うどんの研究 連載中
(46)小麦粉と栄養
インスタントラーメン
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ところで、この具の内容は、
1971年(昭和46年)にカッ
プ入りの「スナックめん」
が登場してから、飛躍的に
豊富になったといわれてい
る。スナックめんの具がバ
ラエティー豊かだったため、
それに刺激されたためであ
る。
(次回に続く)
インスタントラーメン
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このように、そのおいしさ
の秘密の第一は、選ばれた
原材料にある。だが、ただ
それだけではないところに、
その奥深さがある。たとえ
ばスープ、それに「かやく
」「やくみ」などとよばれ
る具。これらにも、技術の
粋と、たゆまぬ工夫がこら
されている。具は肉、魚、
海草類、野菜、きのこ類、
穀物、豆類、いも類のほか、
さまざまのものがあるのは、
ご存じとおりである。
(次回に続く)
インスタントラーメン
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広く世界の人々に愛されて
いるインスタントラーメン
の原材料は、小麦粉や油脂
などである。主に、小麦粉
は良質の強力粉が使われて
いる。また、小麦粉をこね
る水、すなわち「こね水」
をはじめとする水にも注意
が払われ、すべて厳重な衛
生管理のもとで製造される。
すぐれた材料、製造工程が
しっかり守られているから
こそ、世界の信用が得られ
ているのだ。
(次回に続く)
インスタントラーメン
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同じ小麦粉食品、西洋のめ
ん類であるスパゲッティの
命は、あのシコシコした歯
ざわりにある。そのシコシ
コを、人々は、求めている
のだ。インスタントラーメ
ンのおいしさも、基本的に
は、めん特有の”あし・こし
”を中心とした食感、すな
わちシコシコした歯ざわり
にある。ここに、世界の国
の人々が「おいしい」と感
じる要因がる。
(次回に続く)
インスタントラーメン
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世界の国々に、そのおいし
さ、便利さが知られるやい
なや、たちまち人々のハー
トをとらえてしまったイン
スタントラーメン。その人
気の広がりようは、ちょう
ど今ポケモン人気のようだ
ったにちがいない。年々、
海外で食される量は増え続
け、いまでは世界80ヶ国以
上の国で年間 434億食も食
されている。
(次回に続く)
小麦のルーツ 4/4
また、ある時、小麦の粉を
水で捏ねた生地を放ってお
いたところ、大きく膨らみ、
表面から泡が吹き出して腐
ったようになりました。
試みにこれをオーブンで焼
くと、さらに香ばしく、軟
らかくておいしいパンにな
りました。 これが現代に
続く「発酵パン」の始まり
です。 発酵してパンを作
ると、小麦粉のよく膨らむ
性質が生かされ、大麦との
主役の交代は決定的になり
ました。 この時から現在
まで、「小麦の時代」が続
いています。 発酵パンの
発見から後に興ったギリシ
ャ、ローマ、西ヨーロッパ
などの文明には大麦の時代
はなく、いきなり小麦を食
べるところから始まりまし
た。
(次回に続く)
小麦のルーツ 3/4
その小麦粉に水を加えて捏
ねると弾力と粘りのある塊
になり、オーブンで焼くと、
比較的軟らかくて、おいし
いものが出来ました。 お
かゆと共に食べていた大麦
粉の硬いパンとは、大違い
でした。 石臼が改良され、
よりきれいな粉が出来るよ
うになると、小麦粉の方が
いつもおいしいパンになり、
その他にもいろいろな食べ
方ができることも分かりま
した。こうした理由からエ
ジプト、インド、中国など
では、ある時期から大麦で
なく小麦を好んで食べるよ
うになります。 おいしさ
を求めて、大麦と小麦の位
置が逆転していきました。
(次回に続く)
小麦のルーツ 2/4
紀元前 3000 年頃の古代エ
ジプト時代には、「サドル
カーン」と呼ばれる縦に長
い粉挽き専用の石がつくら
れました。 その上に人が
ひざをついて座り、全体の
3分の2くらいのところに麦
粒をのせて、細長い棒状の
別の石を両手で握って体重
をかけながら前後運動を繰
り返すと手前にすり残しが、
向こうに挽いた粉がたまり、
小麦粉を作りやすくなりま
した。 小麦粒に少し水を
加えて湿り気を持たせてか
らすりつぶすと、外皮は比
較的粗いまま取れ、内は細
かい粉になります。
(次回に続く)
小麦のルーツ 1/4
はじめに、1万年ほど前、
西アジア山岳地帯の人たち
は野生の大麦や小麦を果物、
木の実、種子、草などと共
に食べていたようです。そ
の後、1万~8500年前の新
石器時代には、麦の栽培が
始まり、野生と栽培した麦
の両方を豆や雑穀と混ぜて
石で粗く砕き、焼いて食べ
ていました。土器が使われ
始めた紀元前6500年頃にな
ると、乾燥などに強くて収
量も多い大麦が選ばれて栽
培され、収穫した大麦は、
臼でついて粗挽きし、土器
で煮て「おかゆ」として食
べていました。
(次回に続く)
栄養とバランス 3/3
小麦粉は人の体を維持する
3大栄養素を含んでいるこ
とから、世界中の食べもの
の中心的役割をはたしてい
ます。1878(明治11)年夏、
東京・神田に府立脚気病院
が設置された。明治維新の
あと、白米を支給され常食
としていた都市の陸軍部隊
の間に、脚気が激増。死亡
率は10%を超えたという。
雑穀を食べていた人は、そ
んなことはなかったのだが
・・・・。調べたところ、
パンを食べる外国人にはそ
んな症状はない。結局、小
麦など穀類に含まれるビタ
ミンの効果と判明。白米に
麦もミックスするようにな
り、パン食とその文化は大
いに脚光を浴びだした。
(次回に続く)
栄養とバランス 2/3
太陽の恵みをたっぷり吸い
込んだ小麦粉は滋養に富む。
70~78%を占める主成分の
炭水化物、6~ 14%のたん
ぱく質、少ないながら脂質
( 2%前後)も含んでいる。
炭水化物と脂質はパワーを
生むエネルギー源(カロリ
ー)に、たんぱく質はエネ
ルギーのほか筋肉や血液な
ど体の元になっていく。 3
大栄養素といわれるものだ。
また、B₁、B₂などビタミン
類、カリウムやリン、マグ
ネシウムといったミネラル
(無機質)も多くの種類を
含んでいる。この二つを加
えて5大栄養素と呼ぶが、
さらに「第6の栄養素」と
注目される食物繊維を 2~
3 %含み(粒ごと製粉する
全粒粉はこれより数倍多い
)、腸のクリーナー役も果
たしてくれる。
(次回に続く)
栄養とバランス 1/3
原始の人たちは西アジア・
メソポタミアの地で初めて
小麦と出会った。それから
現在に至る約1万年の間に、
その粉が文明を支え、「穀
物の王様」として世界中の
食卓を飾ることになるとは
夢にも思わなかったに違い
ない。
( 次回に続く)
(45)粉学について
手を介さぬ近代製粉技術
製粉は人類の課題だった。
昔は石臼を使い、人や動物、
風や水の力ですりつぶした。
19世紀後半、スイス人技師
がロール式製粉機を発明。
回転スピードの違う二つの
ロールの間に小麦を通し、
外皮をひき割り、胚乳など
を取ることに成功した。い
までは外皮だけふるい分け
る「ピュリファイヤー」(純
化装置)で人手をへず、純
白の小麦粉を得ることがで
きる。
パスタとグラタン 4/4
めんを打つのは手間がかか
る。だから、日本ではその
昔、「めん」は祝いごとなど
特別な日のごちそうだった。
イタリアでも同じく、パス
タは「ハレ」の食べ物だった
という。それが国民食とし
て広がっていくのは17世紀。
いったん家庭で味を知るや、
それぞれの地方の食材を具
にした“マンマ(母)の味”を生
んでいく。さらに20世紀初
頭、デュラム小麦を粉にし、
水を加え、生地に練り、マ
カロニ類成形機から高圧で
細長く押し出して乾燥めん
にする近代技術が完成する
と、パスタは全世界の食卓
を飾ることになった。小麦
粉という食材が、いかに人
間に役立っているか、お分
かりになるでしょう。
(次回に続く)
パスタとグラタン 3/4
一方マカロニ。ひねったり、
貝状など形をさまざま変え
る。ゆでて野菜サラダへ入
れるもよし、また、魚介類
や肉、野菜などとともにソ
ースをからめ、オーブンで
焼いたら、表面が黄金色に
こんがり焦げ、マカロニグ
ラタンに。フランス人がき
づいた調理法という。これ
も日本人の好物だ。
(次回に続く)
パスタとグラタン 2/4
パスタには腰がある。原料
であるデュラム小麦の胚乳
には柔軟なグルテンを豊富
に含んでいるからだ。その
粗引き粉(デュラム・セモ
リナ)を水や塩、卵などを
加えて練っていく。強力粉
(パン、ラーメンなど)や
中力粉(うどん)、薄力粉
(ケーキ)にくらべ、歯ご
たえは強い。いわゆるアル
・デンテ(「歯ごたえがあ
る」の意)の食感である。
(次回に続く)
プロフィール
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