大変の年であった、と今後の歴史家が言うかも知れない。2008年は、強大なものが溶けていく年であった。凄まじいものは、ドルの凋落である。貨幣こそ万物の価値尺度であるという禍々しい信仰の象徴としてアメリカドルが永年君臨している。それが、資本主義の「発展」の過程で巨大な空洞を生み、発展のように見えた姿が水ぶくれであることがわかった。強大な経済大国のアメリカ合衆国が1980年代以降、製造業をどんどん退化させ、金融産業?と軍需産業、これを推進する多国籍企業のモデルを発達させた。このとんでもあい経済を作ってきたとに多くのアメリカ人も気づいていなかったようだ。経済は生き物であるといわれるが、それを成り立たせる基盤は地球という自然のシステムである。このシステムは経済の上位にあるシステムであり、経済で支配出来ない。20世紀は戦争の世紀だった。いわば、強大な軍事帝国のアメリカの力が地球を引き回した世紀だった。21世紀もその後を引きずってはいるがここへ来て、さながら中世紀の恐竜が突然溶け出して絶滅したように、アメリカを中心とした軍事と経済の体制が、その基礎であるドルのメルトダウンによってみるみる崩壊の兆しを見せている。この現象は景気循環の底であるという通説にはなじまない。
人間が生きていく基盤である自然が、温暖化ガスの急増と経済の維持と温暖化ガスの削減を両立させることのできないアメリカや日本、そしておそらくは中国、ロシアなどの経済によって壊され、そのことによって。食料やエネルギーそして水や緑が大きく損なっているからである。 . . . 本文を読む