梅雨の晴れ間に八王子城跡へ行く。
そもそも八王子城は北条氏照が築いた山城。天正12年から15年にかけて北条氏照が本拠地にしたが、天正18年(1590年)に豊臣秀吉の命を受けた前田利家、上杉景勝らによって攻め落とされた。その後、城は放置され山に戻った。落城400年の平成2年(1990年)に八王子城の遺構が整備され、平成18年(2006年)には日本城郭協会により日本百名城の一つに選ばれた。
もともとは北浅川と南浅川に囲まれた東西3キロ、南北2~3キロの大きい城。
今回はその一部を歩く。
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翻訳 朴ワンソの「裸木」23<o:p></o:p>
P73~P75<o:p></o:p>
「それ、順番に焼いて食べましょう…」<o:p></o:p>
「そうだね。国費を使ったら?」<o:p></o:p>
「そのシリンダーの爆発する音、ちょっといい加減にして。横取りされて全部取られて、私たちの口には息でも入れてろというのかい…」<o:p></o:p>
「やい、これがパーティーかい? 思う存分食べさせてくれるといっていたけれどね」<o:p></o:p>
「慌てないで。機械が回ってこそトウモロコシも弾き出すんだから」<o:p></o:p>
実際はポップコーンを弾く機械がいくら精を出してポップコーンを吐き出しても、いまだに需要に追い付けなかった。泰秀と私はそのまま押し出されるままだった。食べ物と少し離れた所で、あまり食べ物に飢えていないグループが、互いにもみ合いながら踊りのようなものを踊っていて、小母さん達はビロードのチマ(スカート)腰までたくし上げて、くしゃくしゃのシュミーズに包まれた平たい尻をタイルの床に付けて座って、がさがさと噛んで飲んでいる最中だった。<o:p></o:p>
「普通、朝鮮人というのはこうだから本当に」<o:p></o:p>
食べる戦いからよろよろと押し出されてばかりの、背の高い男が痰をぺっと吐きだしながら、憎悪に満ちた目で人々を睨みつけていたが、再び決心したように強く激しい渦の中心に向かって突進していった。<o:p></o:p>
泰秀は私の手を自分の手の中でいじり回すだけで、明らかにしょげていた。<o:p></o:p>
「踊ろうと言っていたけれど、どうする?」<o:p></o:p>
私は彼の気を奮い立たせようとしてにこやかに言ったけれど、彼は手を掴んだままよろよろと片隅に押されながら、<o:p></o:p>
「ホールの収容能力も考えないで、もともと人を多く招待しておいて…実際に正式に招待ということもないけれど…こんなにたくさん集まるはずが…」<o:p></o:p>
彼はこの修羅場に至極論理的な解説をつけようとして言いよどんだが、照れくさそうに言葉尻を濁した。<o:p></o:p>
実際にこんな所では礼儀正しく妥当性があるようで、野暮ったく見えることもなかった。私も他の人達のように普段隠していた恥部を曝け出して、ひとしきり遊んでみたかった。<o:p></o:p>
私は泰秀を踊っている人々の中に引っ張って行った。その中には黒人の肩に顎を載せたダイアナ金の白い顔が薄黒い黒人の後頭部と並ぶことで、百合のように可憐に浮き沈みしていた。<o:p></o:p>
「私達も踊るか、せめてコーラでも1本もらってくるか…速く」<o:p></o:p>
私は彼の片手を掴み、もう一方の手を優しく私の腰に回してやったけれど、彼の力のこもらない手はだらっとして、<o:p></o:p>
「おとなしくしていて。あそこであの子達をただ…」<o:p></o:p>
彼がとても険しい表情で睨んでいる方を見ると、バーの厨房からホールに向かって開いた窓に5,6人のGIが窮屈に頭を入れて、ホール内の口喧嘩、文字通りの口喧嘩を興味津々と見物していた。その中には階下担当のミスターサジンも加わっていて、彼らは自分が演出した演劇の期待以上の成果に満足しているように、得意の微笑を浮かべていた。<o:p></o:p>
泰秀の首筋が赤くなり、恥辱に耐えることができない表情だった。<o:p></o:p>
「じゃ、踊るか、せめてポップコーンでも…」<o:p></o:p>
「嫌だ。ミス李は恥ずかしくもないの?」<o:p></o:p>
「恥ずかしいこと? 他の人達がみんなそうしているけれど。私達もおとなしく他の人達のようになるのよ。この人達と違うふりをするのは疲れて無意味よ」<o:p></o:p>
「でもヤンキー達が見ているじゃない? あんなに面白がりながら」<o:p></o:p>
「私はたっぷり面白がりたいのに、どうしてミスター黄は野暮ったく悲憤慷慨しているの? 彼らは彼らなりに好きでしているのだから、私たちは構わなければいいんじゃない。特に彼らも私達の国籍のようなものを探るから気に障るのよ。実際には飢えている者と飽満している者の差だけなのに。彼らも私達のように戦争を経験して娯楽と食べ物に長く飢えていたら、私達より何倍も醜態を見せるわよ。万一私達も他人に恵むことのできる立場だったら、彼奴らより数十倍も傲慢になるはずで…」<o:p></o:p>
「だからどうしろと言うの?」<o:p></o:p>
彼が突然ぶっきら棒に言った。私はさらににこやかに彼の耳元で誘った。
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