私はもう一人の自分と現在という帯が、ただ今をもって過去を作り上げた。只今がずれる。私は現在から出ようとして、ずれている現在に戻される。過去に統一しようとするができない。私は過去の自分から逃れることができない。
かすかに雨音が聞こえる。
どうしようもない私はすこしだけ安らぐ。ネガティブな考えを払いのける力がない私には雨がなぐさめであった。
誰かがドアをノックする。
「誰だ」ドアに向かって、つぶやくように言った。
お迎えに参りました。
聞き覚えのある甲高い男の声がする。(お子様ランチ)だ。すっかり忘れていた。