Z先生は云った。
祈ろうとするときは、
まずわたしたちが持っているものに対する感謝をもって始めなければならない。
そうすると心が祈りにふさわしい気分に導かれる。
つぎに自分の意志を神にゆだね、最後にその日一日のために信仰と愛とをお願いする。
それからはじめて目前の必要ごとを祈らなければならない。
己の意志を神に委ねたときにのみ、われわれの祈願に神が御心をよせてくださることを十分の確信ををもって期待することが許される。
そうでなければ、やはり自力にたよるほかない。
しかし自分の意志を神にゆだねて神の誤りなき導きに固く信頼しながら自分勝手に未来を予見しようとせず、
一歩一歩未来の闇の中を進んでゆくならば、およそこの世で可能な人生の確固とした静かな幸福が始まるであろう。
今宵は満月。