「タチアオイと太陽と」 夏至を意識した２５年前

タチアオイと太陽と

雨あがりのツユゾラに
タチアオイが突きささる
ずっと上には　薄ぼんやりした
太陽が南中した
積み上げてはどこかしら
崩れはじめる営為とよぶ日々の連続に
はっきりと　時のクサビを打つ瞬間だ
ねばねばからむジョウゼツをはらいのけ
空と地が不明瞭なあたりから生じるらしい
白濁した意識のバブルをくだき散らせ
アメーバ形のボンノウもいきり立つな
今しばらく待ってくれ
そして　仰ぎ見よう

真っすぐ伸びるタチアオイが
指し示すかなたの太陽を

今日は夏至の日

夏至の日は過ぎにけり

今年の夏至は６月２２日。
学生のころ、夏至の日が近づいてくると気持ちが異様にブルーになった。
同じような精神の病が何年も続いた。なんだったのか？
その日を境に昼の時間が少しずつ減っていくという、喪失感だったかもしれない。

今年の夏至は何の感興も覚えず過ぎて行った。
西の空にしずむぼんやりとした太陽を見送った。