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キリン1缶270円 new
復活の行方 連載 3
先進国で市場拡大期待
個性的な味わいを売りとす
るクラフトビールは、先進
国を中心に市場の成長が見
込まれる。健康志向の高ま
りなどアルコールへの風当
たりが強まる中で、残され
た有望市場だ。キリンは米
州やオーストラリアなどで
クラフトビールメーカーの
買収を重ねており、日本も
成長市場になると期待して
いる。
(次回に続く)
キリン1缶270円
復活の行方 連載 2
クラストビールを重視
女優の吉永小百合さんを
起用したCMを積極的に打
つなど、旗艦商品の「一
番搾り」と並んで、キリン
ビールが今年力を注ぐビー
ルブランドだ。「スプリン
グバレー」は、英語で「職
人技のビール」「手作りの
ビール」などを意味するク
ラフトビールとなる。2022
年1月に行われた、キリンビ
ールの事業方針説明会。堀
口英樹社長は「ビール市場
の再成長にクラフトビール
は欠かせないと確信してい
る」と力を込め、「スプリ
ングバレー」がその役割を
担うとした。
(次回に続く)
キリン1缶270円
復活の行方 新連載 1
都内のとある食品スーパー
の酒コーナー。「一番搾り」
や「スーパードライ」、「
ザ・プレミアム・モルツ」
「ヱビス」といったなじみ
のブランドのビールが並ぶ。
その棚の一角でひときわ異
彩を放つのが、キリンビー
ルの「スプリングバレー
豊潤<496>」だ。容量350
mlの1缶の価格は約270円。
「スーパードライ」や「一
番搾り」の約200円と比べて、
思わず二度見してしまう価
格だ。ビールや発泡酒より
低価格の「新ジャンル」な
ら2本買える。24缶入りの
ケースでは1箱が約6600円
もする。
兵頭輝夏 東経記者
(今回新連載です)
リスクある小麦 輸入 new
続ける日本 最終回 14
米の要求を其の儘受入れ
GM表示義務食品の対象を
広げないで、かつ、GM表
示義務の混入率は緩いまま
で、このようなnon-GM表
示だけ極端に厳格化したら、
non-GMに努力している食
品がわからなくなり、GM
食品ばかりのなかから、い
ったい、消費者は何を選べ
ばよいことになるのだろう
か。消費者の商品選択の幅
は大きく狭まることになり、
わからないから、GM食品
でも何でも買わざるを得な
い状況に追いやられてしま
うだろう。これでは「GM
非表示法」である。厳格化
といいながら、アメリカの
要求をピッタリと受け入れ
ただけになってしまってい
る。
(今回最終回です)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 13
non-GM表示からの撤退
「GM原材料の混入を防ぐ
ために、分別管理された大
豆を使用していますが、G
Mのものが含まれる可能性
があります」といった任意
表示は可能としているが、
これではわかりづらくて、
消費者に効果的な表示は難
しい。そこで、多くの業者
が違反の懸念から、表示を
やめてしまう可能性もある。
すでにnon-GM表示をした
豆腐などからの撤退が始ま
っている。
(次回最終回です)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 12
表示でなくなる矛盾
例えば、豆腐の原材料欄に
は、「大豆(遺伝子組み換
えでない)」といった表示
が多いが、国産大豆を使っ
ていれば、GMでないから、
今後も「遺伝子組み換えで
ない」と表示できそうに思
うが、流通業者の多くは輸
入大豆も扱っているので、
微量混入の可能性は拭えな
い。実際、農民連食品分析
センターの分析では、「遺
伝子組み換えでない」大豆
製品26製品のうち11製品は
「不検出」だったが、15製
品に0.17パーセントから 0.
01パーセントの混入があり、
今後は、これらは「遺伝子
組み換えでない」と表示で
きなくなる。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 11
分別管理の努力がそがれる
この表示義務の厳格化が、
2023年4月から施行されれ
ば、表示義務の非対象食品
が非常に多いなかで、可能
な限りnon-GMの原材料を
追求し、それを「遺伝子組
み換えでない」と表示して、
消費者にnon-GM食品を提
供しようとしてきた、GM
とnon-GMの分別管理の努
力へのインセンティブが
削がれてしまう。そして、
小売店の店頭から、「遺伝
子組み換えでない」という
表示の食品は、一掃される
可能性が出てくるだろう。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 10
厳格化の内容異常
これに対する厳格化として、
決定された内容を見て驚い
たのは、①と②はまったく
そのままなのである。厳格
化されたのは、「遺伝子組
み換えでない」(non-GM)
という任意表示についてだ
けで、現在は5パーセント
未満の「意図せざる混入」
であれば、「遺伝子組み換
えでない」と表示できたの
を、「不検出」(実質的に
0パーセント)の場合のみ
にしか表示できないと、そ
こだけ厳格化したのである
(違反すると社名も公表され
る)。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 9
EU に比べて緩るい
管理されていないとみな
し、「遺伝子組み換え不
分別」といった表示が義
務となる。
(注2):トウモロコシ、
大豆、じゃがいも、アル
ファルファ、パパイヤ、
コーンスナック菓子、ポ
ップコーン、コーンスタ
ーチ、味噌、豆腐、豆乳、
納豆、ポテトスナック菓
子など。
(注3):サラダ油、植物油、
マーガリン、ショートニン
グ、マヨネーズ、醤油、甘
味料類(コーンシロップ、
液糖、異性化糖、果糖、ブ
ドウ糖、水飴、みりん風調
味料など)、コーンフレー
ク、醸造酢、醸造用アルコ
ール、デキストリン(粘着
剤などに使われる多糖類)
など。
これは、0.9パーセント以上
の混入があるすべての食品
に、GM表示を義務付けて
いるEUに比べて、混入率、
対象品目ともに極めて緩い。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 8
初期設定が甘かった
表示義務は①混入率につい
ては、おもな原材料(重量
で上位3位、重量比5パーセ
ント以上の成分)について
の5パーセント以上の混入
に対して表示義務(注1)
を課し、②対象品目は、加
工度の低い、生に近いもの
(注2)に限られ、加工度の
高い(=組み換えDNAが残
存しない)油・醤油をはじ
めとする多くの加工食品
(注3)、また遺伝子組み
換え飼料による畜産物は除
外とされている。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 7
米国の証拠の要求
特にアメリカが問題視して
いるのは、「遺伝子組み換
えでない」(non-GM)と
いう任意表示についてであ
る。すなわち、「日本のG
M食品に対する義務表示は、
対象品目が少なく、混入率
も緩いから、まあよい。問
題はnon-GM表示を認めて
いることだ」と日本のGM
研究の専門家の一人から聞
いていたからなのだ。「G
M食品は安全だと世界的に
されているのに、そのよう
な表示を認めるとGMが安
全でないかのように消費者
を誤認させるからやめるべ
きだ。続けるならばGMが
安全でないという科学的証
拠を示せ」という主張であ
った。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 6
GM 食品の米国の圧力
2018 年3月末に、消費者庁
から「消費者の遺伝子組み
換え表示の厳格化を求める
声に対応した」として、G
M(遺伝子組み換え)食品
の表示厳格化の方向性が示
された。アメリカからは、
日本に対してGM表示を認
めないとの圧力が強まると
懸念されていたなかで、私
はGM表示の厳格化を検討
するとの発表を聞いたとき
から、アメリカからの要請
に逆行するような決定が本
当に可能なのか疑念を抱い
ていた。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 5
醤油からも検出
また、大豆製品では、Rubi
o ほかがフィラデルフィア
で購入した醤油中のグリホ
サート分析をし、検査した
醤油の36パーセントで定量
下限より多いグリホサート
が検出された。有機醤油か
らグリホサートは検出され
なかった(渡部和男氏のメ
モ2015)日本国内の醤油に
ついての検査も不可欠と考
えられる。日本人の毛髪検
査からの輸入穀物由来とみ
られるグリホサート検出率
も高い(28人中19人に検出、
検出率68パーセント)。世
界的にはグリホサートへの
消費者の懸念が高まり、規
制が強化されるなかで、日
本は逆に規制を緩和してい
るので、日本での儲けに期
待が高まることになる
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 4
日本で売られているパンは
ほとんど検出される
しかも、アメリカで使用量
が増えているので、日本人
には小麦のグリホサートの
摂取限界値を6倍に緩める
よう要請され、日本政府は
2017年12月25日に、「ク
リスマス・プレゼント」と
称して緩めてしまったのだ。
残念ながら、日本人の命の
基準値はアメリカの必要使
用量から計算されているの
であろうか。農民連食品分
析センターの検査によれば、
日本で売られているほとん
どの食パンからグリホサー
トが検出されているが、当
然ながら、国産や十勝産と
書いてある食パンからは検
出されていない。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入 new
続ける日本 連載 3
日本人が一番摂取している
「これはジャップが食べる
分だからいいのだ」とアメ
リカの穀物農家が言ってい
た、との証言が、アメリカ
へ研修に行った日本の農家
の複数の方から得られてい
る。グリホサートについて
は、日本の農家も使ってい
るではないか、という批判
もあろう。だが、日本の農
家はそれを雑草にかける。
農家の皆さんが雑草にかけ
るときも慎重にする必要は
あるが、いま、問題なのは、
アメリカからの輸入穀物に
残留したグリホサートを、
日本人が世界で一番たくさ
ん摂取しているという現実
である。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 2
懸念のグリフサード使用
アメリカの穀物農家は、発
がん性に加え、腸内細菌を
殺してしまうことで、さま
ざまな疾患を誘発する懸念
が指摘されているグリホサ
ートを、雑草ではなく麦に
直接散布している。収穫時
に雨に降られると小麦が発
芽してしまうので、先に除
草剤で枯らせて収穫するの
だ。枯らして収穫し、輸送
するときには、日本では使
用されていない防カビ剤*
を噴霧する。*日本では使
用禁止の収穫後農薬であっ
たが、米国からの日本への
輸送時に散布可能なように
食品添加物に分類変更され
た。
(次回に続く)
リスクある小麦 輸入
続ける日本 連載 1
関連の市場規模はこの30年
で 1.5 倍に膨らむ一方、食
料自給率は38%まで低下し
ている。世界的な人口増に
よる食料需要の増大や気候
変動による生産量の減少で、
食料価格が高騰し、輸出制
限が懸念されるなか、日本
は「食の安全保障」を確立
できるのか。新著『農業消
費』は、日本の農業が今ど
のような危機にあるのかを
伝えています。本稿は同書
から一部を抜粋・編集しお
届けします。
鈴木宣弘 東大大学院教授
(今回新連載です)
焼肉屋で選ばれる new
代替肉の正体 最終回 17
食の選択技として拡大可能
大豆以外の原料としてはほ
かの豆類やキノコ、藻類が
挙げられる。またアメリカ
では培養肉の研究も進んで
いる。培養肉はネクストミ
ーツとして商品化するかは
別として、環境はもちろん
食料危機の観点からも必要
性を強く感じているという。
これまで見てきたように、
健康を考えて、地球環境の
ために、おいしいからなど
など、代替肉を選ぶ理由は
幅広い。食の選択肢の1つ
として、拡大する可能性は
大いにありそうだ。
(今回最終回です)
焼肉屋で選ばれる
代替肉の正体 連載 16
大豆以外の原料に研究
ちなみに、環境のために代
替肉を利用している層とし
てミレニアル世代が挙げら
れるのだが、彼らは幼い頃
からIT環境が周囲にあり、
デジタルとの相性もよい。
今後のさらなる展開として
は、大豆以外の原料の研究
を進めていきたいという。
確かに、日本では豆腐や油
揚げといった大豆製品がす
でにある。このことから、
大豆を原料とした代替肉に
わざわざ高いお金を払う必
要性が、海外に比べて低い。
(次回最終回です)
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