鳥まり、参る!

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闇に咲く華たちへ。

2022年02月18日 | シリアス
【大和撫子のド根性、素晴らしきかな】

昨日(2022年2月17日)は北京五輪フィギュアスケート女子シングルFSでした。

まずは…坂本花織選手、銅メダルおめでとうございます。

勝負強さ、自分軸のブレなさは昔から存じ上げていましたが今大会はすごすぎました。

ショートの最終滑走もフリーのトゥルソワ選手の直後の演技も、あんなにドキドキしてあたふたしていたのに、曲が始まった途端にきちんと

「自分の仕事」

に集中できるって、すごいこと。

彼女のフィギュアスケート人生の歴史が、積み重ねてきた徳が、この素晴らしい結果を作ったのでしょう。

ほんとにすごい!!!

樋口新葉選手もショート・フリー共にすごかった。

トリプルアクセルって本当に大変なジャンプなんだな~と改めてしみじみ。

運命を変えた、それを証明されたと思います。

おめでとうございます

初出場の河辺愛菜選手は…

「出していただいたのに申し訳ない」

と語るのがいたましくて…。

選手に、それもこんなに幼く経験の少ない方にこんな思いをさせてはいけないよね。

心を回復させてからまた頑張ってくれたら嬉しいなあ。

傷みも悲しみも、全てがいつか栄養になって開花させることができる競技だと思いますから…。

ほんとに、メンタルケアちゃんとやってくださいよ教え導く人たちは。

脅して摂食障害になんかさせないでよ。

(被害者はたくさんいます)

【極寒の闇の中でも、彼女たちは今咲くしかない】

さて…。

うん。

ロシアの選手たちですよ。

まずは銀メダルに輝いたアレクサンドラ・トゥルソワ選手。

すごかった。

「ぜったいにぜったいに金メダルを取りにいく、命をかけて」

くらいの執念を感じました。

だって!

4回転ジャンプ5回だよ?!

ネイサン・チェン選手と彼女しか跳べないんだよ?!

だよね?!

しかも、両手をあげて飛ぶって…すごすぎる!!!

ランビエール先生(ステファン・ランビエール)が

「自分も現役時代クワドを飛んでいましたから、それがどんなに困難なことかはわかります。

 それでもフィギュアスケートはジャンプだけではありません。

 それ以外の要素を軽んじてはならない」

みたいなことをおっしゃっていた。

(特定の選手について言ったのではなく、採点傾向への言葉でした)

それでも…トゥルソワ選手の気迫はすごかったよ。

これは敬礼しちゃう。

私は現役時代のプルシェンコを思い出したね。

本当に二人はよく似ている。

正直、今回のプログラムも衣装もヘアメイクも何一つ

「彼女のために」

「彼女の歴史に残る名作を」

と考えて作られたものではないと私は今でも考えている。

でも、彼女たちはここで咲く=集大成を見せるしかない。

ロシア女子が次の五輪を目指せない運命に置かれてることはメドベージェワさんやザギトワさんの歴史を見ればわかるはず。

極寒の闇の中で

「金メダルが欲しい!!!」

と命かけて咲いた彼女という花を私は敬う、心から。

それでも…。

金メダルをとったのはアンナ・シェルバコワ選手でした。

書かなかったから信じてもらえなくてもいいんだけど、私は彼女が2019年のグランプリシリーズに出ているのを見た時から

「この人だ、次の五輪で金メダルをとるのは」

と思ってた。

願望や思考じゃなくて、そんな気がしていた。

(その頃に書いた記事。

 真ん中あたりで言及しております。
  ↓
 ・ぼーっと・ダラダラ・お喋り2。

あの時、彼女はトゥルソワ選手と共にカラーチェンジドレスを与えられて演技していました。

「ロシア3人娘」

と称される当時の若手実力者でありながら、シェルバコワとトゥルソワにだけカラーチェンジドレスを与え、もう一人のコストルナヤ選手にはどれだけ彼女が

「一番美人」

だの

「美美美」

だの

「人気者」

と扱われようとも、あるいは結果を出そうとも、けしてカラーチェンジドレスを与えなかった“教え導く人々”に

「なんて残酷なんだろう」

とゾッとした。

あれは冷遇された者だけでなく、優遇された二人にもえげつないほどのダメージだったはずです。

その証拠にシェルバコワ選手の手がプログラム始まる前に小さく、しかし激しくブルブル震えているのを見た時、必死に抑え殺した感情が垣間見えて私は涙が出そうだったよ。

それでもほぼ完璧に滑りきった姿を見て

「彼女が金メダルだ」

と思ったの、静かに、でも確信めいて。

今回も同じでした。

けして感情的にならず、望むものを得るために出来ることをやる。

そして金メダル。

彼女自身は素晴らしかったけれど、トゥルソワ選手と同様に…本当にもったいなかったなあ。

彼女のためのプログラム、衣装、ヘアメイク、あったはず。

「歴史に残る彼女のための作品」

を作ってほしかった。

それでも…これは同じことおっしゃってる人が多かったけれど、彼女の演技はメドベージェワ選手の系譜を思わせる優雅さと舞台性がありました。

くわしいことは今更私が書きはしませんが、

「現役続行したい、次の五輪に出たい」

と望んだけれど引退をすすめられたというメドベージェワさん。

「受け継がれるんだな。

 どんなに過酷な中でも、脈々と」

って静かに感動しちゃった。

シェルバコワ選手がどう思っているかはわからないけれど。

芯が強く賢い彼女ですが、やっぱり彼女の心もすごく心配…ケアしてあげてほしい。

おめでとうございます

…。

ん。

もちろん最後は、悲劇のヒロインにされてしまったカミラ・ワリエワ選手ですよ。

あれが彼女の選択にしろ、流れの末にそうなってしまったにしても、私は彼女の神さまが既の所(すんでのところ=もう少しのところ)に救ってくださったんだと思ってるよ。

誰も守ってくれない中で、一番良い結末になったのだと。

彼女をこんな目に合わせた闇はすべて明るみに出して審判を下されるべきですが。

それでも、あまりにも辛くて悲しい結末。

「金メダルがとりたい」

そのために比喩じゃなく命も魂も削ってここまでやってきただろうにね。

先生は

「トリプルアクセルのあと諦めたね、なぜ?

 話して」

とおっしゃったそうですが、それがもし真実の一部ならばそこで神さまが彼女をかばったんだと私は考えるけれど。

幸せになってほしい。

全員ですよ!!!

辛いよ。

私ですらこんなに辛いんだから…もう。

あとね、本当に、名前って大切だと痛感した。

ワリエワ選手はその圧倒的な実力で不敗だったから

「相手を絶望させるほどの圧倒的強さ」



「絶望」

と呼ばれ始めたらしいですが、そんな名前つけちゃいけないんだよ。

名前つけたら本当になってしまうから。

そうなっちゃったじゃないか。

「不敗」

とか

「無双」

とか呼んでほしかったなあ。

と思うのと同じくらい強く、

「この運命の渦にまきこまれる巡り合わせだったからこそ、その名を得たのかもしれない」

とも思う…。

辛い。


…。

というわけでねえ。

極寒の、息が凍る血が凍るような闇の中で咲いた花たちに。

日本からささやかながら最大級の敬意・祝福・そして祈りをささげます。

貴女方の未来に数多の光が降り注ぎますように。

どんな場所にいたって。

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