幼い時から続いている問題は電話が怖いことだ。
生まれて初めてぶつかった恐怖は電話をかけて知らない人が出た時だった。最後のダイヤルを9ではなく0にまわした。間違え電話をしたとわかっているにもかかわらず、自分で電話をきれない。呼び出し音が続いているときの困惑。どうしよう。どうしようもない。どうもできない。
「もしもし」知らない男の声。
相手が何者なのではなく、自分が何者なのか。何者でさえないのか。
幼い時から続いている問題は電話が怖いことだ。
生まれて初めてぶつかった恐怖は電話をかけて知らない人が出た時だった。最後のダイヤルを9ではなく0にまわした。間違え電話をしたとわかっているにもかかわらず、自分で電話をきれない。呼び出し音が続いているときの困惑。どうしよう。どうしようもない。どうもできない。
「もしもし」知らない男の声。
相手が何者なのではなく、自分が何者なのか。何者でさえないのか。