12345・・・無限大  一粒の砂

「一粒の砂」の、たわごと。
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隠し剣 秋風抄

2010年04月07日 03時25分16秒 | Weblog

春休みの孫たちが帰ったのでようやく自分の時間が戻ってきた。図書館に出かけ藤沢周平氏の短編小説「隠し剣 秋風抄」を借りてきて読むことが出来た。

収められている9編の短編は、昭和53年から55年にかけてオール読物に掲載されたものを56年に単行本にまとめられたものである。 「あとがき」にこの小説のルーツは、子供の頃村の小学校で見た板妻(板東妻三郎)の映画だと書いてあった。

確かに9編全てが、風采の上がらない貧しい武士かあるいはハンデャップ(盲目のような)のある落ちぶれた武士が最後の最後に使う秘剣(秘密の必殺剣)が主役である。この物語の中に藤沢氏特有のペーソスや人情が描かれているのである。

 最後の9編目の「盲目剣谺返し」は、藩主の毒見役の折、食中毒にあたり盲目になった美男剣士が貞淑な妻を不倫の罠に陥れたその者を仇として討つという物語である。この物語によく似たドラマをTVでみたような気がするのだが、いささかボケ始めた小生の記憶でははなはだおぼつかなく定かではない。

 昨年後半、コミックス(漫画)を元にした「仁」という面白いTVドラマを楽しんだことがある。原作の漫画も面白いがTVドラマになったものの方が一段と訴えるものが強かった記憶がある。

漫画は著者一人が創るものなのだろうが、TVドラマでは脚本家・監督・衣装・小道具大道具・BGM等沢山の人達の協力作業なので一段と重厚さとか華麗さとか表情・表現など奥行きや深さが勝ってくると感じた。

この小説を読んでどこかの局で、7編目「暗黒剣千鳥」と8編目「孤立剣残月」を、素晴らしいTVドラマにしてくれないかなと小生は切望するのである。