ノーベル物理学賞の受賞者の益川博士は、その特異なキャラでマスコミに人気がある。私もいっぺんに共感した。博士は、子供の頃宿題を一度もしてこなかったと言う。これは博士が単に反抗的であったということではなく、何かに夢中になって、宿題のことを気にかけなかったことによるものだろう。子供の時にそれほど夢中になれるものは何だろうか?私も子供時代を思い出して考えてみるに、やはり自然観賞じゃないかと思わざるを得ない。自然をしつこく眺め「なぜ?」の問を次から次へと発する好奇心が支配していたに違いない。「沈黙の春」を著したレーチェル・カーソン女史の幼女時代もまさにそうだったと言われている。私の恩師である古島敏雄農学博士(農業史の先生)は、やはりエッセイで同じようなことを述べている。「社会を見る眼、歴史を見る眼」(農文協、2000年)をひもとくと冒頭に益川博士と同じようなことを言っている部分に遭遇する。それを原文のまま記しておこう。 . . . 本文を読む