴り物:渡部 : 三味線は中田さんにお任せして、私は太鼓・鳴り物に集中させていただきました。


東海大学菅生高校吹奏楽部の皆さん


じゃりんこ五人男:立派に勤めました。


佐倉義民伝:渋い芝居ができるようになりました。


菅生一座 説経祭文芝居の挑戦

2015年10月08日 22時39分48秒 | 菅生歌舞伎
 毎年、吉例の菅生歌舞伎が、10月11日(日)に開催されます。本年の会場は、ご存知「野口邸」特設舞台です。バスでお出での方は、東海大学菅生高校までお乗り下さい。
 今年の見所は、佐倉義民伝「甚兵衛渡し場の段」です。歌舞伎は色々な浄瑠璃を活用して演出して行きますが、菅生歌舞伎では、「説経祭文」を取り入れての芝居に取り組んでいます。それと言うのも、あきる野市(旧秋川市と旧五日市町)や隣接する日の出町は、説経祭文の家元薩摩若太夫を輩出した地域だからです。二宮神社の神楽師だった古谷平五郎(六代目)、伊那の加藤健次郎(九代目)、大久野の浜中平治(十代目)等、江戸時代から昭和初期にかけて説経祭文の伝統がこの地域で受け継がれました。戦後、すっかり衰えたのは他の地域芸能と同じ運命でしたが、その十三代目を勤めたのが私でした。かつて、二宮神社で行われた古谷一族による二宮歌舞伎では、説経祭文で芝居を行った記録が残っています。
 ひょっとすると、説経祭文で芝居をするということ自体、百年ぶりぐらいのことかも知れませんが、それ以上に、菅生一座が、義太夫浄瑠璃だけでなく、説経祭文も研究して取り入れ、多彩な演出を試みている所が、とにかく見所、聞き所でしょう。乞うご期待。



稽古寸景:番小屋での宗吾と甚兵衛

説経祭文 野口太夫  三味線  中田恭子

猿八座 公開稽古 入場無料

2015年10月06日 12時52分13秒 | お知らせ
秋の公演が一段落した11月15日(日)、しばらく実施できなかった公開稽古を開催いたします。紫雲寺周辺の方々はどうぞ、お気軽にお出で下さい。いつも通り、入場無料・飲食可です。演目は、新作の角田川と耳なし芳一。場所は、新発田市真中1868:東光寺心萃房。問い合わせは、西橋080-2012-9115まで。


秋には、説経信太妻を楽しもう

2015年10月05日 20時00分33秒 | 公演記録
狐、蘭菊の花に、蔵れ棲むとは、古人の伝えしごとく、この女房、庭前なる籬の菊に、心を寄せしが、咲き乱れたる、色香に賞でて、ながめ入り、仮の姿をうち忘れ、あらぬ形と変じつつ、しばし時をぞ移しける。

於:新発田市金升酒造

頃しも今は、秋なれば、千草にすだく、虫の声、かれがれになるぞ連木、憂き言の葉に秋風の、そよそよそよと、吹くときは、早稲田晩稲(わさだおくて)に立て張りし、引かで鳴子の音高く、それよと見れば、晩稲(おしね)守る、かがしの姿、見ゆるをも、もし猟人やあるらんと、心細さはかぎりなし。

於:村上市教育情報センター

急に秋めいた週末でした。いろいろな行事が立て込んでいる時期にもかかわらず、地元の方々のあたたかいご支援により両公演を盛況の内に開催することができました。大変ありがとうございました。今月は、もう一度、信太妻を満喫できます。
10月25日(日) 新潟市砂丘館にお出で下さい