風とともに走れよ自転車

旅日記。今の自分のモノローグ。

スペイン自転車旅ーサンチャゴへ(2)

2017年06月02日 | 日記
スペインの北の果てに、中世から続く巡礼路があることを知ったのは随分以前のことだ。
確か京都の本屋だったかな、なにげなく手にした冊子だったように思う。
キリスト教関係の小さな本屋。
フランスとスペインの国境の村から、およそ800キロの巡礼路と記されていた。
巡礼者は皆、ホタテ貝をぶら下げて延々と40日ちかく歩き続ける旅。
その巡礼路の名は、サンチャゴ・ド・コンポステーラと言う。

Santiago de Compostela

その言葉の不可思議な響きを脳裏に秘めて20年近く経ったことになる。
いつかやってみたいなと思いつつ、今年初めての実現となった。

以前、職場の同僚にこの話をすると、ヘミングウェイというアメリカの小説家の名が出てきた。
ヘミングウェイがこの巡礼路のパンプローナ近くの村で長逗留してマス釣りを楽しんだということだ。
彼の小説「日はまた昇る」の舞台だそうで、同僚もいつかそこでマス釣りをしたいと言っていた。

その後、巡礼路実現の思いは徐々に薄れていき、いつしかすっかり忘れてしまっていた。

この間、自転車に目覚め(?)、自転車を脚にして海外や日本をあちこち旅することになる。
なんで自転車なのか?
旅路は自分の脚で歩きたい。鉄道やバスもまた別な楽しみになると思うけど、
自分の力で、しんどい思いをしての旅こそ意味があるのかなと、今も昔も変わらない思いだ。
そして、自転車で風を切って走る爽快感はまた格別で、歩くことよりも一層自分の体に合っている。
要するに、自転車が好きなのだ。

今回、その気になったのは昨年ピレネーの麓の村まであしを延ばし、
巡礼路(ナポレオンの道)の一部を歩いたことが刺激になった。
その村こそ、フランス側からの巡礼路出発の村。
サンジャン・ピエ・ド・ポールだ。

St.Jean Pied de Port

クリスチャンではない自分。ましてやカトリック信者でもない自分。
なんのために、何の目的で800キロ先の、サンチャゴを目指すのか。



コメント
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