１００匹目の猿

猿はヒトに近く、その知能水準も高いものがある。
そんな猿たちの行動については、世界的に見ても京都大学の霊長類研究所の研究が進んでいる。
そこでは、こんな興味深い研究結果が得られたという。

◆１００匹目の猿が組織を変革する？
　これは、便宜上「１００匹目の猿現象」と呼ばれている。
　多くの個体が存在する群れの中で、新たな行動をする猿が一定数を超えると、それは全体の変化に繋がるという。
　そしてそれは、人間社会の組織の変革や成長にも通じ、いち早く行動した人の影響で変革が起きるらしい。

　猿の群れの集団に、畑からとれたばかりの土のついたサツマイモを継続的に与える。
　多くの猿たちはイモを洗うことなく、泥のついたまま食べ続けている。
　しばらくすると、一部の猿はそれを川で洗ってから食べるようになる。
　ところが、この餌付けから半年が経過したころ、１００匹目にあたる猿がイモを洗い始めると、
　なんとその日の夕方までに、群れのほぼすべての猿たちがイモを洗い始めたという。
　しかもしかも、この猿たちがイモを洗い始めると、遠く離れた他の群れのサルたちも多少の遅れはあったものの、
　多くがイモを洗い始めたという。

　これは、英国のルパート・シェルドレイクによれば、どこかで誰かがいいことを始めると、
　それは集団内で模倣され、さらにその模倣が一定数を超えると臨界点を越え、
　他の全ての種へも伝達されていくものらしい。

　ここでヒトに戻れば、組織やチームを良い方向へ変革するのに大切なことは、
　いいと思う事を気づいた人が一刻も早く行動し、自らが１００匹目の猿の１匹になるように努力することなのだ。
　それが組織をガラリと変えるし、その発火点には誰でもなり得るということなのだ。

　→ふうん　以前に聞いたファーストペンギン（最初に一匹のペンギンが飛び込むと群れの次々が水に飛び込む）
　　によく似た話ですね。そしてこれは倫理的な行動にも応用できそうですね。