村爺のなんでもいいべ

南相馬市の馬事公苑を中心に活動しているディスクゴルフの話題や南相馬の出来事や思いついたことを書いていきます。

6年ぶりの作付

2016年06月25日 11時45分17秒 | 農業

震災と原発事故以来昨年までは米の作付をあきらめてきたけど、

今年から田んぼを全て委託して作付けをしていただきました。

震災以来5年間草と格闘を続けて田んぼを管理してきたけど、

今年は6年ぶりにみどりの絨毯が広がっています。

田植えの時期も、稲刈りの時期も土だけの田園が広がっていたけど、

今年は当たり前の田んぼの姿が見られます。

風評被害で米が売れなく飼料米がほとんどだけど、

震災と原発事故から復興していく姿を見るのはうれしいですね。

これからここの田んぼも基盤整備が行われて、

国が推奨する大規模経営に変わって行き小さな百姓は排除されていきます。

状況は変わるけどこれからもみんなで協力して地域のこの風景を守って行きたいですね。


悲しい現実

2015年10月31日 17時55分49秒 | 農業

平成27年産米の生産確定数量の通知が届いた。

もちろん作付けをしていないので生産確定数量は0kg。

わかっていながらこういう数字を見るとなんとなくむなしくなります。

平成26年産までは「原発被害による不作付」だったが、

平成27年産は強制的に「自己保全管理」に表記を変更。

補償が無くなってもやる気を失い、農機具が使用できなくなっては作付け再開なんかできっこない。

それだけ5年という月日は長かったと言うことですよ。

いよいよ「離農」という言葉が身近になってきましたね。


田んぼ除染開始

2015年03月30日 10時45分49秒 | 農業

先週からいよいよ我が家の田んぼの除染が始まった。

除染業者からのアンケートに今年も作付を見合わせると答えたので後回しになるのかと思ったが、

ぎりぎり年度末に実施された。

除染の方法は、

震災後田んぼを管理するために耕起を繰り返していたので、表土の削り取りはできない。

耕起を繰り返してきた田んぼに実施する方法は、

耕土厚30cm以上はプラウによる反転耕。

耕土厚30cm未満は約20cmの深耕。

我が家は耕土厚が30cm未満なので深耕が実施されている。

作業内容は、

ロータリーによる深耕 → ゼオライト散布 → 肥料散布 → 耕うん

の順で行われる。

散布量は、10a当たり

ゼオライト 500kg

けい酸カリ 30kg

ようりん 40kg

堆肥 400kg

の基準で行われているはず。

作業内容を見ていたが、

最初のロータリーによる深耕は行われず、まず最初に堆肥が散布されていた。

その後にゼオライトを散布してから他の土壌改良剤を散布するはずが、

ゼオライトと土壌改良剤を混合してあるのか散布は1回だけ。

ゼオライトの散布量は10a当たり500kgだから田んぼの表面が真っ白になると思ったが、

これで500kg/10aの割合で散布されてんのかな?

最後は耕うんでこれが深耕?

説明会の作業内容とはだいぶ違って作業が省略されているような気がするけど?

昨年作付した米からはセシウムが検出されなかったから、

気休めの除染になっているのか!!

馬事公苑の除染もそうだったけど、最近の除染は手抜き除染が多いような気がする。

農地除染を請け負っているのは清水建設。

作業をしているのはその孫請けくらいの会社か?

とても大手の建設会社が受注して監督している仕事ぶりとは思えないような事が起きている。

国民が収めた多額の税金が投入されている除染。

こんな無駄な作業をやったところで果たして風評被害は払拭されるとは思えない。

ここの田んぼはこれから基盤整備が行われる。

果たしてこの除染が無駄な税金投入に終わらなければいいんですけど。


これで大丈夫なのか?

2015年03月21日 11時50分26秒 | 農業

今日の新聞に「政府 食品の検査対象縮小」の記事が載っていた。

放射性セシウム検査をこれまでの検査結果から、検出されない食品が多くなってきたので検査対象を縮小すると言うものだ。

確かに検出されない食品がほとんどになってきている。

しかし、その情報についてはホームページで公開しているだけで全ての人がわかる状況ではない。

どの食品は安全ですよとすべての消費者がわかるようにしなければ「風評被害」は無くならないと思う。

それだけ国は福島県の風評被害に対して深刻に考えていないと言うことか?

同じ新聞に「原発事故影響で産地選ぶ3割」の記事も載っていた。

農産物を購入する際に、「放射能汚染がありそうな産地を避ける」ことが、

「いつもそうしている」は14.7%

「そうする時が多い」は18.7%

ここまでが33.4%

すべての品目について放射性セシウムの検査を行い「安全ですよ」と言っても、

3人に1人は福島県産は避けていると言う結果になる。

「たまにしている」は21.6%

「全くしていない」は39.8%

それ以外は不明だが、

「全くしていない」人を除き約60%の人がいまだに産地を気にして購入していることになる。

この数字は本当に深刻な問題だと思う。

だから南相馬の米も売れないんですよ。

国では農産物や加工品の放射性セシウムを検査しホームページで公開していますと言う。

そのホームページを見ることが出来ない人たちはどうなるんだよ!!

もっと国民全体に情報がいきわたるように考えないといつまでも「風評被害」は無くならない。

安易な考えで検査対象を縮小しより情報が少なくなるとどうなるか?

本当にこれで大丈夫なんでしょうかね?


南相馬の農業はそんなに深刻だったのか?

2015年03月18日 10時16分52秒 | 農業

今日の新聞に一面を使った南相馬の農産物安全PRの広告が載っていた。

原発事故の風評被害に苦しまされ続けている南相馬の農業だが、

こんな広告を出さなければならないほど深刻な状況に陥っているのかもしれない。

南相馬市産の農林産物については、放射性物質の検査が実施されています。

平成26年産米は、全量全袋検査の結果、放射性セシウム濃度はほぼ全て検出下限値未満でした。

南相馬市では、農地や農業用水路の除染を実施中です。

と書いてあります。

全て安全安心な農林産物を提供する、またわれわれが食するためには当たり前のこと。

それを何回となく何年も訴えてきたのに風評被害は払拭されない。

南相馬の農業を支え続けてきた兼業農家は、

原発事故の一年目は、なんとか農業を復活したいと考えていた。

その気持ちも年を追うごとに薄れ、5年目にはすっかり消えてしまったのかもしれない。

その大きな原因の一つが農地や農業用水関係の除染だ。

原発事故から4年たった現在やっとわれわれの地域も除染が開始されようとしている。

まるで農家がやる気を失うのを待っていたような除染。

それも放射性物質を取り除くではなく、地中深く耕し希釈するだけの気休めの除染。

間もなく平成27年産米の作付が開始される。

昨年の5倍以上の作付面積になるようだが、生産された米たちはどうなるのだろう?

国や東電の職員食堂で消費してほしいですよね。


平成27年産米の作付は?

2015年03月16日 10時24分01秒 | 農業

平成27年産米の生産目標及び生産目標面積の通知が届き、平成27年度の水稲細目書の提出期限が迫ってきた。

いよいよ将来へ向けての決断の時期が限界まで迫ってきたんです。

平成23年産米から平成26年産米までの4年間は「不作付け」

その実績から届いた生産目標面積は60%で40%は転作面積になっている。

そして、俺が決断したのは「不作付け」。

来年以降も作付はしない。

今年は米の生産にかかわる農機具の処分を始めようと思っている。

もう、ボランティアでは米作りはできない。

JAそうま管内の米は原発事故の風評被害が深刻で売れない。

平成26年産米の価格も暴落してしまった。

平成27年産米の作付も南相馬では飼料米の作付を奨励している。

米を作らなければ田んぼがダメになることはわかりすぎるくらいわかっている。

でもそんな状況の中では米の生産意欲は湧くはずがない。

先日新聞に出ていた情報だと南相馬の平成27年産米の作付は昨年の5倍以上だと言う。

それでも目標としていた面積の半分以下。

田んぼを作らなくても管理には経費が掛かる。

今年から原発事故の賠償金も出なくなり全てが農家の持ち出しとなってしまう。

米を作れば補助金が入るが果たして生産コストに見合うだけの所得は得られるかわからない。

作っても作らなくても農家の負担は増大するだろう。

消費者庁が実施した調査では、いまだに福島県産の食品購入をためらうと言う人が少なくなったと言っても17%もいる。

「放射性物質の検査にクリアした物しか出荷しないから安全です。」

と言うがなかなか不安な気持ちは払拭されないだろう。

震災から4年。

震災前(23.3.11)の南相馬市の生産年齢人口(19歳~60歳)が43,264人。

昨年(26.06.05)の生産年齢人口は29,241人。

14,023人もの生産年齢人口が減少してしまった。

子供の数も戻っていないのでこれから先も減少し続けるだろう。

その生産年齢人口のほとんどが市内の商工業系に働いているのが現状だと思う。

農業生産している方々の年齢は上昇を続けている。

南相馬の農業もこれから変貌を遂げていくと思うが、衰退していかないことを願いたい。

 


用水路の除染

2015年02月05日 21時31分25秒 | 農業

昨日夜勤明けで寝ていてなんか外が騒動しいと思ったら農業用水路の除染が行われていた。

以前は田んぼへ水を引くために用水路に堆積していた泥を除去するために毎年堀上げを行っていたが原発事故後はやっていない。

4年間堆積した泥を除去してくれている。

放射線量の高い山側から開始されてきてやっとわれわれの地域までたどり着いてきたようです。

山から海岸線までのほぼ中間地点かな?

今年度中に終了予定だから果たして間に合うのだろうか?

農業用水路の除染は側溝周辺の除草と堆積物や汚泥の除去。

重機や手作業で堆積物を除去し、コンクリート部分はブラシ等で洗い流しているようです。

汚泥はバキューム車で汲み上げると言うが・・・・・?

除染の終わった後は見違えるようにきれいになりました。

しかし、用水路だけの除染ですから雨が降るとまた用水路へ汚染された汚水が流れ込んでいきます。

1年間でまた堆積物が多くなっていくのでそれはどうなるのか?

そう考えると果たしてどれくらいの効果があるんだろうか?

今年限りの気休めの除染かな?

南相馬市の平成27年産米作付方針についてのお知らせが届いた。

国から全戸生産出荷管理という方針が示された。

全戸出荷管理とは、南相馬市の管理計画は策定せず、農家単位で吸収抑制対策を実施するということ。

われわれの地域はいまだに農地除染が行われていない。

今年度中には実施予定というが果たしてどうか?

無理して米を作っても、米は売れずに荷崩れしていく一方。

南相馬市の方針では平成27年産米は飼料米を中心に作付る方針。

これまで美味しい米を作るために頑張ってきたが、作った米は飼料にしかならないのでは・・・・・?

われわれの地域はこれから農地除染が行われる。

そして、その後に大規模化へ向けた基盤整備が行われる。

いよいよ小さな百姓は農業から手を引く時が迫ってきたようです。

俺は来年から兼業農家ではなくただの会社員ですね。


今年の米は基準をクリアしたらしい

2014年11月22日 08時57分20秒 | 農業

今日の新聞に太田地区収穫の新米 セシウム基準値以下の記事が載っていた。

旧太田村が太田地区に変わっている。

何か苦情みたいなのがあったんだろうか?

セシウムが100ベクレルを越えた理由として福島第一原発3号機の瓦礫撤去で飛散した塵が原因とされてきたが、

果たしてどうだろうか?

平成26年産米作付を行うのに大量のゼオライトやカリウム肥料が投入されセシウム抑制対策がとられている。

それでは原発から飛散した塵が原因だったと言えないような気がするが?

いよいよ農地除染が開始される。

平成27年産米の作付についてはまだ確定していないが、不安要因が全てクリアしたとは言えない。


農地保全作業

2014年11月15日 18時35分29秒 | 農業

今年最後になるだろう農地保全作業を今日実施した。

南相馬市全体で取り組む農地保全。

原発事故により耕作していない農地を荒らさないでいつでも耕作できるように保全していこうというもの。

これから農地除染が行われるから田んぼを耕すことはないと思っていたのに11月30日まで田んぼの除草を実施しろという。

それって無駄な事じゃないのかな?

田んぼの草はもう伸びることがなく枯れ始めている。

震災後は年老いた父親が少しずつ耕してくれていたが、今日は寒すぎるので俺がやることにした。

トラクターには3年8ヶ月以上乗ってないような気がする。

そんなに乗ってなくても不思議といつも乗っているような気がする。

震災前はいつも乗っていたから、やっぱり身体が記憶しているんですね。

普通だとこの時期に田んぼを耕すといつもある稲株が無い。

草だらけの田んぼ。

なんかさびしいような気分になります。

30a~20aの田んぼを6枚。

みぞれまじりの雨がぱらつくときもあったが何とか天気が持ってくれたので無事に終了することが出来た。

久しぶりの農作業。

草だらけだと田んぼに見えないけど、これだと田んぼらしくなりますね。

これから除染が開始され、いよいよ来年は作付けが再開されようとしている。

来年はどうしようか?

悩みの種は尽きません!!


平成26年産米の生産数量は

2014年10月05日 13時46分14秒 | 農業

平成26年産米における補正後の生産数量目標及び面積換算値通知が今年も届いた。

もちろん今年も原発被害により不作付けなので生産確定数量と面積はゼロ。

4年連続の不作付けが決定した。

これから来春に向けて農地の除染作業が始まる。

来年は作付けすることになるのかな?

米を生産している農家では収穫が最盛期を迎えているが、平成26年産米の価格暴落が深刻な問題になっている。

平成24年産米の需要減退により17万トン以上の持越し在庫があり、平成25年産米が1俵あたり2000円以上価格が下落したそうだ。

需要が回復しない現状の中、平成26年産米の作況状況が全国で「平年並み」から「やや良」と発表され、国の「基本指針」によれば、平成27年6月末の民間在庫が209万トンの過剰在庫となることが見込まれ、ますます販売環境が厳しい状況となることから、平成26年産米概算金単価が暴落したようだ。

福島県は供給過剰と原発事故の風評被害により、他県産米よりも厳しい状況に置かれている。

さらに福島県内でも浜通り産米は厳しい状況となっている。

浜通りのコシヒカリで全農概算金が1俵6900円。

JAそうまでは稲作農家の営農継続のために独自で加算処置を講じることとしたようだが、実際に売れなければこの加算金は借金になってしまうのか?

国の交付金による補てんもあるが、福島県浜通りの米農家の置かれている状況はこれからさらに深刻な状況になって行くかもしれない。

来年から作付けすることにしても、

これまで動かしていない機械の整備や荒れ果てた田んぼで生産再開するのに必要な肥料や農薬代、赤字になるのが目に見えている。

それでも米の生産を再開させなければならないのか?

難しい問題を突き付けられますね(*_*)