2022年5月4日・5日と南相馬市馬事公苑で日本選手権ディスクゴルフトーナメントが開催された。
南相馬市馬事公苑を会場に開催されるのは12年ぶり。
2011年3月。
3月6日にマンスリー大会を終え、いよいよ日本選手権に向けて本格的に準備に取り掛かろうとしていた時に発生した
東日本大震災とその後の起こった原発事故。
南相馬市馬事公苑で開催される日本選手権は4年目を迎えていた。
日本選手権開催をきっかけに南相馬でもディスクゴルフ人気が高まりコースも27ホールに増設。
いよいよこれからという時にという想いが今でもある。
あの時、JPDGA前会長の川崎さんと何とか復興の意味も考えて2011年中には開催できないかと努力したが、
原発事故によりその思いも打ち砕かれた。
そこから4年間馬事公苑ディスクゴルフコースは休眠に入ったのである。
許可を受けて時々コースの様子を見に来たが、
山に戻っていく姿を見て悲しく呆然とするしかなかった。
18番ゴール
11番プロティー
17番プロティー
日本選手権開催に向けてコース整備を頑張ってきたのに何で・・・・。
馬事公苑にコースが誕生したのが1999年。
そこから整備を繰り返してここまでのコースに仕上げてきたのに全てが失われてしまったような喪失感でした。
原発事故により南相馬でもほとんどの市民が避難を余儀なくされた。
避難先から帰還しても会員は3分の1に激減。
若者の流出が大きな痛手となった。
4年後に馬事公苑内放射性物質の除染後にコース復帰を果たすことが出来たが、
大きな大会を開催するにはスタッフ不足により困難な状況になってしまった。
それでもディスクゴルフの灯を消さないように頑張ってきたので何とか維持できたのかもしれない。
以前からJPDGA江原会長より馬事公苑でNT(ナショナルトーナメント)の大会を開催してほしいと打診があったが、
協会スタッフの負担を考えると開催は難しいと考えるしかなかった。
昨年の夏、都路コースの件で江原会長が下見に訪れた際に再度開催を依頼され「検討します」と言ってしまった。
現在の馬事公苑で大きな大会を開催するには、整備に協会会員の協力が無くては不可能。
会員の皆さんに相談した結果、みんなで頑張ろうと前向きの意見を頂いたのをきっかけに開催を承諾。
但し、整備をいくら頑張っても最善のコンデションでプレーしていただくには5月上旬が限界。
なので「5月の連休以外では開催できません」が条件。
馬術競技が優先される馬事公苑で日程の変更により迷惑をかけることがあったが、
何とか開催にこぎつけることが出来た。
開催が決まってからの半年間で会員皆さんが整備に費やした時間は100時間を超える。
あの山積みだった枯枝の除去、草刈り、整地とみなさんほんとうに頑張ってくれました。
感謝申し上げます。
JPDGA江原会長やスタッフの皆さんも毎月馬事公苑に訪れてコースや運営の検討を重ねてくれました。
宿泊等自前の旅費でこれだけ熱心に取り組むのは自分には到底できないことだと思います。
国内トップの大会にふさわしい大会にしようという会長の意気込みが伝わってきました。
馬事公苑内に仮置きされていた除染で出た放射性廃棄物の搬出作業の遅れから整備が遅れてしまったが、
大会を前にして馬事公苑コースも本来の27ホールに復帰。
11年ぶりに復帰したコースもプレーヤーの皆さんに楽しんでいただくことが出来ました。
と言っても、11年で大きくプレーヤーの顔も変わってしまったので、
馬事公苑コース初ラウンドの方も多いかもしれませんね。
広大な馬事公苑を贅沢に使った18ホールの日本選手権にふさわしい難コース。
Par4以上のホールが9ホール。
募集人数が100名で18ホールで25組がプレーするのに時間的な不安があったが、
過去に経験があるので問題ないというから凄い。
そして迎えた要項公開とエントリー開始。
エントリーを開始してから7日間で定員を4名オーバーする大盛況で結局1組多い26組となってしまった。
長い大変な下準備を経て迎えた5月3日。
前日の休苑日に許可を受けて準備をしたおかげで3日は予定通りに公式練習に入ることが出来た。
馬事公苑に再び日本選手権が帰ってきた実感がわいてきました。
5月4日。
12年ぶりの日本選手権開幕。
震災と原発事故を乗り越えて11年間頑張ってきたご褒美のような気がします。
門馬南相馬市長や太田会長にも喜んでいただきました。
来年も開催する場合は南相馬市の協力も得られそうです。
やはり大きな大会を開催しないと発展はないのかな?
長い大変な準備期間を考えると短い二日間だったけど、久しぶりに広大な馬事公苑全体がにぎやかになってくれました。
好天にも恵まれて、選手皆さんの生き生きとした表情を見ていると嬉しくなりますね。
大会の結果はこちらをどうぞ。
第34回日本選手権結果
大会の所感はこちらをどうぞ。
第34回日本選手権 大会所感
大会運営面でも少々トラブルがあったり、ラウンドがスムーズに進まないことからスケジュール通りに進めることが出来ませんでした。
交通の便が悪い地方のでの開催で遠方からの参加者にご迷惑をおかけしてしまったようで申し訳ありません。
この交通の便が悪い状況が原発事故が発生した時に避難を困難な状況にしたと思ってください。
12年前に開催した時にはまだ常磐道は開通しておらず、道路の整備も行き届いてなくより交通の便が悪いところでした。
常磐線も単線で風が吹くと止まってしまう鉄道です。
そういうところでの開催ですので、来年開催された場合は余裕をもってお越しくださるようにお願いします。
地元からは2名の参加。
アマチュアシニアグランドマスター部門で大井選手が優勝を果たしました。
おめでとうございます。
地元の新聞にもスポーツ欄に掲載していただきました。
「兵どもが夢のあと」
大会が終わって撤収が終了し解散して閉門したのが19時。
大会スケジュールが遅れたのに予定通りの作業終了でした。
岩手県協会の皆さんにも撤収作業ご協力いただきました。
ありがとうございます。
大会が決まってから半年間。
南相馬市協会スタッフの頑張りがプレーヤーの笑顔になってくれたと思います。
自宅に帰ってから新聞社への結果をまとめて送信を終えたのが21時。
この日ほどビールを美味しく感じたことがありませんでしたね。(冷えていたからかな?)
参加された皆さんまた来年この地でお会いできるのをお待ちしております。
来年の5月ゴールデンウィークも馬事公苑でディスクゴルフを楽しみましょう!!