映画「シングルマン」を見てきました。
良かった!
シングルマン公式サイト
監督がトム・フォードという人で、私は良く知らなかったんですけど、ファッション界では有名なデザイナーの方だそうで、これが映画デビュー作とか。信じられない。凄いです。
アメリカの大学で教授をしているイギリス人ジョージ。彼が16年一緒に暮らした最愛の‘パートナー’が事故死してしまう。最愛のパートナーを亡くした後のジョージが取る道は…
ジョージの住まい、服、車、小物にいたるまで、全てが上品。地味で上質。隙がない。
センスがいい、ということはまさにこういうことだ、と思う。
そして、耐え難い孤独感、静謐が画面に溢れ、観る者の心を打つ。とにかく切なかったです。
挿入音楽もいい。オペラのアリアが「さようなら、ふるさとの家よ」だった。美しい曲。ありきたりな曲じゃなくてよかった。
ジョージを理解する女性チャーリーとディナーする場面では「ストーミーウェザース」と「グリーンオニオン」
テーマ曲も美しくて、涙出そうでした。
主人公ジョージを演じているのはコリン・ファース。この人が出ているので見に行ったんです。実は…
昔出ていた「アナザー・カントリー」のトミー・ジャドを彷彿とさせる。白のシャツに細いネクタイなんて…
ガウン姿もジャドを思い出した。「アナザー・カントリー」では後ろからガイに抱きつかれるシーンとかあったなあ…
感情を押さえた演技、悔恨、愛情、苦しみ、その他諸々…を無言のうちに現すあの目線。
素晴らしい演技でした。
そして、あの体の美しさ!
裸体で水中で泳ぐシーンがところどころに出てくる。足とか手とかを部分的に映して…
動くギリシア彫刻のようでした。
この作品で彼はアカデミー賞候補にもなったんですよね。
この後は「キングス・スピーチ」がある。こちらもかなり評判なので、アカデミー賞取りそうな予感です。
とにかく、厳しいまでの美意識、孤独感が溢れた、素晴らしく切ない映画でした。
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